侵華日軍第七三一部隊遺跡(下)2022.12.27

陳列館を見終えると次は野外遺跡の見学である。広大な敷地には雪が積もり、雪を踏みしめながらゆっくり歩いて行く。心だけでなく足取りも重く感じる。私自身の考えだが、この地は雪の積もった氷点下の厳しい冬に訪れるのがいいだろう。それは僅かであっても当時の人たちの苦しみ・悲しみ・絶望を体で感じ取ることができるような気がするからである。

地下貯水池跡
ボイラー施設跡

野外には破壊されたのか当時の建物の瓦礫が放置されている。傍らには日本人によって作られた記念碑も無造作に横たわっている。人類は何千年も前からこのように建設・破壊を繰り返してきたが、今でもまだ同じようなことが世界の各地で続いている。人類とは救われない愚かな存在なのか、現状を見るとそれを否定できないのが悲しくなる。ただ絶望するだけだ・・・

新疆大街から見る遺跡

侵華日軍第七三一部隊遺跡(上)2022.12.27

哈爾浜に来てから様々な場所を訪れたが、この場所はどうしようかと考えていた。日本人として心がつらく重くなり、あまり気が進まないのだ。しかし歴史から目を背けてはいけない。今後このようなことが起きないよう祈願する前提として、先ずは何が起きたのかを自分の目で確認するべきであろう。今回はこのような思いで現地に赴いた。

新疆大街 左に見えるのが地下鉄駅の入口
南門(出口)

最寄り駅の地下鉄2号線「中央大街」から乗車、「博物館」駅で1号線に乗り換え、終着駅「新疆大街」下車、所要約1時間。駅からは徒歩10分ほどで遺跡の南門(出口)に着く。さらに5分ほど歩くと「陳列館」に到着、ここから見学を始める。入館する際はQRコードを読み取って個人情報を登録する必要がある。しかしパスポートで登録できないので困っていると、ある男性館員が私の代わりに自分のスマホを利用して登録しゲートを通過させてくれた。日本人だからと嫌な顔もせずに親切に対応してくれて本当に心より感謝している。

展示物は想像していた以上に多く、私の場合は途中早足で見た部分もあるが約1.5時間を見学に要した。さらにこのあと野外遺跡の見学が始まる。以下では館内で撮影した写真を掲載するが、見れば何か理解できると思うので特に説明は記さない。ただただこのようなことが二度と起きないように願うばかりである。