びっくり!中華風味の富士山

4月下旬、小雨が降るどんよりした曇日。気温は高くないので不快感はあまりない。京都駅から歩いて京都国立博物館へ向かう。目的は池大雅の展覧会である。以前も京都文化博物館の池大雅展へ行ったことがあり、久々にご対面の作品もある。

チケットを見せて敷地に入り、少し歩くと左手にロダンの「考える人」がある。妙な好奇心がムクムク沸き起こり、像をモデルに見立て、様々な角度から何枚も写真をパチパチ撮った。どの位置から撮影しても見栄えがし、さすが立派な彫像作品であると感じた。

池大雅 倣董太史富岳図
(京都国立博物館「特別展-池大雅」図録より)
董其昌 林和靖詩意図
倪瓒 容膝斎図

いよいよ館内に入り鑑賞を始めた。色々感じるところはあったが、特に印象的だったのは「倣董太史富岳図」である。彼は中国絵画から強い影響を受けた結果、倪瓉(元代)とその影響を受けた董其昌(明代)風の景色に、日本の象徴である富士山がペタッと貼り付けたのである。いわば「中華風味の富士山図」で、個人的には何か違和感があり、不気味に感じた。まぁ当時のパロディ画と考えれば面白いとも言える。

ところで董其昌といえば、今私が滞在している「松江」は彼の出身地だ。実際に旧市街を散策していると、彼に関する文物を時折見かける。先日訪れた「酔白池」の地では、当時彼は幾つか建物を建てたという。そして現在、園内には彼の石像が設置されている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です