1ヵ月間の中国西部(23)麗江 ❶


【20日目】この日はチベットを離れ、雲南省・麗江へ向かう。祥鵬航空(Lucky Air)「ラサ・クンガ国際空港10:15発➔昆明長水国際空港12:40着」便を利用。元々、四川航空「ラサ➔麗江三義国際空港」便を予約していたが、後に航空会社の都合で欠航になってしまった。しかたなく昆明から麗江までは高速鉄道で移動することになったのだ。

上空からは雪をかぶった「玉龍雪山」や長江上流の「金沙河」が見えた。昆明に近づくと水田の風景が多くなる。雲南省は稲作起源の有力候補地と言われるが、この風景を見ると日本人として親近感をおぼえる。

昆明から麗江までは高速鉄道で約3.5時間。この間、車窓の景色といえば大理の「洱海」が最高である。洱海を眺めていると、滋賀県のJR湖西線から見る琵琶湖の景色を思い出す・・・。


麗江古城に到着  麗江駅から古城南門まで直通バスで移動。バスを降り、入場券を買ったらいよいよ古城観光がはじまる。世界遺産だけあって多数の観光客でにぎわっている。まずは二泊お世話になる旅館へ向かって歩く。観光化が進みテーマパークのようにも感じるが、時折り水路にかかる古い石橋などを見ると歴史を感じる。また店舗の看板にはナシ族のトンパ文字が並記されているのも興味深い。もちろん独自文化の継承はそれほど簡単なことではないだろう。そういえば高島市にも「神代文字の石」が保存・展示されているのを思い出す。現地の説明文にあるとおり「字とも絵とも判別のつかない陰刻」ではある。ナシ族の人たちがこれを見たらどう感じるだろうか・・・。

【参考】神代文字の石(高島市安曇川)


旅館「麗江梵云若水客桟」  地図アプリを見ても宿にたどり着けなかったので、電話をして迎えに来てもらった。夜8時に到着。門や建物全体の古さに感心する。この旅館、古建物を保護しながら、オシャレなカフェ空間を設置している。私が泊まる部屋は中庭に面し、室内はいたって素朴だ。さて外食に出るまで、途中のコンビニで買った雲南の地酒を飲みながら少し休憩する。小さいグラスに入った「蕎酒」は今まで飲んだことのない独特の味がする。原料の「苦蕎麦(ダッタンソバ)」の影響だろうか。量は少ないが41度あるのでやがてほろ酔い気分になる・・・。


夕食の米線  雲南といえば米線(米の麺、ライスヌードル)やキノコ。飲食店の前には客寄せのためか、キノコをカゴに入れて展示している。キノコの写真パネルを見ても種類の多さが分かる。そこで記念すべき麗江最初の夕食は「野生菌米線」(野生キノコの米麺、Wild Mushroom Rice Noodle)を注文。セットメニューなので黒くて一見不気味な「密制鶏爪」(Secret Cooked Chicken Feet In Black Color)も付く。麺はツルツルと喉越し良く、スープは旨味がしっかり、具材のキノコも数種類入っていて楽しめる。雲南の旅、出だしは好調だ・・・。


夜食の焼き串  宿の近くに焼き串屋さんがある。この店の前を通るといつも香ばしい煙がモクモク漂っている。帰ってから部屋で飲む酒の肴に、黒山羊3本+ヤク牛肉3本を購入した(5本買うと1本無料サービス)。度数の高い焼酎には串焼きがピッタリだ。ところで、ヤク肉を食べるのはラサで最後かと思ったが、麗江もヤク肉文化の圏内にあるようだ。

やれやれ、一か月旅行も残り三分の一。これまでの旅程では極度に暑い場所や海抜が高い場所で過ごし、体に負担をかけてきた。疲れもジワジワ蓄積しているようで、体が少し重く感じる。これからはあまり無理せず少しのんびりとした旅を心がけよう。
麗江の夜、雲南の烈性酒を飲みながらそのように感じる・・・。

1ヵ月間の中国西部(22)扎什輪布寺・拉薩


【19日目】午前は日喀則(シガツェ)のタルシンポ寺(扎什輪布寺)を見学、その後はラサへ移動する。ラサ到着後は自由行動なので、自分で適当に時間を過ごす。翌日は午前の飛行機でラサを離れるので、残された貴重な時間だ。

タルシンポ寺  現地の説明文によると、この寺はゲルグ派の代表的な寺院。1601年にパンチェンラマ4世が住職となってから歴代パンチェンラマの主要活動場所になったという。重要な建物内は撮影禁止なので、ここでは境内に入ってから出るまでに撮影した写真を順に掲載する。その他の説明は百度百科から引用。

樹齢438年の古木。説明によると「互葉酔魚草(Buddleja alternifolia Maxim)」という名前の木で、調べると日本語では「ブッドレア(アルテニフォリア)」。樹齢が438年前というと、1601年パンチェンラマ4世が住職となった頃に、種から植えたか移植されたことになる。この木はその後の社会の大きな変化をここでずっと見続けてきたのである。


ラサでヤク肉の刺身  シガツェを出発し、約5時間後の午後4時頃ラサに到着。車がラサ川を渡る時、遠くにポタラ宮の屋根が見えた。その後は自由行動。ホテルの部屋で少し休んでから八廓街へ向かう。翌朝はチベットともお別れ。記念にチベット料理店で何か食べることにした。
適当に見つけた店の二階に上がる。室内は雰囲気のよい落ち着いた空間が広がっている。メニューを見ると「氷河ヤク肉」があり、好奇心で注文してみた。酒は度数が低い醸造の青稞酒(ハダカムギの酒)を注文したが店にはなく、向かいの食料品店にあるというので行って買ってきた。農夫山泉のペットボトルに入れて売っているのが面白い。わずかな発泡性で甘さのなかに酸味を少し感じる。しばらくして解凍されたヤクの生肉が運ばれてきた。まさかチベットで牛刺しを食べることになるとは思っていなかった。最初はスパイスをつけずに食べてみる。ほとんどクセはなく、日本で食べている牛肉と同様の風味である。


夜の八廓街  一度ホテルに戻ってから、夜8時半頃また八廓街に来て、夜の街 を少し散歩した。ジョカン寺の前に来ると、前回見た時と同様に多くの人たちが五体投地で熱心に礼拝を行っている。そして近くにある有名な「唐蕃会盟碑」をしばらく眺める。その後はホテルの方に向かって歩を進める。日は完全に暮れたが、街灯や建物の電飾などで道は明るく昼間とは違った雰囲気がある。現地の伝統衣装を着て記念撮影している人たちを何人か見かけたが、デザインが独特、色も鮮やかで実にきれいだ。

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唐蕃会盟碑  「長慶甥舅和盟碑」「唐蕃和盟碑」とも呼ばれる。現地の説明文画像のほか、百度百科からも引用する。それによると、821年に唐王朝と吐蕃の同盟が結ばれたことを記念し、823年にジョカン寺の門前に建てられた。実際に見ると西側の碑面は向かって左がチベット文字、右が漢字。以前の写真では、碑は雨ざらしだったが、私が見た時にはガラス張りの建物の中に保管されていた。ただ門前広場にいる多くの人たちにとっては関心がないのか、その時眺めていたのは私一人だった。

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これで7日間のチベット旅行も終了、翌日は雲南省へ向かう。今後チベットを再訪する機会はないかもしれないが、その独特な文化や風景の記憶は死ぬまでずっと心の中に残り続けるであろう・・・。