二泊三日の金沢市・福井市(下)2023.08.04


JR金沢駅➔福井駅  朝はホテルの朝食をしっかり取る。特に一時帰国中ということもあり中国では食べない「納豆温泉卵ごはん」に手でちぎった味付け海苔をかけて頬張る。う~ん、これぞ日本の味だ・・・。またこの日も当然デザートのミニカレーを忘れず腹に入れる。ちなみにカレーはハルビンでもよく作って食べている。スーパーには各種ルーが販売されているが、自分はハウス「百夢(バーモント)」を使うことが多い。さて金沢駅を出発、帰宅するまで少し余裕があったので福井駅で途中下車し、日が暮れるまで5時間ほど観光した。ご当地の「越前そば」もおいしいと評判なので、旅の記念に食べてみた。  


北庄城址・柴田神社  柴田神社は北庄城址に建てられた柴田勝家とお市の方を祀る神社。ここでは北庄城の遺構の一部を見学できる。また神社に隣接する「北の庄城址資料館」では、城址と福井市の歴史を現物や展示パネル、ビデオ映像などで紹介している。館員さんも常駐しているの歴史だけでなく福井の観光についても気軽に質問できる。自身も足羽山について聞きアドバイスをいただいた。


九十九橋(つくもばし)  資料館で特に面白いと感じたのは、明治初期までは半石半木だった「九十九橋」。北半分が木造、南半分が石造だったという。ちなみに現在の九十九橋は鉄筋コンクリート製だ。資料館前には当時の橋の一部分が復元されていて、見ると確かに珍しく不思議な感じがする。さて橋を半木半石にした理由について、資料館の説明パネルには何も記載がなかった。そこで後日ネットで調べたところ、福井県河川課のサイト「まちなか足羽川会議」に説明があったので引用する。

なるほど納得できる説明だ。そう言えば現代の日本にも洪水対策として橋の一部をわざと壊れやすい構造にしてあるという話を聞いたことがある。ただこのような橋は珍しいので人々の話題になるのであろう。


柴田神社➔足羽山  神社を出て少し歩くと足羽川。そこにかかる幸橋を渡り山裾に向かう。橋を渡った川の北側エリアには史跡がいくつかあった。①由利公正宅跡、②橋本左内の墓、③洞哉宅跡など。詳細については説明パネルの画像をご覧いただきたい。


足羽山の山頂古墳・自然史博物館  ふもとから山頂へは先ず直線の急な階段「百坂」を上り、その後も坂道を歩き続ける。この日も猛暑、大きな荷物は駅のコインロッカーに預けたのでよかったが、それでも体力はかなり消耗、汗も大量に吹き出し、無理をすると熱中症になる危険性があった。なんとか山頂に着くと先ずは古墳跡にある継体天皇像を確認する。石造りの立派な像だ。説明パネルには「継体天皇の父は彦主人王(ひこうしのおう)」とあるが、彦主人王の陵墓は高島の自宅から近い場所にある。以前夏に陵墓近くを訪れた時、自分以外は誰もおらず、辺りは静寂に包まれ厳かな雰囲気を感じたのを覚えている。 


その他近くには「天魔池(てんまがいけ)」があり、羽柴秀吉が北庄城を攻める際に陣を置いた場所と言われている。それはともかく当時は暑さと疲れで体はフラフラ、限界に近づいていた。そんな窮地から救ってくれたのは自然史博物館、この存在は大変ありがたかった。館内はひんやり冷房が効いていて火照った体をクールダウン、洗面所では水で顔や手の汗を洗い流し、服も整えることもできた。さらにジュースの自動販売機もあるので、キリッと冷えたスポーツドリンクをガブガブ飲んで水分補給と体内冷却をした。ここまでくると体は概ね回復し精気がみなぎってくる。博物館にはたいへんお世話になった。この場を借りて心より感謝申し上げる。足羽山の自然史博物館さま、ありがとう!! その後は建物の屋上に出て福井市街を一望する。かなり遠くまで広い範囲が展望でき、北の方角には日本海の東尋坊にある建設物も小さく見えるが何とか目視できる。以上のことから自然史博物館は大いにオススメできる観光スポットと言えるのである。


越前そば  山から下り駅近くのそば屋さん「福蕎麦」に入る。この日頑張ったご褒美に、先ずは地酒の純米大吟醸「梵」の冷酒と、肴に福井名物の揚げをカリッと焼いた「焼き油揚げ」を注文する。揚げにたっぷりおろしがのせられているのを見てうれしくなる。その後、店の名物「お市そば」を注文、おろし・明太子・納豆・とろろ・小えび天の5つの味が楽しめる最高のメニューである。う~ん、これぞ日本の味だ・・・。そしてそば焼酎「越前おろしそば職人」をロックで注文、キリッとして旨味のある良質の酒だ。兎にも角にもこのお店の味や雰囲気には大変満足、メニューには今回注文しなかった魅力的な料理もあるので是非また訪れたいと思っている。 


何気なく立ち寄った福井市、一時は暑さでフラフラしたが、短時間にも関わらず総じて想像以上にすばらしい体験ができた。ここで一泊しようとも考えたが、まぁまた次回来ることにした。金沢市・福井市の旅はこれで終了、おつかれさまでした・・・。

二泊三日の金沢市・福井市(中)2023.08.04


二日目、この日は主に「内灘海岸」、「近江町市場」、「浅野川大橋付近の茶屋街」を観光する。海岸と言っても海水浴はせず、ただ浜辺に座って海を眺めながら酒を飲む「浜飲み(はまのみ)」が目的だ。機会があると「園林飲み」や「流水飲み」を行うのが趣味だが、考えたら以前に「浜飲み」をした記憶がない。もしかすると今回が人生初めての「浜飲み」かも知らない。ちなみに前回の流水飲みは中国黒龍江省・黒河市で、黒龍江の流れと対岸のロシアの街・ブラゴベシチェンスクを眺めながらビールを飲んだ。

内灘海岸  朝はホテルでしっかりと食事をとる。金沢でも猛暑日が続いており、暑さに負けないようデザートのミニカレーも忘れずに食べる。食事後は部屋に戻り準備をしてから出かける。JR金沢駅の地下に隣接する北陸鉄道・浅野川線の「北鉄金沢駅」から乗り「内灘駅」で下車。所要時間は約20分。内灘駅から海岸まではバスもあるが、本数が少ないので徒歩で向かう。途中「鉄板道路」の表示が見えた。何かと思い近くにあった説明を読んだ。朝鮮戦争当時、米軍が戦車や砲弾を運ぶトラックの運送のために道路に鉄板を敷設したとのこと。この日は行かなかったが海岸には米軍試射場跡もあるという。

内灘海岸に到着。砂浜は想像以上に広く、サラサラして不安定な砂の上を歩いて波打ち際まで行くのに苦労した。後でネットで調べると、この砂浜は日本三大砂丘の一つ「内灘砂丘」にもつながっているというから広いのもなるほど納得だ。海水浴客は多かったと思うが、砂浜が広大なので皆それぞれが散らばって広く距離をとりながら寝そべったり遊んだりしていた。この日は風もあり波も高いので豪快に遊ぶには適していたが、反面溺れないように注意が必要だという気もした。

裸足になり波打ち際で波が足に当たる感触をしばらく楽しんだ。その後砂浜に座りカバンからおもむろにカップ酒「加賀鳶 極寒純米 辛口200mL」を取り出し「浜飲み」を始める。打ち寄せる波はそのたびに姿を変えるので、ずっと見ていても飽きることがない。ときおり海鳥が目の前の空を通り過ぎていくのもいい感じだ。ただこの日は猛暑、カップ酒がぬる燗になる前に飲み干し砂浜を離れる。やはり浜飲みは春や秋にしたほうがいいとつくづく実感する。


近江町市場で昼食  海岸から一度ホテルに戻り少し休息。その後「近江町市場」へ向かう。市場内をしばらく見て回ってから「市場寿し」というお店に入った。先ずは地酒「地福正宗 純米辛口 生詰 180mL」の冷酒を注文。飲みながら壁に掲示されている「本日のおすすめ」メニューを眺める。そして刺身は甘海老、生トロサバ、あかいか、さざえ、フグの五種を選び、寿司は生のど黒、炙りのど黒、白エビ軍艦巻きを注文。特に生のノドグロを食べたのは人生初めてで、金沢での良い記念になった。


浅野川大橋付近の茶屋街  浅野川大橋の西には「主計(かずえ)町茶屋街」、東には「ひがし茶屋街」がある。先に訪れたのは主計町茶屋街。ちょうど日が暮れ初め、家々の明かりも点々と灯り、近くにある浅野川大橋と中の橋のライトアップも始まった。今回は食事や美術館見学等はせず、ただ辺りを散策した。どちらの茶屋街も昔から続いてきたであろう独特な風情がそこかしこで感じられた。ひがし茶屋街を見終えた頃には日は完全に落ち、大通り以外の路地は暗く人通りもまばらで、初めて訪れた場所ということもあり少し心細く感じた。

さて翌日は金沢を離れ、途中で福井駅周辺を少し観光し、それから高島へ帰る。金沢は短い滞在だったが色々楽しむことができた。次は別の季節に訪れ、また違った街の姿に出会えたらと思っている。