中国には模造品や模倣店舗が多く存在し、中国はいわば「ニセモノ天国」である。 模倣の程度は、外観が本物そっくりな物から、よく見れば違いが分かる物まで様々である。 例えば、聞いた話であるが、インスタントラーメンで有名な会社「康师傅」のニセモノ「康帅傅」、 「SONY」のニセモノ「S0NY」の製品が存在しているという。 ソニーの例は、ローマ字の「O」(オー)が数字の「0」(ゼロ)になっているという巧妙な手口である。 その他、ニュースでは、ニセの米や卵、薬、酒、フカひれなどの被害が報道されたこともある。 今回は僕の身近で起きた4例を紹介する。
事例1: 青島ビール 今年の夏のある暑い夜、急にビールが飲みたくなった。 しかし冷蔵庫にはビールが1本も残っていなかった。 そこで近くの怪しげなスーパーへ行き、青島ビールを2缶買った。 正確に言うと、「買ったつもり」であった。 そして部屋に戻ってよく見ると、それは全くの別物、「チャオシュアン(超爽?)- ビール」であった。 味はよく覚えていないが、青島ビールとは異なり、まずかったという記憶がある。 模倣デザインのビールに騙されたのは、実はこれが初めでではなく、4回目である。 以前、「ブルーリボン(藍帯)」ブランドのおいしいビールを買ったつもりが、 よく見たら「激情ビール」という名の意味不明ビールだったこともあった。
事例2: 酒鬼ピーナッツ僕は酒のつまみにピーナッツを食べることが多い。中国ではどこの店でも味付きピーナッツ「酒鬼花生」が売っていて、いつもそれを買う。ところがある時、同じ商品だと思い込んでいた物が、実は全く異なる会社の製品であることに気が付いたのだ。包装は実にそっくりであるが、よく見ると社名が違う。どちらが元祖で、どちらが模倣者かは不明である。ちなみに味の違いは識別できなかった。
事例3: スターバックス最近、勤務先の学校正門前にマンションができた。その1階部分では様々な店舗が営業を開始した。見るとスターバックスができていたので、「今後は時々おいしいコーヒーを飲みにこよう」と喜んだのであった。しかし次の瞬間、その希望は一瞬にして崩壊した。よく見ると、その店の名は「スターブック」であったのだ。さらにその近くには、マクドナルドやワトソンズのデザインを真似た店まであるではないか。その地区は、どうやらテナント募集中の物件群で、模倣デザイン看板をベタベタつけたものらしい。
事例4: ミッキーマウス 夜7時過ぎ、町の中心にある大きな広場で、子供たちの喜び戯れる姿が見えた。 何かと思って近づくと、暗闇のなかでミッキーマウスとミニーが通行人に愛嬌を振りまいているではないか。 しかし何かが違うのだ。 僕はディズニーランドへは一度も行ったことはないが、その2体の気ぐるみがニセモノであることはすぐに気がついた。 その姿は本物に比べて何か貧相で、表情には何か狡猾さや悪意さえ感じられる。 ただ子供たちは無邪気に楽しんでいて、それがかえって印象的であった。 子供は無邪気であるが故に、真贋はどうでもよいのだろう・・・。
■追加記事 偽物、模倣物などにかんして、その後に報道された記事の見出しを記す。 ≪辽宁工厂以鸭肉边角料生产有毒牛羊肉卷≫ 2013年02月04日 来源:新京报
■日本での問題 問題は中国だけでなく、日本でも食品偽装などの問題が存在している。 ≪ 安い酒に「大吟醸」ラベル…社長「味大差ない」≫ 読売新聞 2013年2月26日