三泊四日の丹東・鳳凰山(4)最終回


【四日目】旅の最終日、午前中は鳳凰山に登り、その後は17:30発の列車で哈爾濱に戻る。翌日は出勤なので必ず帰らなければならない。そこで山での最低所要時間を予めネットで調べ、ホテルスタッフにも聞いた。その結果、余裕をもって5時間は必要だと判断した。更に市内~風景区入口の行き帰りと、鳳凰城駅から鳳城東駅への移動時間も考慮して、朝は6:30起床、7:30ホテル出発、タクシーで風景区へ向かった。


風景区入口到着後は観光バスで仙人湖まで行き、その後はロープウェイ駅まで歩き、ゴンドラに乗って一挙に山頂付近まで移動する。本来山登りの醍醐味は下から上まで自分の脚で頑張って登ることだが、今回は時間に制約があるので文明の利器を大いに利用した。ゴンドラに乗った後は時間の心配もかなり軽減し、ゆったりとした気分で迫力のある山の風景を楽しむことができた。
ところで山登りと言っても日本のイメージと違い、中国で観光地化された著名な山の多くは、歩道のほとんどの部分が石や木の板などで舗装されていて、土の上を歩くことは少ない。以前に登った泰山、黄山、華山でもそうであった(参考:五泊六日の渭南・華山・咸陽2)。どちらが良いとも悪いとも言えないが、いつも感じるのは気が遠くなるほど延々と長く続く山道に、よく一つ一つ石板を敷き詰めたり岩を削ったり、桟道を設置したりできたなぁということである。その時間や労力を考えると心から感服する。


ロープウェイ山頂駅に到着、これからは基本的に徒歩で移動する。途中、両側が絶壁の尾根を進むルートがあり、そこを通る時は多少恐怖を感じた。落ちたら確実に死ぬからだ。ただ幸いこの日は天候も良く気分は爽快。もし雨や風が強かったら滑落する危険性も高まるだろう。そのような危ない場所がいくつもあるから注意が必要だ。


鳳凰山の目玉の一つ「ガラス桟道」に到着。靴カバーをつけてからガラス板に足をのせる。少しドキドキするが前後に人がいないので少し安心する。まさか人が一人のっただけで床板が落ちるとは考えられないからだ。実はこの日は平日で多くの人は出勤、鳳凰山もかなり空いる。どの場所でもスイスイ進みやすくて快適だ。もしこの場所で人で混雑すると、重さで床が崩落するのではないかと不安になる・・・。


ガラス桟道を抜けた後は、ガラス橋を目標に山道を進む。途中、文明の利器・ジップラインも利用して移動時間を短縮する。ここまで来れば列車に乗り遅れる心配もほぼ解消、ホッとする。さて橋は外観からも大変頑丈に見え、案内板にも「ガラス板一枚が2000㎏の重さに耐えられる」とあるので安心感もあり、実際に橋の上を歩いてもそれほど恐怖を感じなかった。ガラス橋を体験したら山を下りる。ここでも文明の利器・観光バスを利用して一挙に風景区入口まで戻る。結果として今回のルートで風景区入口を出発(8:00)して戻る(12:00)までの所要時間は4時間、まあ余裕をもって荷物を預けてあるホテルまで戻ることができる。


風景区入口からホテルまでは徒歩で約40分、時間的余裕ができたので歩いて行くことにした。途中「明哥刀削面館」という食堂で昼食。先ずは「鴨緑江ビール」、そしてご当地フード「炒叉子」(トウモロコシが原料の黄色い麺を使った焼きそば)と好物の「トマト卵炒め」を注文。叉子麺は初めて食べるが、うどんのような太麺がプリッとした食感でおいしい。食後もまだ時間に余裕があったのでホテル近くの「笑笑」という理髪店で散髪しサッパリする。


散髪後はホテルに行って預けた荷物を引き取り、鳳城西駅行きの市バスに乗るため鳳凰城駅まで歩いて行く。哈爾濱行き列車は定刻通りに出発、車窓からは鳳凰山の山並みが少しくすんで見える。やれやれ、この旅もこれで終了、多少慌ただしい時もあったが大変充実した四日間だった。次の旅までは哈爾濱でゆっくり過ごし体を休めよう・・・。