【謹賀新年】2024年・新春のごあいさつ

元日の松花江
元日の兆麟公園

明けましておめでとうございます。
新年が皆さまにとって良き年であるよう心よりお祈り申し上げます。

さてハルビンでの生活も一年が過ぎた。
去年を振り返ると、特に大きな問題も起きず比較的穏やかに生活できた。
7月には日本に一時帰国して家族に会い、また友人知人と酒を楽しんだ。
10月下旬には別のマンションへ引越した。前の部屋ではIHだったが、今は火力の強いガスコンロがあり、キッチンも広く冷蔵庫も大きいので自炊がかなり便利になった。
趣味の旅行は、最近では10月に八泊九日の石家荘・平遥・太原、12月に三泊四日の山海関と大いに気分転換をし見聞を広めることができた。ただこれも心身が健康であればこそ可能なのだが、実を言うと最近連続して体に異変が生じ少々困っている。

日本から持参した風邪薬を使い尽くし、予備として中国の薬局で買った。ピカピカした金メダルのデザイン、効き目がありそうだ・・・

12月8日頃、正体不明の黒龍型ウイルスに感染したのか、体全体がだるく、咳や熱、悪寒等の症状が出て苦しんだ。風邪薬を飲み続け、5日間ほどでようやく治まり安心していたら、16日の午後6時頃、何かを取ろうと前かがみになった瞬間、突如ビビビッと腰に激痛が走ったのだ。いわゆる「ぎっくり腰」で、年に一度くらいは起こり、通常は早ければ数日、長くても一週間ほどで回復する。しかし今回は様子が異なり2週間以上経ってもまだ痛みが続いているのだ。最初ほどの激痛はなくだいぶ良くはなったが油断はできず、歩行中に段差などで姿勢が変わると突然ピキッと痛むことがまだある。
原因は色々考えられる。自分の場合は運動不足による筋力の衰えが根本的原因であろう。精神的ストレスも良くないと言われている。確かに海外での過酷な単身生活、本人が意識していないだけで潜在的ストレスが案外蓄積しているのかも知れない。しかし今回これだけ長期間痛みが続く原因は何なのか!?それは十中八九「ハルビンの寒さ」であろう。日や時間帯で気温も変化するが、例えば最近夜買い物するため外に出ると、とたんにマイナス20℃の冷気に襲われ体の筋肉がピクッと硬直し、腰の動きも鈍くなるのを感じるのだ。一年経ってハルビンの寒さに慣れたつもりだったが、それは甘い考えであった。この寒さ、一年や二年で慣れると言うほうが所詮無理な話なのかもしれない。
ハァ~、えらいこっちゃ・・・。


元日の昼食はカレー。薄焼きと一緒にたべる。ふと日本のTVコマーシャルの「おせちもいいけどカレーもね!」というフレーズを思い出す。ちなみに去年は水餃子とゆで卵だった。
さて今年は55歳。時々腰痛や謎のウイルスに悩まされるが、基本的には健康で食欲もある。自宅で「ひとり鍋(単独火鍋)」をすることもある。テレビを見ながら自分の好きな食材を気楽に堪能できるので、日常生活での楽しみの一つになっている。そして以前は月に1、2回だったが、最近は寒いせいか週に1、2回するようになった。基本食材は羊肉、野菜、キノコ、豆腐。野菜では白菜とほうれん草が好みだ。熱々の豆腐も大変おいしい。スープや付けダレは毎回種類を変えて楽しんでいる。羊肉は体を温める効果があると言われ、寒いハルビンにはピッタリの食材だ。今後も積極的にひとり鍋を楽しもう・・・。


飲酒について、ハルビンでは白酒、紹興酒、ビールが中心。量は減ったが美味しく飲んでいる。ただ今までは毎日休まずきちんと飲んでいたが、最近は週に一日は休肝日にしている。たまに体がだるくなり飲みたい気分にならないのだ。これも老化が原因だろう。寂しいかぎりだ。ただまぁ消極思考で暗くなってもいいことはない。やはり新年も明るく前向きな気持ちで人生を楽しもう・・・。
それでは皆さま、今年もよろしくお願いします!

八泊九日の石家荘・平遥・太原(9)最終回


【八日目】太原での三日目。この日は双塔で有名な「永祚寺」の見学と、「汾河」の川辺を散策する予定だ。先日の晋祠とは違い、永祚寺は宿泊先ホテルから比較的近く、移動時間を気にせずゆっくり観光できそうだ。

永祚寺  明代の創建、現在は広大な「双塔公園」の中に位置する。見所は何と言っても明代に建立された「宣文塔」と「文峰塔」の二つの佛塔。自分の足で実際に塔に登れるのも魅力的だ。


☘宣文塔  現地の説明パネルによると、高さ54.78m、13層、塔身は八角形、最上部の塔刹は銅鉄製の宝瓶、典型的な楼閣式の空心磚塔。内部の階段を登ることができ、上層階からは太原市内を眺望できる。各層の屋根の縁には緑色の瑠璃が施され、渋い輝きを発していて美しい。もう一方の文峰塔にはこの装飾がないので、両者を区別する際の参考になる。


☘文峰塔  高さ54.76m、13層、塔身は八角形、典型的な楼閣式の空心磚塔。宣文塔とよく似ている。訪れた当時は入口が閉ざされていて内部に入ることができなかった。まぁ宣文塔に登ってそこそこ疲れていたので、立入禁止とはっきり言われると逆に安心する。登れるとなると疲れていても必ず無理して登ってしまう性格だからだ。


見学が終わり公園内を歩いていると、所々から双塔が望める。見る場所によって構図や雰囲気も変わり面白く、もう少し見ていたい気持ちになる。太原のシンボル・双塔、お世辞抜きで実に見事であった。


汾河の散策  太原市内を流れる汾河、その川岸はきれいに舗装・緑地化され、市民の憩いの場所になっている。双塔見学後、バスで太原空港へ行き翌日利用するカウンターを確認した。その後またバスに乗り地下鉄「南中環駅」辺りで下車、南中環街を西へ川辺まで真っすぐ進み「南中環橋」の東岸に至り、その後は川岸を北上する。途中、適当な休憩場所があったので恒例の「流水飲み」を行う。水の流れを眺めながら地元の焼酎「普泉高粱白」(42度)をチビチビ飲む。前回の流水飲みは、たしか2023年6月下旬、黒河の中露国境を流れる黒龍江(アムール川)だったか。さてこの旅も明日で終了、哈爾濵へ戻る。今回は訪問各地に多くの歴史遺産があり、精力的に歩き回ったのでかなり疲れたが、それだけ思い出も多く充実感もある。そのようなことを考えながら激烈酒を口に含み、しばし景色を楽しむ。その後再度歩き始め、日も暮れてきたので適当な場所で河を離れホテルに戻った。


夕食  ルームサービスで前日と同じ「老伝統過油肉(小)」、そして主食は「葱花烙餅」(小麦粉の生地に刻みネギを練り込んだ薄焼き)を注文。この日も杭州アジア競技大会が放映されていたのでパソコンで見ながら酒と料理を楽しんだ。


【九日目】旅行最終日、哈爾濵に戻る。朝はホテルの部屋でインスタント麺「茄皇牛肉麺」を食べ、最寄りのバス停から太原武宿国際空港 へ向かう。太原から哈爾濵までは約2.5時間、離陸後すぐ窓からは前日訪れた汾河とそれに架かる独特な形状の南中環橋が見えた。しばらくして内モンゴルだろうか、地上に大きな風力発電用の白い風車が多数見えたのが印象的だ。やがて松花江が見えてくると残りわずか。空港から市内行きシャトルバスに乗り、哈爾濵駅に到着したのは午後7時半頃。そこからは徒歩で自宅に向かう。辺りはすでに暗くなっていたが、馴染みの街を見るとホッとする。
さてさて翌日は出勤、夜は早めに寝よう。お疲れ様でした~