五泊六日の香港・澳門・珠海(4)2024.01.26


【四日目】澳門の二日目、この日は朝から精力的に世界歴史遺産巡りに出かける。数は多いが比較的狭いエリア内に集中しているので、大半は徒歩での移動となった。最後の目的地「ギア砲台跡」の見学後、夜まで時間があったので広東省・珠海に行ってみた。珠海滞在は3時間、駅前の釜飯屋さんで食事し周辺を散策してから澳門へ戻った。短時間内に入境し出境するという珍しい体験をしたが、現地の越境労働している多くの人達にとっては出入境も地下鉄のようにスルッと通過するだけの認識なのだろう。
ところで最近は仕事が忙しくなり、また清明節・労働節・端午節・夏季休暇と次々に旅行の計画・準備をしているので記事編集がなかなか進まない。そのうえ今後掲載予定の記事もかなり蓄積してきてた。そこで今回、各観光スポットの概要は現地案内板の画像に任せ、自身の簡単な感想だけを記すことにした。

朝食の焼きそば  宿を出て先ずは徒歩で半島南の「媽閣廟」に向かう。途中、コンビニ「セブンイレブン」で澳門の交通カード「Macau Pass」を購入、いくらかチャージした。その近くに食堂があったので朝食をとった。壁面のメニューを見ると種類が多い。ここはまぁ無難に「肉絲炒麺」(豚肉焼きそば)+「追加野菜」を注文。味は良い。野菜もおいしく追加して正解だった。量は年を取り胃袋も小さくなっているので充分。支払い時、このような小さい食堂でもマカオ・パスが使えるのがうれしい。その後近くの港をチラッと見学、対岸は珠海だ。


【世界遺産】媽閣廟  大きな岩がゴロゴロいくつも存在し、何かパワーを感じる神秘的な場所だ。熱心な参拝者も多く訪れ焼香していた。ここからも対岸・珠海の山並みや高層ビル群がよく見える。自身にとってはこの日の観光スタート地点、この先多くの訪問地が予定されているのでササッと見て終わった。


【世界遺産】鄭家屋敷  媽閣廟の後は半島を北に向かって進む。先ずは近くの「港務局大楼(世界遺産)」に寄り、建物外観をサラッと見学、そして鄭家屋敷に移動する。ここは部屋数も多い大きな建物で、現地の伝統的な建築様式を興味深く拝見した。


【世界遺産】リラウ広場  鄭家屋敷の道を挟んで向かいにある公園。ボダイジュモドキ(假菩提樹)の大木が枝を広げている。訪れた時は人は少なかったが、夏の蒸し暑い季節には大木の存在意義が大いに発揮され、人々の憩いの場所となるのであろう。


【世界遺産】聖ローレンス教会  鄭家屋敷から徒歩5分ほど。自身はキリスト教徒ではないので、普段は教会の中に入ることは滅多にない。今回は建物外観や内部をじっくり眺めて何か新鮮な感じがした。そう言えば今住んでいる哈爾濵には観光客に大人気の聖ソフィア大聖堂があるが、いつも通りすがりに外から眺めるだけで、まだ一回も中に入っていないことを思い出した・・・。


【世界遺産】聖アントニオ教会  ここに来る前に、それぞれ世界遺産の「ドン・ペドロ5世劇場」、「聖オーガスティン教会」、「聖オーガスティン広場」、「民政総署」等を見学したのだが、それらの記事は省略する。民政総署を出て付近からバスに乗り聖アントニオ教会に移動。今まで見てきた教会と同様、敷地内はゴミ一つなく清潔に管理されていて心が落ち着き安らかになる。


【世界遺産】ギア要塞  聖アントニオ教会付近からバスに乗りギア要塞近くで降りる。この砲台は澳門半島で最も高い位置にある。そのためバス停から要塞まで長い登り坂が続き息が切れる。やはり冬に訪れたのは正解だった。もしこれが蒸し暑い季節だったら寿命が短くなるところであった。そう言えば去年は連日猛暑の金沢市をフーフー言いながら歩いたことを思い出した。年齢を考えると無理は禁物だ・・・。さて要塞とあるが、敷地内には教会や中国沿岸では歴史上初という灯台もある。この日は曇で眼下の街はくすんでみえたが、天気の良い日は最高の景色が楽しめることだろう。


3時間の珠海  ギア要塞を見終えたのが2時過ぎ、その後は予定もなかったので珠海に行くことにした。バス停で出入境施設まで移動、人の流れについて行く。外国人用の出境手続きの列にしばらく並び、ようやく係員にパスポートを提示、訪問理由などを述べてから珠海側へ出る。越境労働をしている多くの人達は地下鉄駅のように次々と自動機に身分証をスキャンさせて簡単にゲートを通り抜けている。その時見ただけでもかなり多数の人が移動していた。
珠海では駅周辺を少し散策し、お腹も空いたので適当に見つけた釜飯屋さんに入る。

釜飯屋さんでは「黄鱔腊肉双拼煲仔飯」(タウナギと燻製肉の釜飯)を注文、ビールはなかったので近くのコンビニで買ってきた。香港で初めて食べた時、他の具材の釜飯も食べてみたいと思っていたので丁度よかった。また値段も香港よりずっと安い。時間の関係か店内は空いていたので、「海珠ビール」(注:「珠海」ではなく「海珠」)を飲みながら落ち着いてゆっくり食事できた。

食事後は辺りを少し散策し、暗くなる前に澳門へ戻ることにした。途中駅前広場を通ると、鄧小平が珠海を訪れた時に揮毫した「珠海経済特区好」(1984年1月29日)が金色に大きく拡大されて示されているのが見えた。何と自分が珠海を訪れたこの日も1月29日、ちょっとした偶然に少し驚く。小平さんの訪問から40年が過ぎたということだ。もし小平さんが現在の中国の状況を見たらどう思うのであろうか・・・。

珠海から澳門に戻り、宿に着く頃には完全に暗くなっていた。「セナド広場(世界遺産)」を通り抜け北奥にある「聖ドミニコ教会(世界遺産)」まで来ると、その黄色い外壁がライトアップで暗闇にピカッと浮かび上がって見えて、なかなかきれいだ。
さてさて、この日は半島の南から北へ慌ただしく移動して少々疲れた。翌日は香港へ戻る。部屋では残りのポルトガル・ワインを飲みながらゆっくりしよう。

五泊六日の香港・澳門・珠海(3)2024.01.26


【三日目】香港➔澳門  この日は澳門へ移動し二泊する。午前、宿のある尖沙咀から地下鉄で香港島まで移動、港からジェットフェリーで澳門へ向かう。チケット購入後、出発まで時間があったので、現地で有名なロースト肉専門店「太興(タイヒン)」で食事する。この店は香港でチェーン店を多数展開していとのこと。写真付きのランチメニューを見ると全ておいしそうなので選ぶのに困ったが、今回は「焼鵝飯」(ガチョウのローストご飯)を注文。運ばれてきたローストに甘めのソースをかけて食べると、うーん、確かにおいしい~! 次回機会があれば太興でまた別の料理を食べたいと思った。食後は香港出境手続きを済まし、フェリーに乗り澳門へ向かう・・・。


澳門到着  マカオと言われる場所は、大陸に接続する「マカオ半島」とその南の「タイパ島・コロアン島」からなる。タイパとコロアンの間は埋め立てられ現在は一つの島になっている。今回はマカオ半島だけを観光した。
マカオ半島の港に到着後、港湾設内で澳門の通貨「パタカ」に両替、そして無料のホテルバスで市中心部まで移動。その後、自身の予約してある安宿へ徒歩で向かう。道中、大型カジノホテルの前をいくつか通り過ぎ、やがて著名な観光スポット「セドナ広場」に至る。周囲を古い西洋建築に囲まれ独特な雰囲気が漂っている。


嘉明別墅(PENSÃO CARMEN)に到着  セドナ広場から狭い路地に入り、しばらく歩いてようやく二泊お世話になる宿「カルメン(嘉明)」にたどり着く。貧乏人の旅行、澳門でも安宿を選んだ。建物外観は怪しげだ。階段で二階に上がり狭いフロントでチェックイン。案内された部屋は小ぎれいで、香港・尖沙咀の部屋より広く窓もあるのでまぁ快適に過ごせそうだ。ただ窓からの眺望はう~ん、生活臭漂う建物と路地が見えるだけだ。宿泊料をケチるとこういう結果になるが、まぁこれも異文化体験、何でも楽しむ精神が大切である・・・。少し休んでから外出、有名な聖ポール大聖堂跡へ向かう。


聖ポール天主堂跡  「セント・ポール教会跡」とも表現される遺跡、17世紀初めに建立、1835年の火災で焼け落ちて正面の壁だけが残っている。澳門と言えばこの壁が必ず紹介される代表的な観光スポットだ。その近くにはポルトガル人が作った古い城壁も存在している。聖堂の壁は様々な装飾が目を引き、その由来や思想は不明だが聖者や悪魔、人骨などのモチーフを見ていると色々想像できて面白い。その場所は高台にあるのでマカオ到着後に通り過ぎたカジノホテル「グランド・リスボア・マカオ」の大きく派手な建物が見える。


澳門の夜を散策  天主堂跡の見学後、そのまま街を散策、気が付けば日も暮れていた。途中スーパーでは宿に帰って飲むビールやワインを購入。その後も歩いていると香港では見ることができなかった派手なネオン看板群が突如眼前に現れ感動した。当時のネイザンロードもこのように華やかであったのだろうと想像する。それに負けずカジノホテルの電飾も実に派手である。やがてセドナ広場まで来ると、そのエリアも全面的に綺麗にライトアップされていて、昼間とは違う姿を楽しむことができた。


康公夜市  宿の付近まで来ると、何やら通りの奥の方でキラキラ明るい雰囲気を感じた。気になったのでその方向へ向かってみた。すると人々でにぎわう夜市が存在していたのだ。道路沿いの店舗や屋台が様々な食べ物を販売している。この夜市の存在に関しては事前に把握していなかったので偶然の出会いである。まぁそれが旅の楽しみとも言えよう。歩を進めると広場では人々が集まり子供たちによる舞踊などの発表会を鑑賞していた。この広場の横には「康公廟(康真君廟)」がある。その後ネットで調べると北宋の英雄軍人「康保裔」を祀る廟ということが分かった。康保裔については百度百科から引用する。さて、その後自分はロースト肉専門店「石記焼味」で「鴨焼+叉焼ご飯」をテイクアウトして部屋に戻った。


部屋で晩酌  スーパーで買ったビールとワイン、それにテイクアウトした鴨焼+叉焼ご飯を晩餐とする。昼間に太記で食べたガチョウ・ローストご飯もよかったが、石記の肉も大変おいしい。元々この晩はマカオ料理でも食べようと考えていたが、まぁおいしいければ庶民の現地料理も悪くないだろう。ところで、この時の赤ラベルの青島ビールは自身は初めて飲んだもので、アルコール度数8.9%のストロング。こんな青島ビールもあったのかと面白く感じた。ワインはポルトガル産、やはり澳門の夜はポルトガルの赤ワインがピッタリであろう・・・。

さてさて、ストロング・チンタオにポルトガル赤ワイン、そして美味な鴨焼+叉焼ご飯。もう何も言うことはない。澳門の夜、気分は最高潮に達する。うーん、旅はいいものだな・・・。異国のエキゾチックな雰囲気を楽しみつつ、夜は更けてゆくのである・・・。