【近江紀行】彦根滞在記(3)彦根城・うつくしき石積み

広大な敷地を有す彦根城は石積みの規模も大きく、また精緻に築かれていて、なかなか見ごたえがある。今回は滞在中に彦根城には5回程訪れたが、見るたびに石積みに関する新たな発見があった。一見同じように見える石積みでも、じっくり観察すると積み方には違いがあり、それぞれ独特な個性と魅力が感じられる。例として下に「天守」と「二の丸佐和口多聞櫓」の画像を挙げたが、両者の外観が明らかに違うのが分かるだろう。

天守(国宝)の石積み
二の丸佐和口多聞櫓(重要文化財)の石積み

また石積みをじっと眺めていると、矢穴痕(石材を採る時に鑿で削った痕)や、小さな隙間や隣接する石材の形状にピッタリ合うように変形加工された石材などが多々見られ、当時の人たちの苦労や思い、人間みが伝わってくるようである。

◆天秤櫓の左右不揃いの石積み 一つの建築物に異なる石積み(「ごぼう積み」と「落とし積み」)が存在している。下の画像ではその違いをよく理解できないかも知れない。もし機会があれば彦根を訪れ、実際に自分の目で確認したら面白だろう。

◆登り石垣 日本の城郭では珍しい種類の石垣らしい。詳しくは説明板の画像をご覧あれ。  

◆様々な形状の石積み 彦根城には上掲した以外にも様々な石積みが存在している。余裕のある時は城内をのんびり散策し、自分の好みの石積みを探すのも一興であろう。

【注意】石材が散乱している。どういう状況なのであろうか。想像するのも面白い・・・

【近江紀行】彦根滞在記(2)彦根城・うつくしき梅と桜

今回の彦根滞在期間は、観光という点から言えば、とてもタイミングが良かった。雪、梅、桜と移り変わる様を存分に楽しむことができたからだ。これは偶然の結果であり、今回は幸運だったと思う。さて下の地図を見ると、彦根城には梅園があることがわかる。その由来については現地の表示画像をご覧いただきたい。

次は桜。日本各地、桜が咲きはじめると人々は落ち着いていられず、コロナ禍であってもゾロゾロと花に群がり集まってくる。彦根も例外ではなく、城では桜がきれいに咲きそろい、多くの花見客でにぎわっていた。

吾人も花見を決行すべく酒を準備し、天守閣と桜が見える絶好のベンチを確保、おひとり様の花見をはじめた。酒をチビチビ飲みながら花や城をのんびりと眺めていた。これは中国で頻繁に行なっていた「園林飲み」のカテゴリーに含まれる。さてしばらくすると、正面に見える天守閣の入口辺りで人々が密集しはじめた。原因は下の画像に示した「ひこにゃん登場(登城?)」である。自分も少し見に行ったがコロナ感染が怖いので、すぐにその場を離れた。このような時期に人々を密集させる主催者は何を考えているのだろうか。今でも疑問である。何してまんねん!?