新生活:魯迅公園での休日(2016.05)

上海出張は3回目であるが、今回、休日の過ごし方が少し変化した。それは大学近くの「魯迅公園」に行くようになったということだ。前回までは、特に理由はなかったが、一度も行かなかった。25年ほど前に一度行ったことがあり、今回は久しぶりに魯迅さんと対面した。

休みの朝はのんびりで、10時頃公園へ向かう。北門から入り、しばらく行くと「瑩珠閣」という食堂がある。いつもそこで遅めの朝食をとる。ワンタンや小籠包などが安くて味もまあまあいい。時には外で景色を見ながら用意したものを食べることもある。室内と違い、やはり気分がいい。

公園で人びとはダンスや器具を使った運動、将棋や楽器演奏、あるいはただ昼寝をするなど、様々なことをして時間を過ごしている。自分も年をとり疲れを感じやすくなったが、緑が多いこの場所に来ると、心がとても落ち着く。ある日は人だかりに遭遇し、最初は何が起こったのかと不安になったが、よく見るとそれは父母による子供の婚活であった。子供のプロフィールを紙に書いて貼り出し、それを多くの親が見ているのだ。話には聞いていたが、それを目の当たりにすると、上海人民のパワーを直に感じる。

その後は南門から出て、近くのバス停から18路に乗って人民公園まで行く。始発なので確実に座れてとても楽である。人民公園からは歩いて上海博物館まで行く。

上海博物館前の公園。休日はこのべンチに座って、ビールを飲む・・・

上海生活:雨のち晴れ(2015.05)

異国での仕事や生活は、意識、無意識を問わず、肉体的、精神的なストレスが生じるものである。到着後の四、五日はまだまだ元気であった。それが突然体調が悪化し、頭や腹、関節が痛み、食欲もなくなったのである。原因は不明であるが、おそらく最初は気を張っていたが、慣れた頃に気が弛み、潜んでいた疲労とストレスが襲来したのかもしれない。ただ白酒をグビグビ飲んだことにも多少の原因はあるかも知れない。結局今回も薬や力保健(リポビタン)のお世話になった。やがて体調も回復し、休みの日は外出する。休日の過ごし方は前回とほぼ同様である。上海博物館でお宝を拝見し、福州路の書店や南京路の朶雲軒で買い物し、豫園で小籠包を食べ、外灘辺りをぶらつく。

上海博物館へは昔から何回も行っているが、見飽きるということはない。ただ全館をくまなく回ると足が痛くなるので、最近は3階の絵画館、書法館、印章館だけ行く。多少の展示替えもしているようで、いつでも楽しく鑑賞できる。同じ作品であっても、見る時期によって感じ方が変化することもある。そこで、今回は気になった作品を紹介しよう。書では祝允明「草書牡丹賦」と黄道周「草書五律詩」。どちらも力強さがあり、「牡丹」は大胆さ、「五律詩」は気骨を感じる。画では倪瓚「渓山図」と南宋「歌楽図」。「渓山」は孤高の精神を、「歌楽」は宮中の華やかさを感じる。特に宮女の衣は鮮やかである。

実は先日に歴史ドラマ「尽忠岳飛」(全69回)を見終わったところで、官服や軍服の色も鮮やさが印象的であった。ただ、悲しい結末に何とも切ない気持ちになった。そして何度か杭州の岳廟を訪れたことも思い出した。