陳列館を見終えると次は野外遺跡の見学である。広大な敷地には雪が積もり、雪を踏みしめながらゆっくり歩いて行く。心だけでなく足取りも重く感じる。私自身の考えだが、この地は雪の積もった氷点下の厳しい冬に訪れるのがいいだろう。それは僅かであっても当時の人たちの苦しみ・悲しみ・絶望を体で感じ取ることができるような気がするからである。
野外には破壊されたのか当時の建物の瓦礫が放置されている。傍らには日本人によって作られた記念碑も無造作に横たわっている。人類は何千年も前からこのように建設・破壊を繰り返してきたが、今でもまだ同じようなことが世界の各地で続いている。人類とは救われない愚かな存在なのか、現状を見るとそれを否定できないのが悲しくなる。ただ絶望するだけだ・・・