12日間の海南島(3)文昌 ❶


【4日目】2月2日。文昌で2泊する。市街地内の主な観光スポットは孔子廟と文南老街、文昌市博物館くらいで少ない。ただ今はノンビリ旅行を心掛けているのでまったく気にならない。市街地から多少離れた場所には古鎮や美しい海岸などの観光スポットもあるようだが、無理して行こうとは考えていない。状況を見て、もし余裕があれば検討する。

朝はホテルの朝食をしっかり食べる。旅行中は野菜不足になりがち。プチトマトも忘れず皿にのせる。天候は曇りだが、前日のような濃い霧はでていない。そしてこの時に初めてホテルの窓から海が遠くに見えることが分かった。


午後1時、ホテルをチェックアウト、市バスで海口東駅へ向かう。窓からはベルタワーが見える。最後のご対面。今後の人生、ここに来ることは二度とないだろう。さようなら~!
海口東駅14:31発の列車C7325に乗り、文昌へ向かう。所要時間は約30分。途中、車窓からは広い範囲でヤシ林が見える。今まで旅行してきた多くの地域とはまったく異なる風景でとても印象的だ。ヤシが均等に整然と並んでいるところを見ると、人工的に植林したヤシ畑に違いない。ここで疑問が生じる。これら大量のヤシはその後どのように使われるのかということ。おそらく苗木は移植用に、果実は食品加工用に、葉や木材は雑貨や家具などの材料として販売されるのだろう。


文昌駅到着  駅前からバスに乗り予約してあるホテルへ向かう。駅周辺はあまり開発されておらず、観光する場所もないようだ。バスが市街地に入ると、ようやく街の独特な雰囲気が感じられるようになる。比較的小規模な街で、バスの窓から見る限り、周囲には農地や未開発の土地が多く残っている。それにも関わらず街中の建物は密集して余裕がなく、道路の幅も特別広くないので、ゴチャゴチャした街という印象だ。


ホテル「金谷園賓館」到着  安宿を選んだせいもあるが、客室内の設備は古くサビれている。メンテナンスも行き届いていないのか、室内2カ所の電球が切れていた。まぁ貧乏旅行をしているとよくあることだ。もちろんスタッフに言い、自分も手伝って他の部屋から電球を外して交換した。ピカッと光った時は少しうれしい・・・。


散策と食事 ホテルの部屋で少し休憩した後、散策に出かける。孔子廟の前に来たが、時刻は午後5時を過ぎている。廟内観光は翌日にする。では麺館で食事しよう。
文昌では「抱羅粉」という米粉(ライスヌードル)料理が名物。「抱羅」は地名の「抱羅県」が由来している。抱羅粉の特徴はトッピングの具材が多いこと。
今回はホテルから近い「周氏正宗抱羅粉店」という店で「牛肉粉湯」を注文。麺はツルツル・プリプリして歯ごたえよく、スープは甘めで旨味を感じる。店主が、お好みでテーブルに置いてある辛み調味料を入れてもよいという。ただ黄色い方(黄灯籠辣椒醤)は辛さが強いので入れすぎに注意とのこと。


食後は引き続き散策を続け、「文南老街」に至る。ここは海口の騎楼老街よりもかなり小規模であるが、雰囲気は良い。軽く見て回り、ホテルへ戻る。


ホテルへ戻る途中、スーパーで酒と夜食にする即席麺「醤拌麺・XO醤海鮮風味」を購入。ところで、スーパーの女性店主と話をしていて、自分が「私は現在、哈爾濱で暮らしています」と言うと、店主は「私は哈爾濱出身です」と言うので少し驚いた。ご主人は現地人だという。前々から極寒の冬期は哈爾濱を離れ海南島で生活し、夏期は哈爾濱に戻るという「渡り鳥老人」が多いことは知っていたが、完全に定住する人も一定数いるということだ。


【5日目】2月3日。文昌の2日目。孔子廟と文南老街、その他を観光する。天気は曇。オイオイ、海口に続き文昌でもスッキリしない天候が続くのか・・・。
ホテルを出て、文昌公園の池の前を通り、前日も利用した麺館「周氏正宗抱羅粉店」まで行って遅めの朝食を取る。


遅めの朝食  今回は「炒河粉」を注文。「河粉」(ライスヌードル)というと幅広麺を思い浮かべるが、ここでは写真のとおり日本のそうめんのような細い麺だ。皿いっぱいに盛られ、なかなか迫力がある。味はおいしく具もたっぷり入っていて食べ応えがある。スープも飲みながらゆっくり味わった。

さてさて、食後は気軽なノンビリ観光を始める。記事は次編へつづく・・・。