三泊四日の沖縄【本島】2018.10

テレビ等で沖縄の青い美しい海を見ると、日常の雑事から離れ、白い砂浜でのんびりしたいと感じる。今までなかなかその機会がなかったが、ようやく人生初の沖縄旅行に行くことができた。実際に来てみると、確かに海はかなりきれいだ。海岸近くの水深1.5m位のところを潜っていても、透明度が高く、カラフルな魚を間近に見ることができる。当地の魚は人が近づいてもすぐに逃げようとはしない。南国の魚は性格がかなりのんびりしているようである。

沖縄で飲む酒は当然「泡盛」である。ロックでキリっと冷やし、ガブっと喉に流し込む。すると沖縄の浜風が体内に吹き込まれるような爽やかさを感じる。料理店では今回「ゴーヤチャンプル」、「テビチの唐揚」、「島豆腐の厚揚げ」を食べた。メニューを見ると他の料理も欲張りたくなるが、初老男子なので数品でお腹はいっぱいである。

別の店では本場「ソーキそば」も体験した。肉は柔らかく骨からポロっと離れる。素朴な味のスープに歯ごたえのある比較的太い麺、毎日食べても飽きそうにない一品である。飲むビールは当然「オリオンビール」である。

本島最北端の辺戸岬(へどみさき)も訪れた。その時はあいにくの雨天で、岬に近づくと強風がビュービューと吹き荒れていて、まるで台風のなかを歩いているようであった。崖の下では大波が激しく岩にぶつかり巨大な水しぶきを上げている。強風にあおられて海に落ちたら一巻の終わり、恐怖を感じた。

国頭郡本部町備瀬(くにがみぐんもとぶちょうびせ)にある有名な フクギ並木を散策した。そこは派手な建築物は一切なく静かで素朴、何か懐かしさのようなものが感じられる場所である。のんびり歩いていると時にフクギの木の合間から赤いハイビスカスの花が見えたりして、南国のゆったりした時の流れを感じさせられる。そして並木を抜けると「伊江島」が見える海岸に出る。

ウキウキ・リゾート気分もいいが、一方で深刻な戦争の歴史も忘れてはいけない。例えば「伊江島」。今回訪問した各地点で何度か眺望することができた島だ。そびえ立つ「城山(ぐすくやま)」は島のシンボルである。さてウィキペディア「沖縄戦」には次のようにある。 

  伊江島には、独立混成第44旅団第2歩兵隊第1大隊650名を基幹とする日本軍守備隊2,000人(約半数は現地召集の特設部隊)が配置されていた。 島民は人口8,000人のうち5,000人が残留していた。日本軍は島民多数とともに抵抗し激戦となったが、21日までに全島が占領された。アメリカ軍によれば、日本側は民間人多数を含む4,706人が戦闘により死亡し、3人が捕虜となった。      

現在おだやかに海に横たわる島の様子からは想像できないが、当時は凄惨激烈な戦闘が繰り広げられていたのである。

今回は短期間の滞在であったが沖縄入門としては充分に満足できた。近いうちに再度訪問し、離島を含めた各地を巡りたいと思う。

【軽生会企画】三泊四日の青森《恐怖体験つき》(下)2018.08

旅二日目、宿泊先は「大間温泉海峡保養センター」。その道中、風間浦村の「桑畑温泉ゆんゆん」に寄る。露天風呂につかりながら暮れつつある海の景色をのんびり眺めていた。津軽海峡の向こうには北海道がうっすら見える。ところが突如ここで想定外の「恐怖体験」が始まったのである。

ブーンと音がして、どこからともなく一匹のアブが飛来した。その動きはかなり機敏かつ不気味だ。まぁそれを無視して湯を楽しんでいると、次の瞬間なんとアブは体に密着し皮膚をチクッと咬んだのだ。痛い~!!!激痛が走る。これはたまらない、何とかしなければ… これより全裸のオッサン2名による露天風呂での滑稽なドタバタ劇が、数分間にわたって展開されるのである。ここでアブについて「ウィキペディア」から引用する。

  ウシアブ、およびイヨシロオビアブなどのメスは、血を吸う害虫として忌み嫌われている。刺された瞬間、チクッというような痛みがあり、アブに刺されたことがすぐにわかる。個人差があるが、一般的に強いかゆみがある。アレルギーがある場合、化膿し水ぶくれができることがある。

私にとってアブによる被害は人生初の体験で、一瞬動揺したが、その後冷静になり湯をジャブジャブかけて撃退した。しかしアブはすぐにまた飛来する。見ると湯船の横には蝿たたきと殺虫スプレーが準備されている。つまり「アブの襲来」には皆いつも困っているということだ。そして齋藤さんがスプレー缶を使って果敢に応戦していたのはいいが、湯船の中に向けて殺虫液を連射していたので私は注意した。これではアブのみか入浴中の人間までも劇薬まみれになってしまう。さて、一匹駆除しても別の新たな一匹が飛来し、まったくキリが無い。結局入浴中に3、4回ほどは咬まれてしまった。入浴後、この惨状を温泉のスタッフに伝えたところ、毎年この時期はアブが大量発生するということだ。そして大型のアブに咬まれた場合は危険で、病院に行く人もいるらしい。その後、屋外で海を眺めていても、また車に乗ろうとしても、アブの群れがしつこく襲撃してくるのである。この地域は風光明媚で湯も最高だが、危険なアブはもうコリゴリである。

夕食は大間漁港の「浜寿司」に行った。寿司は「おまかせ握り」(約4000円)を注文した。酒は地元の「関乃井」本醸造生貯蔵酒だ。うまい酒とうまい寿司、心も幸せになる。有限会社「関酒造店」(むつ市)についてはそのHPから引用する。

  本州のてっぺん 下北半島唯一の醸造場で醸される銘酒 明治24年創業 創業以来地元の人々に愛される、本当の地酒造りを目指してまいりました。それゆえに弊社製品は、下北半島以外にはほとんど出荷されていない、陸奥の隠れた逸品です。 

翌朝、保養センターの食事も大変おいしかった。 地元名産のイカ刺しも付き、朝から大満足であった。

◆大間崎  本州最北端の岬に立ち、すがすがしい風に吹かれながら、青く澄んだ海の景色をしばし眺めていた。当地は人気観光スポットであるらしく、観光客が絶え間なくやって来る。それを目当てに周辺には食堂やお土産屋が何軒か見られたが、我々は風間浦村まで移動し、「ばんやめし」という食堂で昼食をとった。そこではお刺身定食(1000円)を注文、とても新鮮で大満足であった。

さいごに  弘前へ戻る車窓からは夕暮れの岩木山が見えた。そのシルエットは何とも美しく、また大きな存在感があった。そして楽しい青森の旅もやがて終了する。一緒に旅した二人とも、お別れである。いつかまた会う日まで、ごきげんよう。