1ヵ月間の中国西部(5)吐魯番 ❷ 2024.07.20


【5日目】トルファン2日目の続き。
蘇公塔の見学を終え、昼食をとってから「トルファン博物館」を見学。その後はホテルの部屋でゆっくり休み、夜10時過ぎに夕食を購入するために外出。
この日(7月24日)は夜7時の気温が44℃(参照:下画像)。そして翌日の最高気温は46℃と予報されている🥵・・・ ただ自身は体感的に暑いなぁという感じがあまりない。もともと暑さに鈍感な体質なのだろうか。いや、しかしそれが逆に危険なのかもしれない。水分をなるべく多めにとり外出時は帽子をかぶるなど、体調管理には十分注意する必要がある。


トルファン博物館  当地と周辺地域で発掘された文物が数多く展示されている。ここでは印象に残った物を紹介する。例えば、上半身が人間で蛇の下半身が絡み合う不気味な伏羲女媧図、鮮やかな色彩が目を引く菩薩像壁画残塊、当時の髪形がそのまま残るミイラ、ベゼクリク千仏洞(柏孜克里克千佛洞)から出土した漢字、梵字、回鶻文字、西夏文字など様々な文字の古文書が興味深かった。

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博物館の見学後、市バスに乗ってホテル近くまで移動。バス停近くの角にはナンの店があり、そこを通るたびに好奇心からしばらく陳列された商品を眺める。店のスタッフはまたあの外国人がジロジロ見ているなと思ったであろう。どれもおいしそうだったが、やはり定番の大きなナンで、しかも焼きたてを食べてみたい。聞くと夜6時以降に焼き始めるという。そこで買うのは別の機会にしてホテルへ戻る。


夕食をテイクアウト  夜10時過ぎ、お腹が空いてきたので遅めの夕食を買いに出かける。夜の街はライトアップされてキラキラしている。あらかじめネットで調べておいた「哈里克特色抓飯」という手抓飯(炊き込みご飯)の専門店へ向かう。ホテルから徒歩10分ほどだ。この著名なご当地料理を食べるのは今回が初めてなので大変楽しみである。

店に到着。店内の照明が薄暗いのが少し気になった。手抓飯の種類は色々だが、基本的にご飯の上にのせる肉の種類が違うだけのようだ。そしてこの時は細かくカットされて食べやすそうな「碎肉抓飯」(羊肉)を注文しテイクアウト。サービスで乾燥豆腐を使った副食品をもらった。うれしくなる。
ホテルの部屋に戻ると、早速フタを開けてご対面。う~ん、肉の存在感はインパクトがある。ご飯も限界までパンパンに詰められいて量が多い。先ずは肉片を一つ食べてみる。うん、柔らかい・・・。副食品もおいしい。その後は憑りつかれたようにバクバク頬張り、完食。まんぷく、まんぷく、ごちそうさまでした😊・・・

バクバク頬張る・・・

さてさて、翌日はタクシーを一日チャーターし、市郊外の遺跡を数か所巡る予定。暑い中を長時間歩き回ることになるため、睡眠不足は厳禁だ。早く寝ることにしよう😴・・・

1ヵ月間の中国西部(2)烏魯木斉 ❷ 2024.07.20

獅虎形金箔飾(約2500年前造。吐魯番市托克遜県阿拉溝墓地出土。新疆ウイグル自治区博物館所蔵)


【2日目】ウルムチ2日目。この日の主な訪問先は、新疆ウイグル自治区博物館、紅山公園、新疆国際大バザール。朝7時過ぎ起床。外を見ると天気が良さそうなのでホッとする。朝食はホテルでしっかり食べる。特に旅行中は不足になりがちな野菜を多めにとる。その後は部屋に戻りコーヒーを飲んでくつろぐ。11時前に外出、市バスに乗って博物館へ向かう。


新疆ウイグル自治区博物館  大規模な博物館で展示物も多く、多くの来館者でにぎわっていた。特に「古代ミイラ陳列室」が大人気で、入口には行列ができていた。今回は自身が特に印象に残った文物画像を紹介する。それは、「戦国時代の金箔ベルト」、「漢晋代の埋葬服」、「楼蘭の女ミイラ」、「漢代〈裴岑紀功碑〉残碑」、「北涼墓誌」、「唐代〈論語〉妙本残紙」。なお説明文画像も掲載するので私の説明は省略する。 

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☘古代ミイラ陳列室

☘1980年に楼蘭鉄板河遺跡で発掘された女性のミイラ。約3800年前に埋葬されたとされる。

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昼食@十三花  博物館の見学後、近くの新疆料理店で昼食をとる。お一人様なので拌麺(汁なし麺)と羊肉串焼き2本だけを注文。麺の具材は肉と野菜がたっぷりで健康に良さそうだ。羊肉串焼きは哈爾濱でも時々食べるが、ウルムチの串焼きもおいしい~。新疆料理、う~ん、イイ感じだ・・・。


紅山公園  この公園は市中心部にありながら眺望がすばらしく、また各種遊具や食事も楽しめる市民憩いの良き場所である。特に「紅山塔」付近からの景色は一見の価値がある。白鳩と戯れる親子の笑顔を見ると、普通の日常、平凡な生活、そして平和の大切さが心の底から感じられる・・・。現在も世界各地で紛争は絶えない。あぁ、人々は何で戦い、そして傷つけ続けるのか・・・。


新疆国際大バザール  夕刻、清川さんに案内されてバザールを訪れる。元々は宗教的な場所であったが、現在は当局によって宗教活動が禁止され、商業施設として観光客でにぎわっている。まぁそれでも立派な塔などを見るとイスラム教文化の雰囲気を十分感じ取ることができる。

☘阿凡提(Afanti)について  バザール内に赤く派手にライトアップされた大きな建物がある。その前に某男性の立体像やイラスト看板がいくつか飾られている。よく見ると建物の屋根部分にも彼の大きな顔が見える。清川さんによると彼はウイグル族の庶民の英雄とのこと。少し気になったが、その時はそれ以上聞かなかった。後に清川さんからのメールで彼の名は「阿凡提」ということを知った。小学館『中日辞典』には次のように説明されている。
  <人名>エペンディ.ウイグルやカザフなどの少数民族の伝承の中の,
  機知にたけた人物.とんち話が人形劇や喜劇に仕立てられ,中国人の間
  で非常に人気がある.
なお人名を「アファンティ」と日本語表記する場合もある。早速ネットでTV人形劇『エペンディ物語』第1集「木陰を売る」を見てみた。登場人物の衣装や建築物、背景音楽などもウイグル族の伝統様式で、私にとってはとても新鮮であった。
さて話の概要は、近隣住民が集まって木陰で涼しんでいると、木の所有者である金に貪欲な夫婦が「木陰使用料」と称して皆から金品を奪い取った。そこにエペンディがロバに乗って颯爽と登場する。そして事情を知った彼は夫婦に大金を払って「木陰の権利」を購入する。その時は夫婦も大喜びしていたのだが、エペンディが木陰の権利を上手に利用して徐々にケチ夫婦を懲らしめるというものだ。う~ん、勧善懲悪の面白いストーリーである。参考にタイトルと場面の画像2つを転載する。

☘バザール内のお土産店  清川さんに案内されて一つのお土産屋さんに入り、商品について説明をしてもらった。写真を撮ってもいいと言うので遠慮なく店内をパチパチ撮影した。店員さんもウイグル人の清川さんが一緒にいるので不満はなさそうだった。印象に残ったのはピカピカ光るウイグル族のナイフ。清川さんの説明によると、現在は当局に禁止されているが、当時は成人になった男子はナイフを携帯したという。

大バザール見学後は清川さんとホテルへ戻る。この日はなかなか充実した一日であった。さてさて、翌日は現地団体ツアーに参加して「天池」を観光する予定だ。ホテルの部屋に戻ったら地元焼酎「伊力特曲」をグビッと飲んで早めに寝ることにしよう・・・。

清川さんと信州狂人@新疆国際大バザール