10日間の吉林市・長春市(1)2023.02.04

感染拡大のため昨年12月23日から約一週間休校となり、その後八日間は年をまたいで一日一時間のリモート補習授業、それが終わると2月14日まで冬休みに入った。ずっと自宅で過ごしていたが、せっかくの休みなので2月に入ってから旅行することにした。ただ寒さがまだ厳しいので北への移動は避け、南の吉林省に決めた。旅程は以下の通り。
  哈爾浜(列車)➔吉林市:5泊(列車)➔長春市:4泊(列車)➔哈爾浜

【一日目】哈爾浜駅➔吉林駅  哈爾浜駅へは数回来たことがあるが、実際にこの駅から列車に乗るのは初めてである。現在は便利なもので全行程の列車とホテルはネット予約してあるので気分的に楽である。列車が動き出し窓から景色を眺めていると、しばらくは広大な平地が続いていたが長春駅に近づく辺りから遠くに山が見え始め、やがて列車は丘陵地帯に入った。吉林駅に到着する手前の辺りでは線路の近くまで山が迫っていた。地図を見ると確かに吉林市は山に囲まれた平地に街が発展したのがわかる。


吉林駅到着・ホテルチェックイン  駅を出ると予約したホテル「OYO嘉華賓館」に向かう。途中スーパーで今晩飲む酒を購入。せっかくなので吉林市の地酒「長白山湖」を選んだ。ホテルに着いてチェックインしたのだが、そこである点に少し驚いた。このホテルでは客からもよく見えるフロントカウンター内にベッドと枕、毛布が用意されているのである。暖かくて快適そうである。夜間でもすぐにフロント対応ができる位置で仮眠するということなのだろう。日本では通常考えられないことだが、中国の特に安いC級ホテルではよくあるのかもしれない。


文廟を見学  ホテルの部屋で少し休んでから文廟を見学しに出かけた。文廟は孔子廟のことで中国の各都市に存在し、孔子の故郷・曲阜にあるものがその代表である。吉林市の文廟も大成殿が大きくて立派である。文廟周辺には古びた集合住宅や商店街があり、雑然とはしているが庶民的で何か親しみやすい雰囲気がある。この後はホテルに戻り一日目はこれで終了した。


【二日目】ホテルを移動  OYOをチェックアウトし別のマンションホテル(マンションの普通の部屋を宿泊客に販売しているもの)へ移動した。ここでは4泊する。部屋は11階にあり、窓からは眺望が楽しめる。このマンションは大型商業施設の上にあり、マンション1階にはコンビニ「7号」もあるので食事や買い物には大変便利である。実際二日目の夜は施設内のKFCでフライドチキンとハンバーガーを買って食べた。ここでまた不思議な体験をする。この時は「オリジナルチキン」を注文したが、食べてみると衣が異常にカリカリして硬く日本のオリジナルチキンとは全く別物なのである。想像するに、準備してあったチキンが冷めたのでもう一度揚げ直したのか、それともカリカリ食感が吉林人の好みなので常に硬めのフライドチキンを提供しているのか、真実は不明である。


松花江と吉林大橋  ホテルからさほど遠くない距離に松花江とそれに架かる大橋があるので歩いて渡ってきた。橋からはオレンジ色の夕日が川面にかがやいているのが見え旅情にひたるにはほどよい情景だ。対岸まで渡り川辺まで下りた。同じ松花江でも哈爾浜のように凍結はしていないが、水に触れてみるとキリっと冷たい。


元宵節の花火  昼間も散発的に花火や爆竹の音が聞こえていたが、松花江から戻り街が闇に包まれると花火の打ち上げが激しくなってきた。忘れていたがその日は春節から15日目の「元宵節」だったのだ。部屋から眺めると街の至る所で次々と打ち上げられ、そこに爆竹の爆音も加わり、まるで街が激しく空爆されているかのようである。そのうちに目の前の歩道でも打ち上げが始まった。地上から複数の火の玉が上って来て、ちょうど部屋のある11階の高さで炸裂するので、地上で見るいつもの花火とは違い不思議な感じであった。