三泊四日の満洲里(下)


【3日目】9月16日のつづき。昼食後は北湖公園の散策。そして夜は烤羊排(羊スペアリブの炙り)で晩酌。

北湖公園  時刻は午後2時過ぎ。街中にあるしては広くて立派な湖だ。視界も広がり開放感がある。ここではただのんびり歩き、時にベンチに座って休む。園内には葉剣英の銅像があり、その下では市民数名がカラオケをしたり、犬と戯れたりしていて、とても平和的な雰囲気が漂っている。ただ少し暑いので、少ししたら公園を離れる。


ホテルに向かって歩く。前日の夜に歩いた時は街中がピカピカ電飾され派手であったが、それに比べて昼間は街全体が寝ているかのように元気がなく、白けた雰囲気が漂う。人出が少ないのもそう感じる一因である。ところで、自身がかつて勤務し、現在は生活用の口座を持つ馴染みの中国銀行。その看板にモンゴル文字が並記されてるのを見ると少し不思議な感じがする。その後、老舗ホテル「満洲里飯店」の前を通り過ぎる。百度百科によると、1904年にロシアの将軍が建てた「尼基金旅館」が始まりで、1993年に同じ場所に再建されたという。つまり建物は当時の物ではない。


夕食を買いに出かけるまでホテルの部屋で休息。ときおり窓から景色を眺める。遠くに丘陵地帯があり、多くの風力発電ブレードが見える。やがて日も暮れ、夜空に月が浮かぶ。夜9時、そろそろ烤羊排を買いに出かける。街はこの日も派手なライトアップでキラキラしている。買う店は事前にネットで調べておいた満洲里飯店の向かいにある「巴図魯蒙元餐庁」。


巴図魯蒙元餐庁  メニューを見てお目当ての烤羊排を注文する。しばらくして商品の入った袋を渡された。中の烤羊排を包んだアルミホイルに手を触れると、焼き上がって間もないので非常に熱い。精算を済ますと店を出る。ホテルに戻る途中、前回も利用した商店で酒を買う。


ホテルの部屋に戻ると、シャワーをサッと浴びて汗を流す。そしてようやくお楽しみの「おひとり晩餐会」。準備は整った。酒はフンボイルの「蒙森王」。烤羊排はまだ温かい。付属のスパイス2種を適当にふりかけ、さっそく1本かぶりつく。う~ん、香ばしい羊肉の旨味が口の中いっぱいに広がる。甘い脂身も多いスペアリブだ。だけど大丈夫。グラスに入れた焼酎・蒙森王42度をゴクリとひと口飲めば、喉もスッキリする。そして次の1本をかぶりつく。はぁ~、至福のひととき・・・。満洲里に来て本当に良かった・・・。


【4日目】9月17日。列車K2624に乗って哈爾濱に帰る。11:15発、23:12着の予定。来た時と同様、ハード寝台車の中段を利用。

10時過ぎ、ホテルを出て、馴染みの歩道橋を渡る。私が利用する駅舎の西側には国際列車専用待合室の建物があり、その前を通り過ぎる。


改札時刻となり、乗客は改札口を通ってホームへぞろぞろ移動、列車に乗り込む。ただ私の寝台車はガラガラ。おそらく多くはハイラル駅から乗り込んでくるのだろう。今まで寝台車でこういう状況になったことは記憶がない。ただ自分的には静かな車内のほうが落ち着ける。また始発なので洗面所もきれいで嬉しい。


発車後は通路側のイスに座って外の景色を眺める。そしてしばらくすると弁当販売のワゴンがゴロゴロと音をさせながらやって来た。これまではガヤガヤ混雑した列車内で弁当を食べてもおいしく感じないので購入したことはなかった。ただ今回車内はガラガラ。そして弁当の中身を覗くと悪くなさそうだったので、一つ購入した。値段は忘れたが、それほど高くなかったと記憶している。実際に食べてみると味は想像していた以上においしい。味の素(味精)たっぷり入れたのか? また車窓の風景を眺めながらゆっくり食事できたので大満足である。
さて、哈爾濱到着は深夜、翌日は出勤。そこで食後は静かな寝台でゴロリと横になり体力温存し、やがて眠りにつく・・・。


暗闇の中、列車は濱北線松花江公鉄両用橋を渡る。まもなく哈爾濱駅に到着。やれやれ、無事に旅行が終わりホッとする。駅を出ると徒歩で自宅に向かう。途中、ライトアップされたソフィア大聖堂の前を通る。ふぅ~、こんばんは、帰って来ました。
充実の満洲里旅行、ありがとうございました!😊!