1ヵ月間の中国西部(25)束河古鎮


【22日目】この日は「束河古鎮」で一泊する。あいにく曇時々雨という天候だが、雨霧でかすんで見える古い街の姿も情緒があってよい。11時頃に食事をとり、その後はバスで約1時間かけて束河へ向かう。

食事は宿から近いところにある適当な食堂に入った。麗江は「腊排骨」(豚スペアリブの燻製)が有名ということなので「腊排骨米線」(ライスヌードル)を注文。白濁したスープが熱々の土鍋の中でプクプ沸騰している。ヤケドに要注意だ。高熱のためか麺は少しふやけ気味。早く食べないと麺がどんどん膨張してくる感じだ。スープがかなり塩辛い。スペアリブから塩分が溶け出したのだろうか・・・。総じて言えば、あまりおいしくなかったが、まあ今回は麗江名物のスペアリブが体験できてよかった。

食後は宿に荷物を取りに行ってから束河古鎮行きのバス停に向かう。これで麗江古城ともお別れだ・・・。


束河古鎮に到着  まずは予約してある宿へ向かう。束河は麗江古城に比べると人も少なく落ち着いた雰囲気がある。古城の宿も良かったが、ここの宿も木を多く使った建物で暖かみがある。お茶を飲んで少し休憩してから観光に出かける。 


九鼎龍潭  水がとても澄んでいて、水中の植物や魚などもよく見える。何か神秘的な感じがする場所だ。


青龍橋  現地の説明によると、400年前の明・萬暦年間に木氏土司によって築かれた。麗江壩子(麗江平原)では最古で最大規模のアーチ型石橋とのこと。舗石の表面が摩耗でツルツルしていて歴史を感じる。石の色や形は様々で見ていて面白い。


その他、魅力的な古鎮の風景をゆっくり歩きながら楽しんだ。麗江古城に比べて緑地が多く、気分が落ち着く。水路を流れる水もとてもきれいだ。

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三眼井  ナシ族の人々が水を有効活用するための水場。上段は飲み水用、中段は野菜洗い用、下段は洗濯用。歩いていると集落内のいたるところで見かける。これを見ていると、高島市新旭の針江区に今でも残る生活用水設備「川端(かばた)」を思い出す。
【参考】高島市役所HP:針江生水の郷(平成の名水百選 新旭)

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緑ゆたかで水もきれいな古い街。日常の雑念やストレスを忘れ、心も洗われるようだ。束河古鎮はこのようにすてきな場所であった・・・。

1ヵ月間の中国西部(24)麗江古城 ❷


【21日目】前日は長距離移動でかなり疲れた。この日は古城内をのんびり散策する。計画した観光先は「木府」とその裏の「獅子山」にある「萬古楼」だけ。あとは適当に歩く。昼食には本場の「過橋米線」(Cross-Bridge Rice Noodles)を記念としてどこかの店で食べたいと思っている。

起きたら既に昼近く。前日の疲れがたまっていたのだ。部屋で茶を飲みながらゆっくりする。昼過ぎに外出、天気は良さそうだ。この日も民族衣装を着て記念撮影をしている女性が多くいた。宿から木府までは徒歩約15分。きれいな水が流れる水路が印象的である。


木府  現地の説明文によると、旧称「木氏土司府衛・麗江軍民総管府」。元代より雲南北西部を統治してきたナシ族の木氏の宮殿。その後の戦乱で主要建築物は破壊され、復元されたとある。確かに多くの建物はピカピカしていて古さが感じられない。ただ展示されている「トンパ法器」「ナシ族の武具」「明代麗江の木彫」などを見ると、古い独特な文化が感じられて面白い。


獅子山の萬古楼  下の説明文画像にあるとおり1997年の建立。新しいので建物自体に魅力は無いが、上層階からの眺望はすばらしい。麗江の四方の異なる景色は十分に楽しめる。


萬古山から下り、まだ通ったことのない道を中心にのんびり散歩を続ける。京都・清水寺周辺と少し似た感じの萬古山付近の坂道もよい雰囲気がある。ただ複数の飲食店から同時に聞こえてくるフォークギターで弾き語りする男たちの歌声が混じり合い、気分が悪くなる・・・。ピンク看板が目立つ土産屋さんでは陳列されているカラフルなパッケージ商品にも目が行く。様々な色の「鮮花餅」も面白い。改装中の飲食店は指定古建築があったので内部をのぞいてみた。立派な梁と柱に感心した。

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大石橋  説明文によると、明代の建立で、古城内で最大の石橋。長い年月、多くの人たちが往来し、舗石の表面は磨耗されツルツルしている。欄干の下からボーボーと生えている草は駆除しないのだろうか。あるいはグリーン装飾として管理れされているのかもしれない・・・。


過橋米線(Cross-Bridge Rice Noodles)
午後3時頃、歩いていると「黄氏麺館」の立派な看板が目に入り、この店で遅い昼食をとることにした。これまで本場の過橋米線を食べたことがなかったので気合を入れて店に入る。そして具材が一番少なくて安い「秀才」を注文。「状元」「進士」「挙人」などネーミングが面白い。過橋米線と言うと、本来は各種生具材を小皿に分けて配膳し、それを客が土鍋で加熱しながら食べるスタイルらしい。しかしこの店では客がすぐに食事できるよう便宜的に店が全て調理し完成した状態で提供するという。まぁ自分はどちらでも構わない。また勿論そのようなことは無いと信じているが、もしも店側が具材の鮮度や外観の悪さを隠蔽する理由でそうするのであれば悪徳店舗であり大きな問題だ。今回はツルツル麺と少し甘めのスープがとてもおいしく、具材も色々入っていて食事が楽しめた。ところで、この店の前にも水路に架かる小さい石橋があり、テーブルからも見えていた。まさに「過橋して食べる」米麺であったなぁ・・・。


晩酌タイム  古城の最後の夜。部屋ではビールのあと、麗江の地酒「青稞白酒」(42%)を飲む。酒の肴は、前日と同じ店でテイクアウトした串焼き肉(黒山羊肉 x3、ヤク牛肉 x3)。ノドに付着した脂分は烈性酒をゴクッと飲んで洗い流す。
さてさて旅も残り10日間ほど。多少疲労も蓄積している。慌てず焦らず、のんびりした旅を心がけよう・・・。