1ヵ月間の中国西部(2)烏魯木斉 ❷ 2024.07.20

獅虎形金箔飾(約2500年前造。吐魯番市托克遜県阿拉溝墓地出土。新疆ウイグル自治区博物館所蔵)


【2日目】ウルムチ2日目。この日の主な訪問先は、新疆ウイグル自治区博物館、紅山公園、新疆国際大バザール。朝7時過ぎ起床。外を見ると天気が良さそうなのでホッとする。朝食はホテルでしっかり食べる。特に旅行中は不足になりがちな野菜を多めにとる。その後は部屋に戻りコーヒーを飲んでくつろぐ。11時前に外出、市バスに乗って博物館へ向かう。


新疆ウイグル自治区博物館  大規模な博物館で展示物も多く、多くの来館者でにぎわっていた。特に「古代ミイラ陳列室」が大人気で、入口には行列ができていた。今回は自身が特に印象に残った文物画像を紹介する。それは、「戦国時代の金箔ベルト」、「漢晋代の埋葬服」、「楼蘭の女ミイラ」、「漢代〈裴岑紀功碑〉残碑」、「北涼墓誌」、「唐代〈論語〉妙本残紙」。なお説明文画像も掲載するので私の説明は省略する。 

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☘古代ミイラ陳列室

☘1980年に楼蘭鉄板河遺跡で発掘された女性のミイラ。約3800年前に埋葬されたとされる。

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昼食@十三花  博物館の見学後、近くの新疆料理店で昼食をとる。お一人様なので拌麺(汁なし麺)と羊肉串焼き2本だけを注文。麺の具材は肉と野菜がたっぷりで健康に良さそうだ。羊肉串焼きは哈爾濱でも時々食べるが、ウルムチの串焼きもおいしい~。新疆料理、う~ん、イイ感じだ・・・。


紅山公園  この公園は市中心部にありながら眺望がすばらしく、また各種遊具や食事も楽しめる市民憩いの良き場所である。特に「紅山塔」付近からの景色は一見の価値がある。白鳩と戯れる親子の笑顔を見ると、普通の日常、平凡な生活、そして平和の大切さが心の底から感じられる・・・。現在も世界各地で紛争は絶えない。あぁ、人々は何で戦い、そして傷つけ続けるのか・・・。


新疆国際大バザール  夕刻、清川さんに案内されてバザールを訪れる。元々は宗教的な場所であったが、現在は当局によって宗教活動が禁止され、商業施設として観光客でにぎわっている。まぁそれでも立派な塔などを見るとイスラム教文化の雰囲気を十分感じ取ることができる。

☘阿凡提(Afanti)について  バザール内に赤く派手にライトアップされた大きな建物がある。その前に某男性の立体像やイラスト看板がいくつか飾られている。よく見ると建物の屋根部分にも彼の大きな顔が見える。清川さんによると彼はウイグル族の庶民の英雄とのこと。少し気になったが、その時はそれ以上聞かなかった。後に清川さんからのメールで彼の名は「阿凡提」ということを知った。小学館『中日辞典』には次のように説明されている。
  <人名>エペンディ.ウイグルやカザフなどの少数民族の伝承の中の,
  機知にたけた人物.とんち話が人形劇や喜劇に仕立てられ,中国人の間
  で非常に人気がある.
なお人名を「アファンティ」と日本語表記する場合もある。早速ネットでTV人形劇『エペンディ物語』第1集「木陰を売る」を見てみた。登場人物の衣装や建築物、背景音楽などもウイグル族の伝統様式で、私にとってはとても新鮮であった。
さて話の概要は、近隣住民が集まって木陰で涼しんでいると、木の所有者である金に貪欲な夫婦が「木陰使用料」と称して皆から金品を奪い取った。そこにエペンディがロバに乗って颯爽と登場する。そして事情を知った彼は夫婦に大金を払って「木陰の権利」を購入する。その時は夫婦も大喜びしていたのだが、エペンディが木陰の権利を上手に利用して徐々にケチ夫婦を懲らしめるというものだ。う~ん、勧善懲悪の面白いストーリーである。参考にタイトルと場面の画像2つを転載する。

☘バザール内のお土産店  清川さんに案内されて一つのお土産屋さんに入り、商品について説明をしてもらった。写真を撮ってもいいと言うので遠慮なく店内をパチパチ撮影した。店員さんもウイグル人の清川さんが一緒にいるので不満はなさそうだった。印象に残ったのはピカピカ光るウイグル族のナイフ。清川さんの説明によると、現在は当局に禁止されているが、当時は成人になった男子はナイフを携帯したという。

大バザール見学後は清川さんとホテルへ戻る。この日はなかなか充実した一日であった。さてさて、翌日は現地団体ツアーに参加して「天池」を観光する予定だ。ホテルの部屋に戻ったら地元焼酎「伊力特曲」をグビッと飲んで早めに寝ることにしよう・・・。

清川さんと信州狂人@新疆国際大バザール

1ヵ月間の中国西部(1)烏魯木斉 ❶ 2024.07.20


今回は夏休みの1か月間をフルに使い、中国西部を31泊32日で旅した。異なる地域での様々な風景、文物、料理、そして人との出会いを充分に楽しんだ。ただかなり疲労も蓄積し、途中に風邪のような病気にかかり、半日はホテルの部屋で寝ていた時もあった。自身は初老男子、やはり場所を転々とする旅行スタイルの場合、今後は長くても20日間ほどにした方が無難であろう。旅程は以下の通り。

【哈爾濱】Air➔【烏魯木斉・3泊】Train➔【吐魯番・4泊】Train➔
【西寧・4泊】Train➔【拉薩、その他・8泊】Air+Train➔
【麗江・3泊】Train➔【大理・3泊】Train➔【昆明(西山)・2泊】Train➔
【石林・1泊】Train➔【昆明(市街)・1泊】Train➔【貴陽・2泊】Air➔
【哈】

ハルビン空港から直通でウルムチ(烏魯木斉)へ向かう。所要は約5時間。窓からはお馴染みの内蒙古の砂漠地帯を眺める。そしてお待ちかねの機内食タイム。量も充実して味も美味しい。新疆ウイグル自治区上空になると名前は不明だが標高の高そうな美しい雪山が現れる。またトルファン(吐魯番)の火炎山の辺りだろうか赤い岩山地帯、そして都市周辺にはモザイクのような緑の農業地帯も広がっている。やがて飛行機は「ウルムチ地窩堡国際空港(URC)」に無事到着。


ウルムチ到着  天候は晴。青い空が広がり気分は良いが、ギラギラした日射しが少し気になる。市バスで市内のホテルに向かう。バスを降りコンビニで地元の焼酎「伊利特曲」とビール「烏蘇啤酒」を購入。烏蘇ビールはハルビンのコンビニでも販売している馴染みのビールで味も良い。ただ本場だけあって種類も複数確認できる。少し歩きホテル前に到着。ホテル1階にはテナントのレストランあり、店前の路上では羊肉串を焼いている。 煙がモクモクあがり香ばしいにおいが周囲に漂っている。料理の写真看板を見ても全ておいしそうだ。う~ん、これは期待できそうな環境だ!


日暮れ後の散策  部屋での休息後、夕暮れ時に頃に付近の散策に出かけた。偶然にホテルスタッフの男性が日本文化に関心があり、好意で近場を案内してくれた。彼は大学卒業後間もないウイグル族の青年で、「清川(きよかわ)」という日本語名も有している。ウルムチ滞在中は彼に色々とお世話になった。またウイグル文化についても教えてくれた。現在でも時々メールで連絡している。やはり人との出会いも旅の良さの一つである。
さて、にぎやか通りにはご当地の主食「ナン」の販売店がある。なかなかおいしそうだ。また屋台で何かを焼いている煙があがっている。しばらくして清川さんに「新疆創氷」という細かく砕いた氷にシロップ等を混ぜ合わせた飲み物をご馳走になった。自分は普段アイスクリーム等の甘い物は購入しないが、たまに食べるとおいしく新鮮な感じがする。


ホテルの部屋で夕食  散策終了後は清川さんと別れ、自身はホテルの部屋に戻りテイクアウトした麺料理と羊肉串燒を食べる。この日はほぼ移動で終わったが、清川さんとの出会いや、おいしい羊肉串焼と地酒が楽しめた。う~ん、なかなか良い旅のスタートだ。
一か月間の旅、慌てず急がず、のんびりペースで進んで行こう~!😊

信州狂人@ウルムチ・友好南路(清川さん撮影)