五泊六日の楡林・米脂・延安(2)


5月2日、楡林の2日目。この日の主な活動は、鎮北台、紅石峡の見学、そして散髪。ここで散髪について少し述べる。現在は哈爾濱で暮しているが、散髪は旅行先ですることが習慣化している。空いた時間に適当な店を探して髪を切ってもらうのだ。最近では2025年7月に福州でカットした。旅のちょっとした思い出にもなりオススメだ。ただ初めての店では残念な結果になり失望する場合もあるので、髪形に強いこだわりがある人はやめたほうがいいかもしれない・・・。

1日のスタート  朝は8時半頃起床、シャワーと簡単な食事をし、10時過ぎに出かける。まずは鎮北台。ホテル最寄りのバス停から市バスに乗って向かう。
ところで自分は城壁が無いか少ない街に暮らしているので、城壁が多く残る街に来ると当然とも言えるが「ウチとソトの分離感」を新鮮に感じ、またそれを楽しんでいる。昔、城外は盗賊などが出没する無法地帯で、巨大な城壁の存在は城内に住む人々の安心感につながっていたと考えられる。ただ現在は状況が大きく変化し、むしろソトの広々した空間で暮らすほうが何かと快適であろう。


鎮北台  最寄りのバス亭で降り、歩いて入場券売り場に向かう。ホテルからは合計40分ほどかかった。チケットを購入し敷地内に入ると、強固な要塞が目に飛び込んでくる。うん、なかなか立派だ・・・。ゆっくり歩を進め、哨楼へ向かう。
鎮北台の概説は百度百科から引用する。


途中、城塞に入る前に「旱柳(Dry Land Willow)」という立派な木があったので撮影する。説明によると、枝を何回切られても幹が残っていれば新たな枝がニョキニョキ出てくる生命力の強い木ということだ。


城壁の門を入ると、その奥にも次の門がある。日本の城郭を見学しても感じることだが、ここもかなり厳重な防御構造で、それだけ当時の敵対勢力との緊迫状況が想像できる。


哨楼  城塞のメイン・哨楼の下に来る。近くで見てもかなりの迫力だ。当時、このような建物を攻略するのはかなり困難であったろうと想像する。自分なら長期の兵糧攻めしか思い浮かばない・・・。そのようなことを考えながら階段を登る。フ~、少し息が切れたが、ようやく最上部に出る。そこからは四方の見晴らしが非常に良い。当時、鎮北台の存在が戦略的に重要であったということが納得できる。


鎮北台長城博物館  敷地内に小規模な博物館があるので見学する。付近で出土した物も展示されている。その中の一点、「瓷雷(磁器製の小型爆弾)」は実際にはどれほどの威力・効果があったのだろうか疑問に感じた。


博物館見学後は、敷地内の他のエリアを見学する。「紅山墩」という墩台(烽火台)があり、その近くの壁際に馬の石像がポツンと置かれている。うつむいたその表情はなかなか愛らしいが、寂しいようにも見える。
では、これで鎮北台の見学も終了。紅石峡へ行こう・・・。


紅石峡  鎮北台の南西に位置し、鎮北台・南門游客センターから紅石峡谷・南門まで徒歩約20分の距離。ここは榆溪河が流れる峡谷。二つの橋を利用して風景区内をぐるっと一周できる。崖には多くの石窟や石刻があり、間近で見るとかなりの迫力だ。石窟は内部通路で別の石窟につながっている場合もあり、迷路遊びをしているようで面白い。また当時、河の浅瀬では多くの子供たちが水遊びをしていた。紅石峡は自然と歴史の両方を楽しむことができるすばらしい風景区だ。概要は百度百科から引用する。


紅石峡の観光も終わり、市バスで市街に戻る。午後2時頃、前日に羊肉泡饃を食べた古城内の食堂で遅めの昼食をとる。今回は「炒餅絲」を注文。これは初めて食べる麺料理だ。この炒餅絲、麺がバサバサ乾燥していて、食べると喉が非常に乾く。卓上の香酢をかけて湿らすと少しは食べやすくなる。もらったお湯を飲みながら何とか完食。他店の炒餅絲も同様にバサバサしているのだろうか。もしそうであれば注文を遠慮したい。


食後は同じ古城内にある理髪店へ向かう。途中、北大街・南大街では揃いの衣装を着た人たちによるパレード、鐘楼では京劇俳優による公演が行われていた。ただ時間的な原因か、通りを歩く人の数はそれほど多くなく静かで、ドラや太鼓で賑やかなパレード集団とは対照的であった。前日行かなかった古城内のエリアを通り、約30分後に理髪店「太古里美髪不夜城」に到着。面白い名前だ。「洗髪・カット・ブロー」のコース(29.9元)を利用、サッパリして店を出る。後はホテルでのんびりするだけ。


ホテルの部屋に戻ると、シャワー浴びて汗を流し、服を手洗いしてから窓際に干す。後は酒を飲んでくつろぐだけ。西鳳酒の残りが少なかったので、ホテルに戻る途中で陝西省宝鶏産の焼酎「太白酒」を買っておいた。これで安心して夜を過ごせる。酒のツマミは「塔斯汀(TASITING)」の中華バーガー。これは昼食前にテイクアウトした。このバーガー・チェーン店、以前に職場の中国人から安くておいしいと紹介され、哈爾濱では数回食べた。特徴はバンズのモチモチ感。たまに食べたくなる味だ。写真の店は哈爾濱の「塔斯汀中国漢堡・道里索菲亜店」。
さてさて、翌日は朝8時前の列車に乗って米脂へ向かう。ある程度飲んだら夜更かしせず、体を気遣って早めに寝よう😴・・・