【近江紀行】余呉湖のんびり一周ウォーク (2021.02)

2月1日から約2ヶ月間、仕事都合でJR彦根駅前のホテルで生活している。時に高島市の自宅に帰る機会もあり、今回はJRで琵琶湖北回りの途中駅「余呉」で下車、余呉湖を徒歩で一周することにした。余呉湖は底で琵琶湖につながっていると聞いたことがあるが、この鏡面のように静かな湖、引き寄せられる魅力と、何か底知れぬ怖ろしさを感じる。かつてこの湖畔では血なまぐさい白兵戦が行われ、また菊石姫入水の話もあり、表面上はのんびり歩いたが、心中は完全に愉快で楽しいという気分にはなれなかった。

JR彦根駅を出発、先ずは米原まで行く
乗り換え時間、米原駅の井筒屋で駅弁を買う。余呉湖を眺めながら食べる予定だ

JR余呉駅に着いた。駅舎もホームもかなり簡素である。ホームからは遠くに余呉湖が見え、早く湖岸に近づきたいと心がワクワクする・・・

今回は駅を出発し、湖を反時計回りにめぐることにする。なぜ反時計回りなのか。それは自分でも正直分からない。なんとなく左回りが安心できる感じがするのだ。水田ではシラサギ君(性別不明)がそっぽを向いて僕を出迎えてくれた。

湖岸近く、羽衣天女像が見える。傍らにベンチがあるので駅弁はそこで食べよう
幕の内「四季」1,050円(税込)近江八幡の名物「赤こんにゃく」も入っていますよ

菊石姫の伝説  下の画像では石刻文字が読みづらいので、見たままに書き写した。さてさて、干ばつが深刻な時に、神への人身御供(生贄)として殺されるのは現代の日本では理解しがたいものがある。

 菊石姫と蛇の目玉石  仁明天皇の頃、この地に住む領主桐畑太夫に菊石姫という娘があった。娘はある年、干ばつに苦しむ村民を救わんと、余呉湖に身を投じ蛇身となって雨を降らせた。もう人間に戻れぬ姫は、長年世話になった乳母へ、疫病の薬にと蛇の目玉を抜きとり、湖中から投げ与えた。目玉は石の上に落ち、その跡を残したので、以来この石を「蛇の目玉石」という。 また姫が枕にして、しばし休んだといわれる「蛇の枕石」は、南側にある椎の老木下の湖中にある。干ばつの年、この枕石を地上にあげ雨を乞うと、不思議に雨が降ると伝えられる。 昭和五十六年十月吉日 余呉町観光協会

湖の南部、賤ヶ岳の登り口に到着。次は山登りもしてみたいものだ・・・
西岸の集落が見える
ワカサギ釣りの桟橋、多くの人でにぎわっていた。いつか挑戦したいと思っている
余呉駅近くの「余呉湖観光館」に到着、お腹が空いたら食事もできる。今回の余呉湖一周もこれで終了。のんびり約2時間のウオーキング、お疲れまでした・・

【近江紀行】一泊二日の近江八幡(2021.01)

コロナ禍がまだ続いているので、自家用車で都市部を除く一泊二日の旅を考え、県内の近江八幡に決めた。グーグルマップでは車で60分の距離なので、まあまあのんびり行けそうだ。この町は「近江商人のふるさと」と言われ、以前テレビか雑誌で古い町並みが紹介されているのを見て、それ以来気になっていた。

自宅のある高島市を出発、国道161号線を大津方面に南下する。やがて左手の湖上に白髭神社の鳥居が見えてくる。対岸に見える辺りが今回の目的地である近江八幡で、手前には琵琶湖で唯一の有人島「沖島」が見える。

この辺りの直線部ではスピードを出す車が多い。将来ママチャリで琵琶湖一周(ビワイチ)しようと考えているが、この道路での走行はかなり不安だ。 

堅田のイズミヤを左折し、琵琶湖大橋を渡る。対岸に着いたらすぐに左折して北上、近江八幡を目指す。

途中、湖畔の「マイアミオートビーチキャンプ場」が見えたので休憩することにした。平日であったが車を乗り入れて昼からキャンプを楽しむ人達が4、5組ほどいた。コロナ禍でキャンプが流行っているらしいが、確かに野外で火を焚きながらのんびり過ごす時間は心の癒しになるだろう。

目の前には琵琶湖のすばらしい風景が広がる。波の音がとても静かだ・・・

🍀近江商人の邸宅

新町通りの近江商人宅の街並が残るエリアに到着した。左に見える建物は「近江八幡市立郷土資料館」である。

旧伴家住宅(郷土資料館の前)
左:森五郎兵衛邸
左:西川庄六邸
旧西川家住宅
西川家家訓「先義後利者栄、好富而施其徳」  

「義を先にし利を後にする者は栄え、好く富めば其の徳を施せ」と読むのか。これを見ると、孟子が梁恵王に答えた言葉「王何必曰利。亦有仁義而已矣。(王何ぞ必ずしも利といわん。また仁義有るのみ)」が思い浮かぶ。人間はガリガリではだめだということだ。

🍀八幡堀

左に見える明治橋を渡って八幡山へ向かう。ウナギをつかんでいる飛び出し坊やが面白い
明治橋から見た風景。昭和40年代の頃は下の写真のように荒廃していた
八幡山へ向かう前にお土産を買う。高島でも赤こんにゃくは珍しいですね・・・

🍀八幡山(鶴翼山)

八幡山の頂上からは眺めがいいとの評判なので、八幡堀から徒歩約5分でロープウェイ乗り場へ行き山頂に向かう。さて「八幡山」をネットで調べると、同名の山が日本各地に存在することがわかった。近江八幡の八幡山は「鶴翼山」の通称だという。標高は280ⅿ、当時山頂には豊臣秀吉が築いた八幡山城があったが、今は石垣だけが残っている。

近江八幡駅は中央の建物群の後ろ側にある
山半分が崩れて見える比牟礼山(観音山)の南側に願成就寺がある
左手に三笠山(近江富士)が見える
中央に見える山は水茎岡山城跡
対岸に見えるの比良連峰
八幡山城の石垣
遠景のこんもりした低い山は安土城跡。その手前は「西の湖」
一泊お世話になるホテル
部屋から見える風景。夕陽の右側に見えるのが比叡山
翌朝の景色
旅も終わりだ。三笠山(近江富士)にしばしの別れを告げよう・・