五泊六日の大連・旅順(3)2017.01


旅順へは、大連駅北広場から出ているバスに乗る。バス券は乗り場近くの小屋で買い、その後バス停で列に並ぶ。乗り込んでからしばらくバスに揺られていると、やがて海が見え、かすかに磯の香りもしてきた。

(注)上図: 毎日新聞社『一億人の昭和史 日本の戦史 ⑴日清・日露戦争』より

ホテルは高台にあり、部屋からは旅順港が一望できる。
あのあたりに船が沈没したのか・・・。
缶ビールを飲みながら感慨深く眺める。
そして「旅順口閉塞作戦」で亡くなった広瀬さんの歌を口ずさむ。


港を近くで見るため、ホテル最寄りのバス停「勝利塔」から 「海岸遊園」へ向かう。公園の近くには「旅順駅」があるので立ち寄る。古い木造のロシア風建築だ(1900年竣工)。その形や色彩は個性的で愛らしく、記憶に残る存在感である。路線は数年前に廃止され駅舎も使われていない。

港公園に着いたのは夕暮れ時で、辺り一面、こがね色に染まってた。波は穏やかで、この海に散った多くの魂も、今は静かな眠りについているようだ・・・。

夜、ホテルの部屋で、ビリビリくる大連陳醸を飲みながら港を眺める。
ほのかな月明りと町明かりによって、港の輪郭がかすかに確認できる。
明日の朝は、明るい港の姿を眺めるのが楽しみである。

五泊六日の大連・旅順(2)2017.01

晩にキラキラしていた中山広場の建築群を昼間訪れた。ここは結婚記念写真の人気撮影スポットらしく、何組もの夫婦が同時間帯に撮影を行っていた。確かにどの建築物も重厚感があり個性的で、写真映えがする。幾つかの建物を紹介しよう。

現在の名は「大連賓館」。2階には喫茶室「大和」があり、コーヒーを飲みながらしばらく休憩した。室内はとても落ち着いた雰囲気で、窓からは中山広場を眺めることができる。

町を適当に散策していると、ロシア風建築や由来不明の古びた建築物が随所に見られ歴史を感じる。公園入口付近の歩道では路上散髪屋が営業中で、髪を切られている客の顔は無表情だ。そんな光景を眺めながら異国の町をのんびり歩けば、日常のストレスから解放され、心が大いに癒される。(つづく)