【近江紀行】彦根滞在記(7)園林飲み@玄宮園+楽々園

「彦根滞在記(4)彦根城・うつくしき眺め」で天守近くの着見台から見た「玄宮園」の姿を紹介した。今回は実際に玄宮園とそれに隣接する「楽々園」を訪れた。最近はコロナの新たな変異株の登場で不安が増すなど現代社会はストレス過多状態である。そんな時でも美しい庭園でゆっくりと風景を眺めていれば自然に心も落ち着いてくる。私の場合は当然今回も「園林飲み」を厳格に実行し、かなりリフレッシュできた。

Of course, drink local sake in the local beautiful garden~~

◆玄宮園◆

庭石に座り、園林飲みを楽しむ。酒は多賀町の地酒「多賀・秋の詩(たがあきのうた)」。天守もきれいに見える・・・

◆楽々園◆

【近江紀行】彦根滞在記(6)彦根城博物館(下)+井伊直弼歌碑

🍀能面 彦根城博物館では能面も存在感を発揮していた。人間の表情は変化に富んでいるが、それを面として一つの表情に固定し形作る作業は楽しいことであろう。ただ同時に、例えば眉間の皺ひとつをとっても、その有無や長さ、深さなど可能性は無限であるが故に多くの取捨選択が迫られ、究極の一品に仕上げようと考えると素人が考えるほど作業は簡単ではないとも思える。さて、普段は特別な事情がない限り他人の表情をじっと見続けることはしないが、能面は何も文句を言わないのでじっくり鑑賞できる。展示テーマは「幽玄の美」であるが、確かに表情の裏に存在する状況を想像するのも楽しいことだ。

🍀茶道具 茶に使われる道具は洗練されており、そこに「美」を感じる。ストレスの多い現代社会で、本業とは違う楽しみに力を入れ散財する「数寄」の意味や効用は私としても十分に理解できる。例えばその美しさに魅せられて数百万円の茶碗を購入したこととか。「わび茶」に関しては、華麗さが抑えられ、私自身の趣味・志向と通じるものがある。

🍀井伊直弼と和歌 彼の手紙から和歌への思い入れが強かったことが分かる。もちろん当時の大名の世界では和歌の素養は不可欠であったのだろう。ただ令和の世に生きる人間としては、筆写された文字が簡単に解読できないのが残念だ。

🍀井伊直弼の歌碑 城の佐和田口の手前に歌碑がある。ペリー来航後の変乱期での大老職は「こころをくだく」ことが多く大変だったであろう。その心情を素直に歌にしているところから彼の人となりが少しは伺えるようである。