四泊五日の牡丹江・東京城(3)2023.04.29


【二日目】興隆寺  博物館から次に向かう「興隆寺」まで徒歩約15分、博物館前の道を東方向へ真っすぐ進むと右手にある。下の画像では中央奥に樹木が集中した部分が寺の敷地である。ただこの時は強い雨で傘も壊れ大変だった。ネットによると、渤海国時代にこの地にあった寺は戦火で焼失、現在の寺は清朝の康熙年間に「興隆寺」として建立されたものだという。境内には渤海国時代の遺物がいくつか残っている。代表的なものは石灯籠と石仏。石灯籠は現地で「石灯幢」(shídēngchuáng)と表記する。この灯籠は有名で、渤海国を説明する文書の多くで灯籠に関する記述や画像が取り上げられる。その他の見所として千年古楡樹、古井戸、清代の北門、渤海亀趺(覇下)がある。


寺を出た後は「渤海国上京龍泉府遺跡」に行く予定だったが、思っていたより遠方で、参観時間も残り少なかったため諦め、ホテルへ帰ることにした。最初は歩いて向かっていたが雨が全然止まないので三輪タクシーに乗った。バス路線が無かったり少ない小規模な町では便利な交通手段である。


昌盛小酒館で夕食  ホテルに戻り、休息してから夕食に出かける。火鍋が食べたくなり、ホテル主人に近場の適当な火鍋屋さん「汁道火鍋」を紹介してもらった。店に到着後、隣にある「昌盛小酒館」のほうが気になり、結局そこで食事した。まずはコップ一杯の焼酎を注文。疲れていたからか、元々味が良かったのか、いつもよりおいしく感じた。料理は東北でお馴染みの「鍋包肉」と「地三鮮」を注文。今まで何回も食べた安心のおいしさである。


満腹になり店を出る。外は暗く店々の電飾がキラキラ光っている。少し遠回りしてホテルに向かうが、よく知らない町の夜道は少し心細さを感じる。部屋に戻り焼酎「牡丹江」を飲みながら翌日の計画を立てる。もちろんこの日行けなかった「渤海国上京龍泉府遺跡」は最優先地点だ。他はどこへ行くかなどを考えつつ夜は更けていく・・・。

当選した1元硬貨。フタの中から出てきた時は少し驚く・・・

四泊五日の牡丹江・東京城(2)2023.04.29


【二日目】この日は東京城鎮へ移動。朝食は即席めんで済ませる。今までは「康師傅」を食べることが多かったが、哈爾浜に来てからはそれまで食べたことのない「白象」の即席めんを選ぶことが多くなった。これまで食べた感想としてスープはおいしいが康師傅に比べて特段優れているとは思わない。さて、牡丹江から東京城へは列車で約1時間。到着駅ではいつも駅舎を撮影しブログに掲載することにしている。中国ではこれまで比較的大きな町の駅を見る機会が多かったので、東京城駅のように平屋で小さくプレハブのような駅舎を見ると何か親しみを感じる。


東京城に到着  改札を出る際、外国人パスポート所持者は通常スキャンせず「出ていいよ」と言われるが、外人の利用が少ない駅で慣れていないのか比較的高齢の駅員さんは一番最後に確認するから待っていてと言って通してくれない。そこで別の比較的若い駅員さんの列に並び直したらスルッと通過できた。情報共有ができていない悪い例である。この日から二泊お世話になるホテル「宝利盈賓館」へは徒歩で向かう。途中は様々な商店や銀行、スーパー、百貨店などが密集していてる商業エリアを通る。当日は雨天で人出が少なかったが、天気が良ければにぎわうのであろう。ホテルにチェックイン、部屋に入り最初の印象は「狭い~」である。予約時に部屋の広さをあまり確認しないので、時にこのような結果になる。ただまぁ基本設備はすべて整い清潔感もあるので特に問題はなさそうだ。


渤海上京遺跡博物館【オススメ!】 ホテルの部屋で少々休憩、その後三輪タクシーに乗って博物館に向かう。ようやく今回の旅の主目的「渤海国」(698~926)の歴史に触れる機会が到来した。この博物館は最近建設されたのか建物も室内も新しくピカピカ清潔で快適に鑑賞できる。また説明パネルや展示出土品の種類も数も豊富、すべて見終えると充実感・満足感が感じられる。ただ中国の多くの博物館と違って入館料が必要なのは残念だ。今回は自分が勝手に選んだ展示物の画像を紹介する。見ればそれが何か分かると思うので特に説明はしていない。

博物館を出てから徒歩で「興隆寺」に向かう。次篇へ続く・・・。