四泊五日の銀川・阿拉善左旗(2)2024.05.01


【二日目】この日の一大イベントは「西夏王陵」の見学。その他は「寧夏博物館」の見学と、レストランでテイクアウトした羊肉料理をホテルの部屋で食べるということくらいだ。

朝は7時過ぎに起床。天気が良いので窓からは蓮花型の劇場がきれいに見える。そしてホテル内で朝食をしっかりとる。ビュッフェスタイルだが、ミニ牛肉麺や目玉焼きはその場で調理してくれるので熱々のうちにおいしくいただけるのが嬉しい。また料理の品数も多く、味も十分おいしい。自身は最近栄養バランスも気にしているので野菜を多めにとる。食後は市バスに乗り西夏陵へ向かう。


西夏王陵  入場券を購入後、園内バスで「1号陵」「2号陵」エリア(下の地図画像で青丸で囲った地域)へ向かう。この日は連休中なので観光客で混雑していた。バス乗り場からも賀蘭山の手前に広がる荒野に多くの遺跡が見え、ワクワク感が増幅される。バスに乗り込み、車窓からも遺跡を見て楽しむ。
百度百科「西夏王陵」によると、2014年時点で西夏帝陵が9座、培葬墓が254座確認できたが、7号陵(仁宗李仁孝)と182号培葬墓以外は埋葬者の最終判断ができず不明ということだ。つまり今回見学する1、2号陵も誰の墓なのか正確には分からない。そう言えば2号陵にあった説明文にも埋葬者の名前が記されていなかった。


1号陵  荒涼とした平原に「陵台」と呼ばれる大きな土の塊が竹の子のようにニョキッと出ていて、普段は見られない何とも不思議な光景だ。辺りには背の低い植物が多く見られたが、途中名前は分からないが高さ3メートルほどの細い木があったので少し観察してみた。見ると蝋細工のような光沢のあるウグイス色の小さな葉と、鋭く細長いトゲが多数確認できる。厳しい生育環境なので極力動物から食べられるのを防いでいるということか。  

2号陵  1号陵のすぐ隣にあるので歩いて移動する。外観や規模は1号陵とあまり変わらないようだ。西夏王朝が滅亡後、全ての陵墓が征服者によって徹底的に破壊され廃墟になったとのこと。元々は華美・荘厳であったろう王陵群の姿を今は見ることができず残念だ。しかしこのような廃墟でも背景の賀蘭山と一体となり独特な雰囲気を生み出し、その風景を充分楽しむことができる。見学後、市街へ戻るバスの窓からも賀蘭山のギザギザした稜線が見えた。ずっと見ていても飽きのこない大変魅力的な山である・・・。


寧夏博物館  宿泊しているホテルの前には蓮花型の人民劇場があるが、その隣には「西夏博物館」がある。展示物の数は膨大で、また午前の西夏王陵見学で多少疲れていたので、今回は寧夏文化の展示紹介エリアと西夏時代エリアだけを見学した。特に西夏文字が使われている石刻や木簡、西夏陵で出土された大きな牛や馬の像、仏頭などが強く印象に残った。牛の目がクリクリしていて可愛らしい。仏頭には「泪痕(涙の痕)」のような釉薬の溶けて流れた跡が見られる。仏教を厚く保護していた西夏が元に滅ぼされ徹底的に破壊されたのを大変悲しんで涙しているのだろう😭・・・と想像するのもロマンがある。


博物館見学後はホテルに戻ってしばらく休憩。その後、夕食に食べる羊肉料理を買うためホテルから徒歩約10分の「国強手抓」という店に行く。人気店でまた連休中ということもあり店内はかなりの混雑で外で待つ客もいた。さて前日に鼓楼近くの「老毛手抓」で食べた「手抓肋条」は羊スペアリブ(肉付きあばら骨)を茹でて調理したものだ。そこで今回は焼いて調理した「烤羊排」(羊スペアリブの炙り)、そして「清炒広東菜心」(広東サイシン〈菜の花〉炒め)を注文、テイクアウトした。
ホテルの部屋に戻ると早速料理が入った容器の蓋を開ける。するとそこには外観からも間違いなく絶対おいしいと確信できる羊スペアリブ炙りがぎっしり入っていた。少し興奮したので白酒を飲んで心を落ち着かせ、そして一つ一つゆっくり味わいながら食べた。皮はパリッと、身は軟らかく美味だ。食べ続けると口中が脂っぽくなるので、適時白酒を飲んで脂を洗い流し、口直しにサイシン炒めを食べる。そしてまたもう一本スペアリブ炙りを口に頬張る。銀川に来て本当に良かった~と感じるひと時であった・・・。

さてさて翌日は内蒙古の阿拉善左旗へ移動する。この地域は哈爾濱に比べて陽射しがギラギラして暑いので体調管理が大切、夜更かしは禁物だ。早めに就寝することにしよう・・・😴

四泊五日の銀川・阿拉善左旗(1)2024.05.01


今回は労働節(メーデー)の連休を利用して銀川(寧夏回族自治区)と阿拉善左旗(内蒙古自治区)を旅行した。主な訪問先は、銀川では西夏王陵、黄河風景区。阿拉善左旗では騰格里(テンゲル)沙漠、定遠営古城。その他、銀川ではご当地の羊肉料理も味わった。五日間の旅程は以下の通り。
  哈爾濱➔(飛行機)➔銀川《2泊》➔(バス)➔阿拉善左旗《1泊》
  ➔(バス)➔銀川《1泊》➔(飛行機)➔哈爾濱

銀川行き飛行機は朝の出発、食欲がないので自宅では朝食は取らず、チェックインを済ませ搭乗口付近の食堂で牛肉麺を食べた。もちろん空港内の物価は高いが、まぁせめて楽しい旅行の時くらいは散財することも楽しむくらいの気持ちが必要だろう。ちなみに麺の味は良く肉の塊もしっかり入っていた。


哈爾濱➔鄂爾多斯  飛行機は定刻通りに離陸。機内ではペットボトル水とツナサンドが提供された。しばらくすると窓から黄河が見えた。中国で2番目に長い母なる大河、その黄色い流れを見ると上空でも気分が高まる。黄河の流れは甘粛省・蘭州辺りから北上を始め、内蒙古・巴彦淖爾(バヤンノール)辺りで東に転じ、内蒙古・包頭を過ぎた辺りで南下を始める。ちょうど「几」の字のように急に流れの向きを大きく変えるのだ。下の画像は包頭市の鉄道「古城湾駅」近くを流れる黄河で、百度地図で確認した。それにしても黄河は蛇のようにクネクネと何度も湾曲を繰り返しながら流れていくのだなぁと上空から感慨深く眺めていた。その後、飛行機は経由地の鄂爾多斯(オルドス)に着陸する。


鄂爾多斯➔銀川  空港で一時間ほどトランジット待ちをし、再度搭乗して銀川へ向かう。銀川河東国際空港に近くなると、上空からまた黄河が見える。この旅の最終日に黄河沿いの風景区「黄沙古渡・原生態旅游区」へ行き大きな砂丘にも登ったが、この地帯は非常に荒涼としていて茶色い砂地が広がっている。しばらくすると多数の山が隆起した茶色い丘陵地帯が見えた。ここは銀川市の鉄道「霊武駅」付近であることを百度地図でも確認した。このように銀川は厳しい自然環境に囲まれた都市で、人工的に植樹しないと何も育たない場所なのである。


空港➔市内中心  空港に到着。外に出ると哈爾濱とは様子が違い、日光のギラギラした強さを感じる。皮膚には良くなさそうだ・・・。バスで市内まで移動。途中、上空からも見えた黄河をバスは橋を使ってスルッと簡単に渡って行く。市内中心部の「南門広場」近くで下車。とりあえず昼食をとるため「鼓楼」近くの料理店を目指して歩く。途中、ミニ天安門のような「南門楼」、重厚感のある「玉皇閣」の前を通り過ぎる。


老毛手抓で昼食  銀川と言えば羊肉料理、なかでも「手抓羊肉」が名物だという。そこで私も鼓楼近くの老舗料理店「老毛手抓」で食べることにした。さっそく名物の「手抓精品肋条」(厳選羊スペアリブ〈肉付きあばら骨〉茹で)と、野菜の栄養も大切なので「茄子焼豆角」(ナスとインゲンの炒め物)を注文。酒は予めスーパーで買っておいた「西夏ビール」と焼酎「老銀川」を飲む。さて羊肉はスパイスや酢などつけて食べるが、プリプリして軟らかく美味。脂の甘みもおいしい。羊肉特有の臭みは少ない。ただ多少脂っぽく口中がベトベトするので、適時白酒を飲んで脂を洗い流す。そしてまた羊肉を一切れ頬張る。う~ん、これが銀川の味か。お世辞なく本当に満足した・・・。


昼食後は料理店近くの鼓楼を見学する。説明では清朝・道光元年(1821)の創建で、その後も幾度か増築があったという。その独特な外観が目を引く。以下では鼓楼上から撮影した街の画像を北・東・南・西の順に掲載した。


昼食後は市バスに乗ってホテル「銀川温特兹飯店(金鳳万達店)」に向かう。なおホテル外観の画像は翌日朝に撮影したものだ。滞在する部屋の窓からは正面に大きな蓮花型の「寧夏人民劇院」が見える。それが夕方からライトアップが始まり、外壁が白色と金色の変化を繰り返す。なかなか見応えがあり夜は酒を飲みながら眺めていた。さてさて移動と手抓羊肉を食べただけの旅行一日目は、このようにして終わる・・・。