今回も哈爾浜駅から高速鉄道を利用、瀋陽まで約二時間半。車窓からの景色は2月に長春に行った時と違い雪や氷の寒い景色はすべて消え、広大な穀倉地帯のなかにの樹木の緑も多少目立つようなっていた。瀋陽は観光したいと思う場所が多く三泊四日では不十分だ。そこで今回は目的地を故宮、帥府、昭陵、張作霖爆殺事件現場(博物館含む)にしぼった。もちろんご当地グルメも楽しみだ。
先ずは新幹線駅の「瀋陽北駅」に到着。そこから地下鉄で「瀋陽駅」まで移動、駅からは予約済みの駅近のホテルへ歩いて向かう。地図を見れば一目瞭然だが、当時の都市開発で瀋陽駅を中心に三つの大通り(中山路・中華路・民主路)が東へ放射状に延びている。その影響で三角柱(ショートケーキ 🍰 のような形状)の建物をよく見かける。三角柱といっても角部分は適度に削ってエントランスに利用する場合が多いようだ。今回泊まったホテルも同様だ。私は放射状の道に慣れていないので地図を見ないで歩くと方向感覚が狂い、目的地まで遠回りしてしまったことが数回あった。慣れたら逆に便利だと感じる場合もあると思うが・・・。
ホテルで少し休んでから中山公園まで散歩に出かけた。公園は円形で中心部には毛沢東の巨大な銅像、周囲には満州国当時の建築群が残る。それらの画像を以下に示すが、面倒なので説明は省略する。また夜間にライトアップされた景観もきれいだと想像できるが、今回はなぜかその考えが頭から抜けていた。つまり夜間の広場に行かなかったのだ。まぁ瀋陽には近い将来また来るつもりなので次回の楽しみにとっておこう。
遼寧賓館(旧大和旅館) 正面入口から入ってロビーを通り、周囲をキョロキョロ眺めながら奥のレストランへ向かった。食後は階段を上って二階フロアも少し見学した。やはり歴史と格式のあるホテルには落ち着いた良い雰囲気がある。それに比べると今晩泊まる安宿は実に貧相で、季節は春だが心のなかは初冬の風が吹いているような寂しさ、切なさを感じる。以前上海でどこの安宿も満室で仕方なく外灘の「和平飯店・南楼」に宿泊したことがある。全体的に老朽化はしていたが、石材や木材を使った重厚感あるロビー内装、高い天井、大きな部屋のドア等々、西洋建築の独特な雰囲気を味わうことができた。やはり短い人生、時には伝統のある有名老舗ホテルを利用するのも良い経験になるだろう。
遼寧賓館レストラン 入店したのが4時頃ということもあり客は私一人だけ。広い空間にポツンと一人で食事するのは何か変な感じである。先に瓶ビールを出してもらい、飲みながらメニューを見て料理を決める。メニュー頁をめくっていると見覚えのある形の料理とその名前が目に飛び込んできた。それは「韮菜盒子」、即座に注文を決めた。このジャンボ揚げ餃子のような食べ物には特別な思いがある。その経緯は当ブログの「韭菜盒子について(追記:自宅のニラ栽培)2019.07」で既に述べたので割愛する。いつか中国で食べてみたいと思い続けて四年、ついに韮菜盒子を食べる機会が到来したのである。
さて運ばれてきた出来たて熱々の韮菜盒子を一口パクつくと、衣はサクサク、餡はトロ~リとしていて、ニラの香りが口いっぱいに広がる。なるほど期待を裏切らないおいしさだ・・・。
それ以外には二品:メニューを見てこれは間違いないと感じた「遼賓紅焼肉」、酸味が食欲をそそる「酸辣豆芽」を注文。結果はいずれも抜群の味でたいへん満足した。
さて晩は侘しい部屋で地元の白酒「老龍口」をチビチビ飲みながら翌日以降の旅程を考え、そしてこの日は終了した。