【三日目】龍潭山公園を散策 市の北東部、松花江を渡った所にこの公園はある。山全体が公園となっていて広く樹木が茂り空気はきれいだ。古い寺や廟、城壁等の遺跡が散在していて自然と歴史が同時に楽しめる。遊歩道は勾配があるので普段あまり運動しない人は多少疲れるかもしれないが、山頂の六角亭からは市内が一望できて爽快、行く価値は充分あるだろう。ただ私が登った時は残念ながら霧で景色がはっきり見えなかった。
河南街を散策 龍潭山公園から44路バスに乗り終点のバス停「北京路」で下車、河南路はその近くにある。古くからある通りでデパートや多くの店舗が軒を連ね、食事や買い物が楽しめる。哈爾賓を出発してからこれまでカップ麺やKFCのカリカリチキンを食べていたので、老舗の蒸餃子店「新興園」で食事した時はおいしくて素直に感動した。たまにはまともな料理屋で食べるのもいいものだ。
牛子厚と梅蘭芳 路上に二人の銅像がある。牛子厚は地元の豪商で、京劇役者養成所を創設し、梅蘭芳もそこで学んだ。その縁で梅蘭芳が吉林に来た時に芸を披露し、牛子厚から「梅蘭芳」という芸名を与えられたという。後で述べる「吉林史話博物館」には梅蘭芳の梅の墨画があったのでここで紹介する。
福源館で買い物 きらびやかな外観の店が気になり近づくと、そこは三百年の老舗「福源館」であった。店内に入いるとケーキやパン、お菓子類が売られ甘い香りが漂っている。値段もそれほど高くないのでホテルに帰ってから食べようと思い、揚げツイストパンと胡桃パン等を購入。実際に口に入れると何れもモチモチ・フカフカ、大変おいしくて大満足であった。
新興園で食事 福源館の隣には百年の老舗「新興園」がある。看板料理は蒸餃子。餃子と言えばスーパーで購入した冷凍餃子を朝食に食べることが多い。まぁ冷凍ものも便利でそれなりにおいしいが、やはり専門店で食べる餃子は格別だ。 なおこの店の看板の字は先に述べた牛子厚が揮毫したものである。とてもおいしく印象が良かったので翌日もここで食事した。
吉林史話博物館を見学 上述の新興園と同じ建物内に開設されている。食事後トイレを利用した際に偶然発見した。時代の対象範囲は清朝末期から1970年代頃まで。河南街を中心とした吉林市の歴史を豊富な写真や古物とともに紹介している。私が特に面白いと感じたのは60年代頃の一般的な家庭の室内を再現したコーナーだ。当時の家具や電化製品、テーブルの上の餃子まで実によく再現されている。その他、道光帝の詔勅や著名人の書画、文革時代の文物、個人的な卒業証書や結婚証明書まで展示分野は様々で見ていて飽きない。
【四日目】満族博物館を見学 建物は元々民国期に王百川という商人が建てた四合院の邸宅。今はその名の通り満族の歴史や文化を紹介している。私が興味を持ったのは清朝の官帽(役人の帽子)の頂に飾る珠である。材質や色、寸法も様々だ。どれをいつ、どのような状況で使用するのか、階級別に厳密に定められていたのか、或いは個人的な好みやその日の気分で選ぶことができたのか、興味はあるがまだ調べていない。その他、使い込まれた古馬車、細密に作られた貴婦人の髪飾り、武器等も興味深く拝見した。
人民広場を散策 満族博物館の北側に広がる大きな公園だ。その東には大きな池があり、訪れた時はスケート場として利用されていた。比較的上手に滑るな大人から補助具を使う初心者の子供まで様々な年代の人たちでにぎわっていた。スケート靴のレンタルショップ小屋では焼きソーセージ5元(約100日本円)が売られていた。買う人がいるのかと少し離れた所から見ていると、すぐに客が現われた。ところで画像にも映っている山が北山公園である。そこには寺や廟等の古建築が多く存在する。今回は残念ながら閉鎖中で見学できなかった。また吉林市に来る機会があれば是非訪れてみたい。
人民広場を離れた後は「観音古刹」という寺を参観し、その後先日行った河南街の新興園でまた食事した。今回は東北料理の「鍋包肉」と家庭料理「モヤシ野菜炒め」を注文。どちらも量が多く、頑張ってパクついたがすぐに力尽き、半分以上残ったのでテイクアウトした。部屋に戻ると新たに買った地元焼酎「百年鹿通」を飲みながら、その日は終了した。