清明節の連休を利用して中国・北朝鮮の国境の街・丹東を観光し、鳳城市では鳳凰山に登ってきた。旅程は以下の通りで、哈爾濱駅から丹東駅まで行くのに列車を2回乗り換えたのが面倒であった。
【哈爾濱】列車➔【哈爾濱西】列車➔【瀋陽北】列車➔【丹東】《3泊》
列車➔【鳳城東】《1泊》列車➔【哈爾濱】
哈爾濱西駅はいつも列車で通過するだけだったが、今回初めて乗り降りに利用した。想像していたより立派な駅で、時間があったので少し駅舎の内外を見て歩いた。瀋陽北駅から丹東駅までは車窓から見える山や川、集落等の風景が何か魅力的に感じたので写真撮影した。
丹東駅到着後、先ずは予約してある旅館「丹東碧水雲熙客桟」へ向かい荷を下ろし少し休憩する。この旅館を選んだ理由は断橋から近く、また予約した部屋から少し遠いが鴨緑江と断橋、対岸の北朝鮮・新義州市の街が眺望できること。正面に見える北朝鮮側のシンボルのような一際大きい赤丸の「太陽ビル」がおもしろい。晩に酒を飲みながら窓からの夜景を眺めるのも楽しみである。
少し休憩してから鴨緑江の断橋周辺の公園を散策する。清明節の連休ということもあり中国側はかなり多くの観光客でにぎわってる。一方、対岸は人の気配が無く、ひっそりと静まりかえっている。おそらく朝鮮側の人々は、年中途切れることのない対岸からの視線に嫌気がさしたのであろう。誰でも他人の見世物になるは嫌だろうから彼らの気持ちは十分理解できる。
さて現在橋は二本あり、下の写真向かって右側はアメリカ軍の爆撃で北朝鮮側半分が崩落した「鴨緑江断橋」。左側はその後新たに作られた「中朝友誼橋(鴨緑江大橋)」。この新しい橋を眺めていると時折り北朝鮮側からコンテナトラックが渡って来るのが見える。さて残念なことに今回の訪問時は断橋が工事中、立入禁止で橋の上を歩くことができなかった。なぜ人出が多い清明節の時期にわざわざ工事をするのか理解不能だ。
その後、市バスで錦江山公園へ向かう。山頂には展望塔「錦江亭」があり、丹東と北朝鮮の街を広く見渡すことができる。先ほど訪れた断橋や北朝鮮の太陽ビルも小さいが目視できる。山並みもきれいだ。近くて遠い国、眺めていると何か不思議な感じがしてくる・・・。
錦江山公園を離れ、次に向かったのは「安東老街」。付近の路上では丹東名物のイチゴが売られていた。老街と言っても新しい大型商業ビルで、館内をレトロ調に装飾したもの。ここで多数の飲食店や土産店等が営業している。観光スポットの一つなので、かなり多数の来客でにぎわい、通路を進むのも困難な時があった。おいしそうな食べ物もあったが自身は夕食に海鮮料理を食べる予定なので、ただ見学だけして出てきた。そしてまたバスで断橋付近まで移動し、ふたたび川岸から夕暮れ時の鴨緑江をしばらく眺めていた。
海鮮料理 丹東は海鮮が豊富で料理店も多い。店選びに迷ったので旅館の女将さんに紹介してもらった海鮮料理店「北緯40度」へ行った。水槽の中から好みの魚介類を選び好みの味付けで調理してもらう。酒は地元の焼酎「鳳城・老窖酒」を持ち込んだ。魚貝は地元名産の「丹東黄蜆子」(シジミ)、近海産の「母蟹」(メスのワタリガニ)と「海黄魚(大瀧六銭魚)」(アイナメ科)を選んだ。「海黄魚」は俗称で、正式名称は「大瀧六銭魚」。中国のスーパーでよく見かける「黄魚」(イシモチ)とは違う魚だ。後日ネットで調べると、この時食べた魚は尾びれが扇形なので、アイナメ科の「クジメ」と思われる。蟹も貝も魚もすべて新鮮で大変おいしく頂いた。店内も清潔で雰囲気もよい。いつかまた断橋リベンジを兼ねて再来店したいと思う。
夕食後は旅館に戻り、部屋で酒を飲みながら外の夜景を眺める。コンビニで北朝鮮産ビールが売っていたので紀念に買って飲んでみた。味は良くない。中国産「鴨緑江ビール」の方がましである。ライトアップされた断橋は輝いてきれいだ。対岸の「太陽ビル」上部には意味は分からないがハングル文字が赤く点灯している。
さてさて翌日も観光が続く。夜景を楽しんだら早めに就寝しよう・・・。