【三日目】馬家焼麦 北陵公園を出てから地下鉄で移動、西関美食街近くにある百年の老舗「馬家焼麦」で早めの夕食をとることにした。店名にある通り焼売(シューマイ)が看板料理である。なお焼売は中国では「烧卖」或いは「烧麦」と表記する。「卖」と「麦」は同じ発音(mai)である。私は「伝統牛肉焼麦」と「素燴湯」(野菜とろみスープ)を注文、アツアツをおいしく頂いた。
【四日目】最終日 列車の出発時刻まで余裕があったので、延寿寺の西塔(チベット仏教の仏塔)と張作霖爆殺事件(皇姑屯事件)の現場、及びその博物館に行く計画を立てた。ただ博物館は残念ながら閉館中だった。
西塔は大きくて立派な白いラマ塔である。後で知ったことだが創建は1645年、その後破損がひどくなり1968年に撤去、1998年に再建されたという。白いラマ塔と言えば北京の北海白塔が有名だ。東京の上野公園にも似たような塔(大仏山パゴダ)があるのを思い出した。
参照:【出国直前】三泊四日の東京&成田(2022.10.21)
張作霖爆殺事件(1928年6月4日)は中国で「皇姑屯事件」と呼ばれている。それは爆破現場が「皇姑屯駅」の東側近くで発生したからだ。爆破現場を見た後、博物館に向かう途中の道路標識に駅の表示があったので行ってみたが、駅舎は発見できなかった。ネットで調べると1907年建立の古い駅だったが、2020年に唯一残っていた乗車券販売業務も停止、完全消滅したという。さて肝心の列車の爆破現場であるが、現在そこには記念碑が建てられている。ただ鉄路敷地内にあるため碑の近くまで行くことはできない。少し離れた場所からフェンス越しに眺めるしかない。歴史を揺るがした大事件の現場、今はその横をただ列車だけが通り過ぎる目立たない場所になっていた。
渾河で流水飲み 皇姑屯事件博物館が閉館中だったので空いた時間で市内を流れる「渾河(こんが)」を見に行くことにした。博物館の裏にある大きな歩道橋で線路を渡り、少し歩いてから地下鉄「重型文化広場駅」で乗車し「大通湖街駅」下車、徒歩で川岸の「渾河晩渡公園」まで向かう。「渾河晩渡」とは瀋陽の素晴らしい景色「盛京八景」の一つ。途中コンビニ「ジョイキー」で缶ビールを買い、少し歩くと公園に到着。林を抜けると視界が広がり、広々とした川の景色が現われた。歩道も整備され散歩やジョギングが楽しめる。川の中に入って釣りをしている人もいた。
さて適当に座る場所を見つけて恒例の「流水飲み」を始める。何をするわけでもなく酒を飲みながらボーっと川の流れを眺める。精神的にいやされるひと時だ・・・。
これで今回全ての旅程は終了、このあと川辺を少し歩いてから瀋陽駅に向かい帰途につく。
帰りの車窓からは広大な農地のいたるところで焼き畑をしているのが見えた。薄暗がりの中でオレンジ色の炎がキラキラ光り白煙をあげている。車内にもわずかだが焼けたにおいが漂っている。やがて哈爾浜に到着、馴染みの駅を見るとホッとする。次はどこを旅しようかなどと考えながらバスで帰宅、おつかれさまでした・・・。