四泊五日の牡丹江・東京城(5)2023.04.29


この記事を書いている場所は本来一時帰国から戻った哈爾浜のはずであったが、飛行機は台風7号で欠航、四日後の便へ変更になった。しかたなく二日間を天王寺駅近くのホテルでダラダラ過ごし、今は高島の自宅に戻ってきている。飛行機が欠航になった経験は記憶では今回で二度目、一度目は二十年ほど前に上海➔重慶の便が濃霧で翌日に変更になった時。当時はホテルと朝夕二食が無料提供され、また自由旅行で時間的余裕はあったので、「こういう展開もいいんじゃない」と状況を快く受け入れたことを覚えている。

【四日目】東京城から牡丹江への移動日。朝は即席めんで済ませる。チェックアウト後に駅まで歩くが、この日は天気が良かったので町の姿が新鮮に見えた。そして小さな東京城駅から出発、早速車窓の風景を撮影する。山や川、農地、住宅地などの連続で、特に珍しい景色というわけではないが・・・。やがて牡丹江駅に到着、先ずは三日前に泊まったホテルへ向かう。


ホテルへ向かう途中、昼食用に「和記餡餅」という店で「牛肉餡餅」(牛肉の餡を小麦粉の生地で包み平たくして油で焼いたもの)と葉野菜のお浸しを購入、ホテルの部屋で食べる。餡餅は二つ買ったが、年を取ると食べる量も減り、一つだけで腹がふくらんだ。


八女投江紀念館・牡丹江市博物館  食後の休憩後、紀念館へ向かう。途中の歩行者天国では中高年男女集団が鮮やかな衣装を着て踊っていた。それに触発されたのか子供たちも楽しげにはしゃいでいた。さてこの日は参観時間が足りなくなり、抗日期の展示部分だけを見て帰ってきた。なお掲載した画像には銃器が多いが、私はいわゆる銃器オタクではない。それどころか知識はほぼ皆無に等しい。普段現物を見る機会が少ないので好奇心丸出しでパチパチ撮影していたら結果的に銃器の画像が多くなったというだけのことだ。

German Mauser 7.63mm Pistol
Homemade Pistol(土造手槍) 民間或いは地方組織によって製造・改造された比較的単純な構造の拳銃
Japanese 8mm Nambu Pistol
Colt Revolver


紀念館を出てから牡丹江の川岸にある公園へ歩いて向かう。途中、きれいな花を咲かせている木が多く見える。桃の花に似ているが実際には何か分からない。川岸の公園に来ると人出は三日前に比べて多く、中州の岸では人が密集している個所もある。しばらく景色を眺めてからホテルに歩いて戻ることにする。日が暮れるまでまだ時間はあったので少し遠回りをして帰った。


部屋に戻ると帰り道に買った「彪馬ビール」を飲む。初めて見るブランド、ラベルを確認すると哈爾浜のメーカーである。ただどんな味であったかは記憶にない。おそらく普通の味だったのだろう・・・。窓からは周囲のビルや歩行者天国を歩く人々が見える。東京城では比較的慌ただしかったので、ここではのんびり過ごすのも悪くはない。そうしているうちに日も暮れてきた。翌日は哈爾浜へ帰る日だ。列車の出発は午後なので、午前はもう一度博物館へ行こうと考えているが、ゆっくり寝ていたい気もする。さぁどうするか・・・。

四泊五日の牡丹江・東京城(4)2023.04.29


【三日目】渤海国上京龍泉府遺跡  この日はホテルのご主人に僅かだが謝礼を渡して車を出してもらい、遺跡と少し遠方の鏡泊湖に行くことになった。自宅のある高島市でもそうだが、バスが極端に少ない地方の小さい町では自家用車があると非常に便利である。遺跡は広く自分の場合は一通り見て回るのに約1.5時間かかった。現地は礎石や石垣などの遺構があるだけで建物は残っていないが、縮小復元模型などを参考に当時の様子を想像しながら散策するのは面白い。以下では多くの画像を掲載したが見れば何か理解できるので説明は最小限にとどめる。

ところでこの記事は日本の自宅で書いている。夏休みで一か月の一時帰国中なのだ。連日猛暑が続く中、故郷の長野に帰省したり、たつの市や金沢市、福井市などを旅行したりと色々楽しんでいる。そのほか自宅庭の枝打ちや草刈り、自動車免許の事前更新手続きなど細々した雑務もこなす。そうしているうちに滞在期間も残りわずか、そろそろ哈爾浜へ戻る荷造りも始めないといけない・・・。

八宝茶瑠璃井  渤海国時代の古井戸。説明では当時の国王とその家族が飲料用として利用したという。

宮城北門跡から北方を望む。農道の両側に農地が広がる。その上下の画像は北門両側の石垣の様子を撮影したもの。


鏡泊湖・吊水楼瀑布  遺跡見学後は鏡泊湖へ移動、車で30分ほどかかる。鏡泊湖の風景区は広大で、時間に余裕があれば現地に数日間滞在するのが理想であろう。ただ今回は余裕がないので瀑布に的を絞った。迫力のある素晴らしい瀑布はずっと眺めていても飽きることがない。瀑布が見える場所に「中国第一瀑布」と記された民国期の石碑があるが、実際にその姿を見ればその表現も誇張ではないことが分かるだろう。


狄煥然さんよるダイブ実演  この瀑布で毎日二回行われる飛び込みパフォーマンスは多くの観光客が楽しみにしていることの一つである。狄煥然(てきかんぜん)さんは現地ではとても有名で、ネットによると最高所からのダイブでギネスブックに認定されたという。下の画像は狄さんが飛び込み前に両手を挙げて観客にあいさつしている姿である。次の瞬間、上に跳躍したかと思うと、頭を下にしてスーッと滝壺へ向かって落下、ジャボン!と入水、同時に観客の大きな歓声と拍手が辺り一面に響きわたった。


その後、橋を渡り別の地点から瀑布を眺める。最初に訪れた場所よりも滝口に近く迫力があり、注意しないと滝壺へ落ちそうで恐怖である。


瀑布上流で流水飲み  激しい瀑布の上流には、とても静かで穏やかな自然あふれる風景が広がっていた。景色を眺めながら休息するには大変適している。早速座る場所を決め、おもむろに瓶ビール「藍帯/ブルーリボン」と栓抜きを取り出し「流水飲み」を始める。前回は依蘭の松花江であった。いやしのひと時、海外での孤独で過酷な生活によるストレスをしばし忘れ、心と体をリフレッシュする・・・。


この日は天候に恵まれ快適であった。ホテルへ戻る車窓からは青空のもと広大な農地、遠くには丘陵地帯が見える。やがて日が暮れ、夜は串焼きをテイクアウトし部屋でドラマを見ながら焼酎「牡丹江」を飲む。翌日は牡丹江へ移動、何をしようか。特に予定もないのでゆっくりのんびりしよう・・・。