二日目、この日は主に「内灘海岸」、「近江町市場」、「浅野川大橋付近の茶屋街」を観光する。海岸と言っても海水浴はせず、ただ浜辺に座って海を眺めながら酒を飲む「浜飲み(はまのみ)」が目的だ。機会があると「園林飲み」や「流水飲み」を行うのが趣味だが、考えたら以前に「浜飲み」をした記憶がない。もしかすると今回が人生初めての「浜飲み」かも知らない。ちなみに前回の流水飲みは中国黒龍江省・黒河市で、黒龍江の流れと対岸のロシアの街・ブラゴベシチェンスクを眺めながらビールを飲んだ。
内灘海岸 朝はホテルでしっかりと食事をとる。金沢でも猛暑日が続いており、暑さに負けないようデザートのミニカレーも忘れずに食べる。食事後は部屋に戻り準備をしてから出かける。JR金沢駅の地下に隣接する北陸鉄道・浅野川線の「北鉄金沢駅」から乗り「内灘駅」で下車。所要時間は約20分。内灘駅から海岸まではバスもあるが、本数が少ないので徒歩で向かう。途中「鉄板道路」の表示が見えた。何かと思い近くにあった説明を読んだ。朝鮮戦争当時、米軍が戦車や砲弾を運ぶトラックの運送のために道路に鉄板を敷設したとのこと。この日は行かなかったが海岸には米軍試射場跡もあるという。
内灘海岸に到着。砂浜は想像以上に広く、サラサラして不安定な砂の上を歩いて波打ち際まで行くのに苦労した。後でネットで調べると、この砂浜は日本三大砂丘の一つ「内灘砂丘」にもつながっているというから広いのもなるほど納得だ。海水浴客は多かったと思うが、砂浜が広大なので皆それぞれが散らばって広く距離をとりながら寝そべったり遊んだりしていた。この日は風もあり波も高いので豪快に遊ぶには適していたが、反面溺れないように注意が必要だという気もした。
裸足になり波打ち際で波が足に当たる感触をしばらく楽しんだ。その後砂浜に座りカバンからおもむろにカップ酒「加賀鳶 極寒純米 辛口200mL」を取り出し「浜飲み」を始める。打ち寄せる波はそのたびに姿を変えるので、ずっと見ていても飽きることがない。ときおり海鳥が目の前の空を通り過ぎていくのもいい感じだ。ただこの日は猛暑、カップ酒がぬる燗になる前に飲み干し砂浜を離れる。やはり浜飲みは春や秋にしたほうがいいとつくづく実感する。
近江町市場で昼食 海岸から一度ホテルに戻り少し休息。その後「近江町市場」へ向かう。市場内をしばらく見て回ってから「市場寿し」というお店に入った。先ずは地酒「地福正宗 純米辛口 生詰 180mL」の冷酒を注文。飲みながら壁に掲示されている「本日のおすすめ」メニューを眺める。そして刺身は甘海老、生トロサバ、あかいか、さざえ、フグの五種を選び、寿司は生のど黒、炙りのど黒、白エビ軍艦巻きを注文。特に生のノドグロを食べたのは人生初めてで、金沢での良い記念になった。
浅野川大橋付近の茶屋街 浅野川大橋の西には「主計(かずえ)町茶屋街」、東には「ひがし茶屋街」がある。先に訪れたのは主計町茶屋街。ちょうど日が暮れ初め、家々の明かりも点々と灯り、近くにある浅野川大橋と中の橋のライトアップも始まった。今回は食事や美術館見学等はせず、ただ辺りを散策した。どちらの茶屋街も昔から続いてきたであろう独特な風情がそこかしこで感じられた。ひがし茶屋街を見終えた頃には日は完全に落ち、大通り以外の路地は暗く人通りもまばらで、初めて訪れた場所ということもあり少し心細く感じた。
さて翌日は金沢を離れ、途中で福井駅周辺を少し観光し、それから高島へ帰る。金沢は短い滞在だったが色々楽しむことができた。次は別の季節に訪れ、また違った街の姿に出会えたらと思っている。