1ヵ月間の中国西部(13)西寧 ❹


【11日目】西寧の4日目。この日は「青海湖」の観光。青海湖(約4,626㎢)は中国最大の湖。京都府の面積(約4,612㎢)に近く、琵琶湖(約669㎢)の約7倍と聞くと確かにその広大さが実感できる。さて今回は便利な団体ツアーに参加。団体といっても私を含めて8名ほど。車も小型バスだ。私は運良く助手席に座れたので視界も良く風景写真も撮りやすかった。そして訪れた場所は「二郎剣景区」、西寧市内から西へ車で約2時間。

この旅行の楽しみは、きれいな風景。青い湖だけでなく、パンフレット写真にもあるとおり黄色い菜の花畑と青い空・湖のコントラストが見られるのを期待している。ただ朝出発してからしばらく空が曇っていたので、途中の草原や菜の花畑の鮮やかさが半減。草原では羊やヤクが放牧されているのが頻繁に見え、旅の雰囲気を盛り上げる。その後、空が晴れたと思ったら、また曇ったり、突然スコールのような雨が降ったりと、この地域は天候が不安定なんだろうと感じた。やがて前方に青い湖面が現れると期待感がさらに高まる。


青海湖・二郎剣に到着  いよいよ青海湖と間近のご対面。ここでの自由時間は約3時間だが、自分は船に乗ったりする計画はなく、ただ湖岸をのんびり散策する。


青海湖の各種アトラクション  自分はただ湖岸のんびり歩き、時に適当な場所に座って絶景を眺めていた。また素足になり浅瀬で水や砂の感触を楽しんだりもした。水温は少しひんやりする程度。塩湖なので水を舐めるとほんのり塩分を感じる。多くの観光客は様々なアトラクションを楽しんでいた。ここでは狭い範囲だが私が見たものを紹介する。

撮影用設備  観光客がきれいな写真や動画を撮れるように湖岸には色々な工夫がされている。

動物との撮影  子羊、ヤク、馬が動員されている。子供たちがヤクの背中に乗っている姿を親が撮影する。現場にいたのはすべて白いヤク。おっとり穏やかな様子がとても印象的だ。馬の場合は浜辺で乗馬体験ができる。広々とした青い湖を背景にスラッとした馬の姿がなかなか絵になっている。

水上自転車・水上バイク  料金表を見ると、水上自転車は2名30分で60元。水上バイクは往復5kmで1名100元。見ていると両方ともそこそこの数の人が楽しんでいた。

ヤク肉ラーメン  食事も楽しめる。看板メニューはご当地ならではのヤクの肉を使った麺。値段は一杯18元。前日に入った西寧市内の店では普通の牛肉麺が8元だったので、それに比べると倍以上の値段。ただ観光地ということもあるので、旅行の記念に食べる人もいるのだろう。


青海湖との別れ  湖ではきれいな景色を眺めながら充分にのんびり過ごせた。集合後、バスで近くの昼食会場へ移動。食事後は海北藏族自治州にある達玉部落景区を見学。紙面の都合でその説明は省略する。ただそこに行く途中、緑の大草原の中に突然砂漠が現れて少し驚く。後で確認するとそこは「娄拉溝沙漠生態旅游景点」。そう言えば青海湖に向かう車内や湖岸からも遠くに緑の草原ではない薄茶色の一帯が見え少し気になっていたが、それは砂漠だったのだ。
さて観光も終了、また約2時間かけて市内に戻る。黄河路小游園近くで下車、30分ほど歩いてホテルへ戻る。無事に帰ることができてホッとする。


西寧最後の夜、いつもの串焼き屋さんへ酒の肴を買いに出かける。この日も夜市を見学してから店に向かう。今回は「手抓羊肉」を注文。これは茹でか蒸しで加熱処理済みの羊肉を、少し大き目の塊に切ってから串焼きにしたもの。普通の焼き串に比べ肉が大きいので食べ応えがある。う~ん、香ばしくジューシーでおいしい。もちろん白酒とも相性が抜群だ・・・😊

さてさて、翌日は青蔵鉄道に乗り22時間かけて拉薩へ向かう。ただ出発時間が21時50分なので、それまでは荷物をホテルに預け、市内の近場を観光する予定。それにしてもこの日に見た青海湖と菜の花畑はきれいだった。部屋の電灯を消し横になって目を閉じると、鮮やかな青と黄色の光景が目に浮かんでくる・・・。

1ヵ月間の中国西部(12)西寧 ❸


【10日目】西寧の3日目。この日の主な活動は「タール寺(塔爾寺)」の見学。寺は市中心部(城中区)の南西・湟中区にあり、西寧駅からはバスで約1時間。気分的にのんびりと余裕のある旅がしたいので、他に予定は入れなかった。先ずはホテル近くのバス停から駅へ行き、タール寺行きの直通バスに乗り換える。バスの窓から外を眺めていると、中国の特に地方の町や農村部で大活躍している電動三輪車(蹦蹦車、バンバン車)が颯爽と走る姿が何度も見え、何気なく撮影した。今暮らしている哈爾濱でも宅配業者の多くが三輪車を使っている。そう言えば日本で三輪車は何故かあまり利用されていないなと感じた。タール寺までの車窓風景はほとんど山や農地、時に小規模集落や近年開発されのか高層マンション群も確認できる。


タール寺最寄りのバス停到着  ここから寺の入口までは徒歩約15分。途中の路沿いは多くが土産屋さんや仏具屋さん、チベット族衣装の写真屋さん。近年、中国各地の観光地では若い女性を中心に民族衣装を着て記念撮影をすることが流行っている。哈爾濱の聖ソフィア大聖堂でも白い羽の付いたドレスを着て撮影している姿をよく見かける。ここチベット族の衣装は色彩が鮮やか、デザインもエキゾチックで魅力的だ。


タール寺(塔爾寺) 現地の説明文によると、創建は1379年。ここはチベット仏教ゲルク派(黄帽派)の開祖・ツォンカパ(宗喀吧、1357~1419)誕生の地。タール寺はゲルク派の六大寺院の一つだという。自身はチベット仏教については無知なので、どれほど重要な場所なのかというのは分からないが、失礼の無いように敬意を持って境内を見学する。多くの建築物があるが、中山門を入ってすぐに見える「如来八塔」と、比較的古い建築物の画像を紹介する。

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タール寺の見学終了。西寧市街地に戻るバスに乗る前、途中で見つけた饃饃鋪(パン屋さん)のパンが大変おいしそうだったので、大きめのを一つ購入した。焼きたてなのかフカフカして温かく、包装袋に湯気が付いた。夜食にしよう・・・。


西寧市街地に戻る。この後は特に予定もないので、のんびりと街中を散策する。お腹も空いたので、適当に良さそうな麺館に入る。メニューには「炮仗麺」と「老炒炮仗」があるが、店員さんにその違いを聞いた。値段の高い老炒炮仗の方は肉の量が多いとのこと。自身は老炒炮仗を注文。うん、なかなかおいしい・・・。


食後はホテルに帰る。途中、スーパーで焼酎「老村長」を購入。部屋で焼酎のフタを開けると、ボトルの口に何か紙の塊が詰めてある。確認すると、これは賞金の5元札であった。酒の価格は19元、5元のキャッシュバックなので実質14元。少し得した気分でささやかな幸福感を感じる。これもこの日、タール寺を参拝したことによる御利益・恩恵・運気向上か! 人生、何事も前向きに、楽観的に考えた方がいいですね😊・・・

この日はタール寺だけを観光したが、う~ん、特別な場所を訪れることができて誠に喜び・うれしさを感じる。その他は特に何もしなかったので、のんびり過ごすことができた。さて翌日は青海省の名所「青海湖」を訪れる。どのような湖なのか、色々想像しながら夜は更けていく・・・。