中国の春節休みを利用して一か月間一時帰国した。前回の帰国期間は前年7月15日~8月19日の暑い時期だった。5か月後なのでそれほど懐かしいという感覚はないが、時期が雪の降る寒い冬なので雰囲気がまったく違ってた。
哈爾濵発の飛行機は朝早いので、前日は空港近くのホテルに泊まる。部屋の窓からは暗闇の向こうに空港の照明がキラキラ輝いているのが見え旅情をかきたてる。うーん、明日は帰国か・・・。
翌日、遅延なく飛行機は飛び立った。地上を見ると全ての活動が停止したかのように白い世界が広がっている。まさに天然版「哈爾濵氷雪大世界」、くねくね曲がりながら流れる松花江もそのまま凍結している。前回夏の帰国時には当然見られなかった景色、季節感が強烈で面白い・・・。
高島の自宅に帰ると、やはりホッとして気が休まる。帰国中は計画している旅行以外は特にすることもないので毎日のんびりだ。時々運動と買い物をかねて徒歩や自転車で外出する。少し離れたスーパーまで行って帰ってくることが多い。途中、広い農地の中を通る細い道がある。そこは私のお気に入りの散歩コースで、用水路に架かる橋の上では景色を眺めたりストレッチ体操をしたりする。このような平凡で平和なひと時に生きている幸せを感じる。
中国では全く飲まないウイスキーだが、日本では好んで飲んでいる。以前はバーボンばかり飲んでいたが、5年ほど前か正確に覚えていないが、スコッチを飲むようになった。人体の変化か老化か原因は不明だが味覚が変化したようで、バーボンは甘すぎると感じ、苦みのあるスコッチを好むようになった。この先数年経つとまた好みが変化しているかもしれない。その時は何を飲んでいるのであろう・・・。
今津町に用事があり琵琶湖沿いの道を通ったので、浜辺に下りてみた。そこにはいつ見てもきれいな景色が広がっている。やさしい波の音、湖上にポツンと浮かぶ竹生島、雪を少しのせた伊吹山、ずっと眺めていても飽きない風景。この湖には精神的ストレスの多い現代人をやさしく包んで癒してくれる不思議な力があるようだ。そう感じるのは私ひとりだけであろうか・・・。
香港へ行く前日、JR湖西線に乗り天王寺へ向かう。天王寺では軽生会会員の齋藤さんと新年会をし、自分はそのまま駅近くのホテルに宿泊する。自宅のある地域は数日前から雪が降り、車窓からは雪に覆われた白い世界が広がっていた。長年見慣れてはいるが冬の厳しさを感じさせる景色だ。そしてつい口ずさんでしまう。
湖西の冬は、何もない冬です・・・