韭菜盒子について(追記:自宅のニラ栽培)

北京地安門外大街 2017年3月

普段は家で中国のTVドラマを見るのが楽しみの一つである。最近見たのは『夜市人生』(2017年、全48回)で、北京の屋台街を舞台にしたホームドラマである。 ※今回利用したドラマ画像は、腾讯视频の放映映像より転載した。

韭菜盒子  今回注目したのは主人公の魏紅が販売している 「韭菜盒子」という食べ物だ。僕と中国との関係は長いが、今まで一度も食べたことがないので少し気になった。早速「百度百科」で調べると以下の通りだ。

  韭菜盒子是以韭菜、鸡蛋、面作为主要食材制作而成的美食, 是中国北方地区山东、河南、河北、山西、陕西、东北三省等地 非常流行的传统小吃,在有些地区也是节日食品。

要約すると、ニラ、鶏卵、小麦粉を主原料とした 中国北方で人気のある伝統的な軽食で、祭日に食べる地域もあるという。ドラマでは油で揚げているが、百度画像を見ると鉄板で焼く場合もあるようだ。ともかく外観と具材から見れば日本人的には「ジャンボ餃子」と言えよう。ニラは私の好物でもあり、自宅菜園でも少し栽培していている。今は3月初旬、ニラの葉が土からニョキっと出てきている。
追記(2020年4月4日):4月初旬になると葉はかなり立派に育ってきた。近々卵と一緒に炒めて食べるつもりだ。ただ元々栽培量が少ないので、種をまいてニラに作付面積を拡大することにした。「スタミナもりもり広巾ニラ」の種は地元のアヤハディオ安曇川店で購入した。今後、成長の観察が楽しみである。

結構似ていますね  ドラマを見て少し驚いたことがある。亨達集団の于社長役を演じている孫率航が中国の有名な主席によく似ているということだ。ただ本人よりもスリムで若くフレッシュ感はある。ドラマの中では「政府の会議に出席し…」、「社会の公益を最大化する」などの台詞があり、その指導力を充分に表現している。将来、主席の伝記映画、伝記TVドラマを制作する際、きっと孫さんが抜擢されることであろう。

主題歌:龍梅子「我在北京你在哪」  主題歌は情感深いすばらしい曲である。イントロのアコースティックギターの音色、そして龍梅子の伸びのある高音が魅力的だ。今は自宅や通勤列車内でこの曲ばかり繰返し聴いている。歌詞は「百度百科」から引用する。

  北京又下雪了 你知道吗 窗前的花开了 你知道吗 我在这里想你 你知道吗 这里每天都在变 你变了吗 北京的风很大吹来牵挂 我身边的朋友都回了老家 有一个好朋友她结婚了 我还留在这里他们说我傻 北京的时间很快我停不下  秒针他很孤单拼命滴答 也想换个城市听朋友的话 可我怕你忘记我们有过的家  我在北京你在哪 想问问你 心情好了吗 这北京太嘈杂 太拥挤太大 我才不小心把你弄丢了 我在北京你在哪 你的地址写着无法到达 你累了吗 有人陪你吗 我在北京 和窗前那盆花

別れた相手を想う悲哀感と北京で一人暮らす孤独感を表している。 後半で「我在北京…」と幾度も繰返す部分が心を打つ。 「百度」によれば、 この曲は「北漂一族」(北京で成功を夢見る地方出身の若者)の 共感を大いに得ているという。YouTubeでも視聴できるので一聴をお勧めする。まぁ、それはともかく、韭菜盒子を中国のどこかで発見した場合は、即時購入し、熱々のうちにパクリとかぶりつくつもりである。当然、片手には透明な液体が入ったグラスか瓶を持ちながら…

三泊四日の沖縄【本島】2018.10

テレビ等で沖縄の青い美しい海を見ると、日常の雑事から離れ、白い砂浜でのんびりしたいと感じる。今までなかなかその機会がなかったが、ようやく人生初の沖縄旅行に行くことができた。実際に来てみると、確かに海はかなりきれいだ。海岸近くの水深1.5m位のところを潜っていても、透明度が高く、カラフルな魚を間近に見ることができる。当地の魚は人が近づいてもすぐに逃げようとはしない。南国の魚は性格がかなりのんびりしているようである。

沖縄で飲む酒は当然「泡盛」である。ロックでキリっと冷やし、ガブっと喉に流し込む。すると沖縄の浜風が体内に吹き込まれるような爽やかさを感じる。料理店では今回「ゴーヤチャンプル」、「テビチの唐揚」、「島豆腐の厚揚げ」を食べた。メニューを見ると他の料理も欲張りたくなるが、初老男子なので数品でお腹はいっぱいである。

別の店では本場「ソーキそば」も体験した。肉は柔らかく骨からポロっと離れる。素朴な味のスープに歯ごたえのある比較的太い麺、毎日食べても飽きそうにない一品である。飲むビールは当然「オリオンビール」である。

本島最北端の辺戸岬(へどみさき)も訪れた。その時はあいにくの雨天で、岬に近づくと強風がビュービューと吹き荒れていて、まるで台風のなかを歩いているようであった。崖の下では大波が激しく岩にぶつかり巨大な水しぶきを上げている。強風にあおられて海に落ちたら一巻の終わり、恐怖を感じた。

国頭郡本部町備瀬(くにがみぐんもとぶちょうびせ)にある有名な フクギ並木を散策した。そこは派手な建築物は一切なく静かで素朴、何か懐かしさのようなものが感じられる場所である。のんびり歩いていると時にフクギの木の合間から赤いハイビスカスの花が見えたりして、南国のゆったりした時の流れを感じさせられる。そして並木を抜けると「伊江島」が見える海岸に出る。

ウキウキ・リゾート気分もいいが、一方で深刻な戦争の歴史も忘れてはいけない。例えば「伊江島」。今回訪問した各地点で何度か眺望することができた島だ。そびえ立つ「城山(ぐすくやま)」は島のシンボルである。さてウィキペディア「沖縄戦」には次のようにある。 

  伊江島には、独立混成第44旅団第2歩兵隊第1大隊650名を基幹とする日本軍守備隊2,000人(約半数は現地召集の特設部隊)が配置されていた。 島民は人口8,000人のうち5,000人が残留していた。日本軍は島民多数とともに抵抗し激戦となったが、21日までに全島が占領された。アメリカ軍によれば、日本側は民間人多数を含む4,706人が戦闘により死亡し、3人が捕虜となった。      

現在おだやかに海に横たわる島の様子からは想像できないが、当時は凄惨激烈な戦闘が繰り広げられていたのである。

今回は短期間の滞在であったが沖縄入門としては充分に満足できた。近いうちに再度訪問し、離島を含めた各地を巡りたいと思う。