1ヵ月間の中国西部(14)西寧 ❺


【12日目】西寧の5日目。この日は西寧駅21時50分発の青蔵鉄道で22時間かけて拉薩へ向かう。ただそれまで時間があるので、「東関清真大寺」「土楼観」「南禅寺」等を見学した。

東関清真大寺  現地の説明によると「1921年落成、1946年と1999年に拡張工事」とあるので、比較的新しい寺院と思ったが、百度百科の説明では「东关清真大寺,俗称骆驼寺 ,位于青海省西宁市城东区东关大街31号,占地面积21951平方米,始建于明洪武二十年(1380年),是中国伊斯兰教五大主麻清真寺之一」とあるので、600年以上の歴史があることが分かった。入口には見学者向けの注意事項が掲示され、礼拝時間や服装等に配慮が必要だ。

寺院周辺は回族の人たちが営む商店が軒を連ねている。食肉店では大きな塊が吊り下げられているのが印象的だ。最近は鮮度や衛生に関する意識が向上したのかガラスケースを利用している店もある。


土楼観  市街地の北側にそびえる北山に位置する。遠くからでは分からなかったが、近づくと崖の中腹に築かれた楼閣が確認できる。山西省の懸空寺に似ている〔参照:五泊六日の大同(上)2017.03〕。現地の説明によると「創建は西暦106年、佛・道・儒の三教合一的な場所」とある。ただ残念なことに現在は落石等の危険性により山腹エリアの見学は禁止されている。仕方がないので、下の楼閣から中腹の建物をマジマジと眺めた。


昼食の炮仗麺  ご当地麺の「炮仗」。前回は他の店で肉量が多い「老炒炮仗」を食べたが、今回は普通の炮仗(大)を注文。うん、普通においしい。なおスープはセルフサービス。食後に付近を散策、市内を流れる湟水を眺める。北には先ほど見学した土楼観が見える。


南禅寺・法幢寺  二つの寺院は市内の鳳凰山山麓に隣接している。百度百科によると南禅寺は「南禅寺,位于青海省西宁市凤凰山麓。追溯历史,北宋时(公元997~1065)年在凤凰山已建有寺院,明永乐八年(1410年)形成一定规模」とあり、千年の歴史がある。法幢寺は「法幢寺位于青海省西宁市南山公园南禅寺旁边,是青海省最大的汉传佛教比丘尼寺。法幢寺始建于1943年,原来位于西宁市城西区园树庄。2003年为给西塔(西宁-塔尔寺)高速公路建设让路,该寺从园树庄搬迁到这里,这里原是“南山文苑”旧址」とあり、創建は比較的新しい寺院だ。境内からは西寧の市街地が比較的きれいに眺められる。


阿爺烤大餅  この日の観光もほぼ終わり、ホテルに預けた荷物を取りに行く。途中、観光案内板に伝統食「阿爺烤大餅」の説明を読み気になった。そこで近くの支店に行き烤大餅(焼きパン)を注文した。表面にタレを付けて炭火で焼く。店内で少し食べると、カリカリ・フカフカでおいしかった。しかし実は食欲があまりなかったので残りはテイクアウト。
店を出ると路上では夜市の準備が始まり、多くの屋台がゴロゴロ移動している光景を目にする。自分は今晩、列車で西寧を離れるので夜市に来ることはできない。少し寂しさを感じる・・・。

夜、西寧駅へ移動。いよいよ青蔵鉄道に乗って拉薩へ向かう。西寧での滞在は短かったが充分に現地の歴史・文化・料理を楽しむことができた。できればまた西寧に来たいと思う・・・

1ヵ月間の中国西部(13)西寧 ❹


【11日目】西寧の4日目。この日は「青海湖」の観光。青海湖(約4,626㎢)は中国最大の湖。京都府の面積(約4,612㎢)に近く、琵琶湖(約669㎢)の約7倍と聞くと確かにその広大さが実感できる。さて今回は便利な団体ツアーに参加。団体といっても私を含めて8名ほど。車も小型バスだ。私は運良く助手席に座れたので視界も良く風景写真も撮りやすかった。そして訪れた場所は「二郎剣景区」、西寧市内から西へ車で約2時間。

この旅行の楽しみは、きれいな風景。青い湖だけでなく、パンフレット写真にもあるとおり黄色い菜の花畑と青い空・湖のコントラストが見られるのを期待している。ただ朝出発してからしばらく空が曇っていたので、途中の草原や菜の花畑の鮮やかさが半減。草原では羊やヤクが放牧されているのが頻繁に見え、旅の雰囲気を盛り上げる。その後、空が晴れたと思ったら、また曇ったり、突然スコールのような雨が降ったりと、この地域は天候が不安定なんだろうと感じた。やがて前方に青い湖面が現れると期待感がさらに高まる。


青海湖・二郎剣に到着  いよいよ青海湖と間近のご対面。ここでの自由時間は約3時間だが、自分は船に乗ったりする計画はなく、ただ湖岸をのんびり散策する。


青海湖の各種アトラクション  自分はただ湖岸のんびり歩き、時に適当な場所に座って絶景を眺めていた。また素足になり浅瀬で水や砂の感触を楽しんだりもした。水温は少しひんやりする程度。塩湖なので水を舐めるとほんのり塩分を感じる。多くの観光客は様々なアトラクションを楽しんでいた。ここでは狭い範囲だが私が見たものを紹介する。

撮影用設備  観光客がきれいな写真や動画を撮れるように湖岸には色々な工夫がされている。

動物との撮影  子羊、ヤク、馬が動員されている。子供たちがヤクの背中に乗っている姿を親が撮影する。現場にいたのはすべて白いヤク。おっとり穏やかな様子がとても印象的だ。馬の場合は浜辺で乗馬体験ができる。広々とした青い湖を背景にスラッとした馬の姿がなかなか絵になっている。

水上自転車・水上バイク  料金表を見ると、水上自転車は2名30分で60元。水上バイクは往復5kmで1名100元。見ていると両方ともそこそこの数の人が楽しんでいた。

ヤク肉ラーメン  食事も楽しめる。看板メニューはご当地ならではのヤクの肉を使った麺。値段は一杯18元。前日に入った西寧市内の店では普通の牛肉麺が8元だったので、それに比べると倍以上の値段。ただ観光地ということもあるので、旅行の記念に食べる人もいるのだろう。


青海湖との別れ  湖ではきれいな景色を眺めながら充分にのんびり過ごせた。集合後、バスで近くの昼食会場へ移動。食事後は海北藏族自治州にある達玉部落景区を見学。紙面の都合でその説明は省略する。ただそこに行く途中、緑の大草原の中に突然砂漠が現れて少し驚く。後で確認するとそこは「娄拉溝沙漠生態旅游景点」。そう言えば青海湖に向かう車内や湖岸からも遠くに緑の草原ではない薄茶色の一帯が見え少し気になっていたが、それは砂漠だったのだ。
さて観光も終了、また約2時間かけて市内に戻る。黄河路小游園近くで下車、30分ほど歩いてホテルへ戻る。無事に帰ることができてホッとする。


西寧最後の夜、いつもの串焼き屋さんへ酒の肴を買いに出かける。この日も夜市を見学してから店に向かう。今回は「手抓羊肉」を注文。これは茹でか蒸しで加熱処理済みの羊肉を、少し大き目の塊に切ってから串焼きにしたもの。普通の焼き串に比べ肉が大きいので食べ応えがある。う~ん、香ばしくジューシーでおいしい。もちろん白酒とも相性が抜群だ・・・😊

さてさて、翌日は青蔵鉄道に乗り22時間かけて拉薩へ向かう。ただ出発時間が21時50分なので、それまでは荷物をホテルに預け、市内の近場を観光する予定。それにしてもこの日に見た青海湖と菜の花畑はきれいだった。部屋の電灯を消し横になって目を閉じると、鮮やかな青と黄色の光景が目に浮かんでくる・・・。