四泊五日の湯陰・安陽・邯鄲(6)最終回


6月9日、旅4日目の続き。郊外にある永年広府古城から市中心部にあるホテルに午後3時頃戻る。少し休憩してから外出、ホテル近くにある「邯鄲道歴史文化街区」を軽く散策する。

邯鄲道歴史文化街区  人民路から入って南へ真っすぐ進み城南街に出るルートを歩く。区内はきれいに整備され、路上にゴミなども少なく清潔感がある。古建築を見るのは楽しい。サッと見た限りでは民国期以降の建物が多いという印象だ。それでも現在の建物とは違った趣きや重厚感が魅力的だ。

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天主堂  建物に関する説明がないので不明だが、それほど歴史的価値のある建物ではなさそうだ。むしろ現在を生きる中国人キリスト教徒の礼拝所として貴重な空間なのであろう。 


城南街で煎猪血  南門から歴史文化街を出て城南街を東方向へ少し歩く。商店が軒を連ねるゴチャゴチャした泥臭い庶民ストリート。しばらくすると河北の伝統的な軽食「煎猪血」の店がある。店自体は小さいが赤地に白の看板が目立っているので分かりやすい。煎猪血を一皿注文して店内で食べる。食べる時は「蒜蓉塩水」という調味料と一味唐辛子をかけるのがご当地流とのこと。一見真っ黒で不気味だが、口に入れると味自体は淡泊でサクサク食感。今回初めて食べるが、まぁ旅の記念にはなる。概要は百度百科より引用する。


晩酌タイム  煎猪血を食べた後は、街の適当な食堂で晩ご飯をテイクアウトしてホテルへ戻る。この時は回鍋肉ご飯(12元)を注文。これは自身旅先でよく注文する定番メニュー。ただ回鍋肉といっても店によって味が大きく異なるので食べる瞬間まで謎が続き面白い。
ホテル到着は午後9時頃。シャワーを浴びてスッキリしたら晩酌タイム。酒は「独一村」という邯鄲の地元焼酎。確かホテル近くのコンビニで購入したという記憶であるが、初めて見る銘柄。味は良い。やれやれ、この一日も終わる。普段はストレスが原因か就寝後は奇妙な夢を見ることが多いが、せめて❝邯鄲❞では甘美な夢を見たいものだ・・・。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

6月10日、旅5日目。旅の最終日。午前は叢台公園を観光。午後は沙河市を経由し空港へ向かう。沙河では少し散策して昼食をとる。邢台褡褳空港から20:25の便で哈爾濱に戻る。

叢台公園  公園は広く緑も豊かでステキな市民の憩いの場。ただ私は時間も限られているので叢台だけを見学する。建物は円形と方形が組み合わさった何とも魅力的な外観。規模は以前に楡林で訪れた鎮北台ほど大規模ではないが存在感と独特な雰囲気が充分にある。邯鄲観光の目玉であることは確かであろう。


沙河で昼食  昼過ぎ、邯鄲バスターミナルから沙河駅近くへ移動。昼食がてら街を散策する。駅周辺は高層ビルなどはない。ただ古い集合住宅と店舗が雑然と存在し、庶民の生活臭あふれる泥臭いエリアという印象だ。しばらく歩き、「河南燴麺館」という食堂で昼食をとる。ただここは河北。河南に近いことから河南文化の影響が強いのだろう。店では「羊肉燴麺」を注文。評価は、麺・スープ・具材の全てが洗練されてお世辞なく美味しい。これが何千年続く庶民パワーの精髄だ・・・。


邢台褡褳空港から哈爾濱へ  沙河駅付近から路線バスで空港まで移動。午後3時半に空港に到着、ターミナルビルに入った。ところがなんと施設は閉鎖作業中、係員さんから外に出るように言われたのだ。この空港は発着便が少なく、暇な時は閉鎖するのだという。それは知らなかった・・・。確かに自分の乗る便の出発時刻は20:25、5時間も余裕はある。ただ見知らぬ土地で道に迷ったりして慌てるのは嫌だったので早めに来たのだ。
ターミナルビル周辺は駐車場と広大な草地以外何もなく、しかも暑い。さてさて、どうしたものかと困っていると、係員さんが他の職員と相談し、その結果私はチェックイン開始時刻までの数時間を空港会社の職員施設で休憩できることになった。施設までは職員さんたちと一緒に歩いて移動し、私は当時空室であった副社長室で一人休憩した。今までこのように親切にされた経験がなかったので少し驚いた。同時に中国人の臨機応変で他者に寛容な対応には真に感動した。さて室内は若干暑かったので、エアコンの温度を20℃まで下げると室内は急速に冷却され、火照った体も爽快クールダウン。いやぁ~快適快適・・・。そして大型ソファーに横たわりながら思った。日本では部外者が空港会社の副社長室で休憩するなど考えられないことだなぁ~と・・・。
現在、日中間でガヤガヤと摩擦が生じているが、一般庶民は比較的冷静だ。この先何十年、何百年の友好関係を考えると、やはり民間レベルの地道な草の根交流は絶やさず、小さなことでもよいので続けていくべきであろう。
飛行機は定刻どおり離陸、無事哈爾濱に到着。ありがとうございました~😊/

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