四泊五日の台北1〈台北市内〉【新型コロナウイルス対策中】(2020.02)

【旅程】出国→台北市内(1泊)→九份(1泊)→基隆(1泊)→台北市内(1泊)→帰国。 台北は今回で3度目。前2回は2005年1月と7月、大学研究室の学生同士で1月は3名、7月は2名で故宮博物院参観と書籍購入を主目的に訪台した。15年振りの今回は夫婦で気軽に街をぶらつき景色や料理を楽しむというものだ。旅を計画したのは去年の12月だが、まさかその後「新型コロナウイルス」に影響されることになるとは全く想像していなかった。この記事を書いているのは5月下旬であるが、世界での感染状況とそれに伴う経済損失は悲惨なものである。突如現れた新型コロナは真に人類に対する不幸・災難なのである。

     機内で配られた新型ウイルス対策の「入国健康声明書」

ネット情報によると、出発日2月27日の日本の累計感染者数は210、死者4で、感染が徐々に拡大しつつあった。一方の台湾は初期対応が良く予防措置も万全で、27日の累計感染者数32、死者1と日本に比べて上手く抑えられていた。その状況から台湾はまだ安全だと考えて出発を決断した。実際、空港やホテルでは検温や消毒がしっかり行われ、「抗疫」意識の高さが感じられた。また国内も含め移動中の駅や列車内、航空、機内も今まで見たことのないほどの閑散さで密接状態も少なく安心した。もちろん自身も「マスク・手洗い・消毒」を励行して無事に帰国できるよう対策を行った。

✿台北駅からホテルへ  空港から台北駅に着くと、翌日の「瑞芳駅」行き鉄道切符を購入しておいた。当日の朝にバタバタしたくないからだ。1日目のホテルは台北駅から徒歩15分、途中通った古びた商店街はかなり雑然としていて、それなりの雰囲気があった。

ホテルに着く直前に派手な看板の「赤肉胡椒餅」という店を発見、好奇心から一つ(35圓)買って食べてみた。皮はパリッとし、餡は胡椒ピリッと効かせた肉がジューシーで、ビールによく合う逸品である。

✿迪化街と大稲埕碼頭広場  ホテル到着後、お茶を飲んで少し休息してから早速「迪化街」へ散策に出かけた。迪化街はレトロな町並が見どころである。

途中、「大稲埕碼頭広場」に寄り淡水河を眺めながら気分よく酒を飲んだ。やがて日も暮れ、河畔はきれいにライトアップされた。迪化街に戻ったが夜の通りの姿も印象的である。

✿占い横丁から寧夏夜市へ  迪化街から地下鉄で行天宮近くの占い横丁へ向かった。家内が占い好きで、適当に選んだ店で占ってもらった。その後お腹が空いたので「巧味・温州大餛飩」という店に寄った。店の名前にもなっている温州大餛飩を注文したら、確かに大型ワンタンがゴロゴロ入っていて、すぐに満腹になった。

その後「寧夏夜市」に到着したが、先ほど食べたワンタンがまだ腹にたまっていたので、夜市では結局何も食べず、ただ屋台を見て歩いた。最後コンビニでビールだけ買ってホテルに戻った。「台湾啤酒」には幾つか種類があるが、今回初めて飲んだ賞味期限18日間の「生」がとてもフルーティーでおいしかった。

五泊六日の渭南・華山・咸陽(5)最終回

霍去病の墳墓があるエリア内に、周辺で発掘された文物の展示室がある。今回はその中から印象に残った数点を紹介する。

璧といえば、玉璧を思い浮かべるが、これは「琉璃」とある通りガラス製である。破損部から現れた青色がとても魅惑的な輝きを発している。

金メッキされたピカピカの立派な馬。当時の社会における馬の重要性が分かるような出土品である。

本品は前漢武帝の頃、つまり約2000年前の物である。色の鮮やか、そして不思議なデザインが目を引く。何を意味しているのかは知らないが、当時の人たちの志向の一片が伺えるようで面白い。最近TVドラマ「新三国」50集(下画像〈YouTubeより〉)を見ていて諸葛孔明の背景に類似のデザインが使用されていることに気づいた。漢代では代表的な模様だったということなのか。さて困ったことに「案欄」という二字熟語は辞書には載っていない。「案」は長方形の「机」や「台」の意、「欄」は「枠」や「縁」の意なので、「案欄」で「枠付きの細長い台」を表現したかったのだろうと思う。

「新三国」50集 YouTubeより

霍去病墓エリアから20分ほど歩くと漢武帝の茂陵がある。そこには大きな墳丘がある以外は特に何もない。墳丘に登るのも禁止されているのでしばらく辺りを眺めた後は、次の目的地である楊貴妃墓へと向かうことにした。

茂陵からタクシーに乗り興平市の市街地へ移動し、市バスに乗り換えて馬嵬の楊貴妃墓へ向かう。

右側の破損した墓碑が気になるが、説明文(下の画像)によると、 清朝乾隆年間の陝西巡撫・畢沅 (1730~1797) の揮毫で、左側の新しい墓碑は陝西省書記・李爾重 (1913~2009) が1979年に揮毫したと記されている。

旅も終わりだ。機内では雪花ビールを飲みながら旅の余韻を楽しみ、また次はどこへ行こうかと早々考えていた。いずれにせよ、ようやくこの旅の記事も完了できて正直ホッとしている。