三泊四日の瀋陽(1)2023.04.01

ついに韮菜盒子を発見、この日を待っていた!!


今回も哈爾浜駅から高速鉄道を利用、瀋陽まで約二時間半。車窓からの景色は2月に長春に行った時と違い雪や氷の寒い景色はすべて消え、広大な穀倉地帯のなかにの樹木の緑も多少目立つようなっていた。瀋陽は観光したいと思う場所が多く三泊四日では不十分だ。そこで今回は目的地を故宮、帥府、昭陵、張作霖爆殺事件現場(博物館含む)にしぼった。もちろんご当地グルメも楽しみだ。


先ずは新幹線駅の「瀋陽北駅」に到着。そこから地下鉄で「瀋陽駅」まで移動、駅からは予約済みの駅近のホテルへ歩いて向かう。地図を見れば一目瞭然だが、当時の都市開発で瀋陽駅を中心に三つの大通り(中山路・中華路・民主路)が東へ放射状に延びている。その影響で三角柱(ショートケーキ 🍰 のような形状)の建物をよく見かける。三角柱といっても角部分は適度に削ってエントランスに利用する場合が多いようだ。今回泊まったホテルも同様だ。私は放射状の道に慣れていないので地図を見ないで歩くと方向感覚が狂い、目的地まで遠回りしてしまったことが数回あった。慣れたら逆に便利だと感じる場合もあると思うが・・・。

今回お世話になるホテル「倍思酒店」 ビルが崩壊しそうな感じで怖い・・・


ホテルで少し休んでから中山公園まで散歩に出かけた。公園は円形で中心部には毛沢東の巨大な銅像、周囲には満州国当時の建築群が残る。それらの画像を以下に示すが、面倒なので説明は省略する。また夜間にライトアップされた景観もきれいだと想像できるが、今回はなぜかその考えが頭から抜けていた。つまり夜間の広場に行かなかったのだ。まぁ瀋陽には近い将来また来るつもりなので次回の楽しみにとっておこう。


遼寧賓館(旧大和旅館)  正面入口から入ってロビーを通り、周囲をキョロキョロ眺めながら奥のレストランへ向かった。食後は階段を上って二階フロアも少し見学した。やはり歴史と格式のあるホテルには落ち着いた良い雰囲気がある。それに比べると今晩泊まる安宿は実に貧相で、季節は春だが心のなかは初冬の風が吹いているような寂しさ、切なさを感じる。以前上海でどこの安宿も満室で仕方なく外灘の「和平飯店・南楼」に宿泊したことがある。全体的に老朽化はしていたが、石材や木材を使った重厚感あるロビー内装、高い天井、大きな部屋のドア等々、西洋建築の独特な雰囲気を味わうことができた。やはり短い人生、時には伝統のある有名老舗ホテルを利用するのも良い経験になるだろう。


遼寧賓館レストラン  入店したのが4時頃ということもあり客は私一人だけ。広い空間にポツンと一人で食事するのは何か変な感じである。先に瓶ビールを出してもらい、飲みながらメニューを見て料理を決める。メニュー頁をめくっていると見覚えのある形の料理とその名前が目に飛び込んできた。それは「韮菜盒子」、即座に注文を決めた。このジャンボ揚げ餃子のような食べ物には特別な思いがある。その経緯は当ブログの「韭菜盒子について(追記:自宅のニラ栽培)2019.07」で既に述べたので割愛する。いつか中国で食べてみたいと思い続けて四年、ついに韮菜盒子を食べる機会が到来したのである。


さて運ばれてきた出来たて熱々の韮菜盒子を一口パクつくと、衣はサクサク、餡はトロ~リとしていて、ニラの香りが口いっぱいに広がる。なるほど期待を裏切らないおいしさだ・・・。
それ以外には二品:メニューを見てこれは間違いないと感じた「遼賓紅焼肉」、酸味が食欲をそそる「酸辣豆芽」を注文。結果はいずれも抜群の味でたいへん満足した。

『夜市人生』で客が韮菜盒子を食べるシーン(画像は腾讯视频より転載)


さて晩は侘しい部屋で地元の白酒「老龍口」をチビチビ飲みながら翌日以降の旅程を考え、そしてこの日は終了した。

【鉄道の小さな旅】列車6284:香坊駅➔平房駅(2023.01.15)

少し前に鉄道「香坊駅」の話を取り上げたが《参照:雪の香坊駅(2022.12.24)》、今回は実際にこの駅から列車に乗ってみた。とはいっても二駅目「平房駅」まで約30分間の短い乗車だ。それでもローカル鉄道の雰囲気を十分に楽しむことができて満足である。

香坊駅まで今回はバスではなく地下鉄を利用、最寄りの「中央大街」から「珠江路」で乗り換え「油坊街」で下車、そこから徒歩で香坊駅へ向かう。平房駅からは地下鉄「新疆大街」まで徒歩約約1時間。目的もなく何も考えずただ歩き続けるのは気分的に楽でとても癒される。帰りは「新疆大街」から乗り「博物館」で乗り換え「中央大街」で降り自宅まで歩く。ちなみに歩数計を見るとこの日は約17,500歩だった。まあまあ疲れました・・・。

霍尔瓦特(Holwalt)将軍府旧跡
地下鉄「油坊街」から香坊駅まで歩いて行く途中に立派な建物が存在している。Holwaltとはどのような人物か。ネットには「ロシア皇帝の命で中東鉄道局局長として派遣され、1903年から1920年までこの官邸で過ごした。長い白ひげから哈爾浜人に“白毛将軍”と呼ばれている」とある。

【追記 2023.01.27】昨日26日、自宅マンションから徒歩5分ほどの距離にある「哈爾賓博物館」へ行ってきた。ここへ来るのは3回目であるが展示スペースが比較的広く、今回ようやく公開部分のほぼ全てを観終わった。さて哈爾浜市の発展史を紹介しているコーナーで霍尔瓦特(Holwalt)さんの肖像写真と簡単な紹介文のパネルがあったので、中東鉄道の路線図とレールの画像も併せて掲載する。

香坊駅に到着、周辺の街並みを見るとたくさんの集合住宅が立ち並び人口は多そうだ。ただ駅周辺には人の姿は少なく活気は感じれない。とりあえず切符を片手に駅待合室へ入る。

乗車時間になった。改札口を通りホームへ向かう。ホームは想像以上に広くて立派だ。連絡橋を渡り指定の車両へ入る。座席は硬い二等席、ボックス型で狭苦しいが30分間だけの乗車なら全く問題ない。以前、蘭州から杭州まで32時間を同様の席で過ごした時はさすがに疲れたが・・・。

途中、火力発電所の巨大冷却塔の横を通過し、孫家駅に停車、客を乗せる。その後も車窓からは工場や住宅など殺風景な景色が見えるだけだ。

孫家駅

ほどなく平房駅に到着。この小さな駅も特段何もなくいたって平凡、さっそく地下鉄「新疆大街」を目指して歩き始める。駅周辺の商店街や住宅地以外は公園の中の遊歩道を歩く時間が長かった。園内には雪が残り寒々としていたが、この時季特有の雰囲気が感じられて悪くはない。独特な外観のイスラム教寺院もあり、玉ネギ型の屋根が青空のもとキラキラ輝いていた。

第七三一部隊宿舎区旧跡
新疆大街に近づくと住宅や商店が密集している。その中に第七三一部隊の宿舎が残っている。説明では1930年代の建設という。時代の経過で外観は古びて見えるが、作りが頑丈なのか今でも住居として利用されているようだ。

給水塔旧跡
地下鉄新疆大街駅1番出口から徒歩1分の新疆大街に面した位置に「給水塔旧跡」がある。遠くから見てもその独特な外観でよく目立っている。説明では1936年建設、第七三一部隊駐屯地や隊員宿舎への給水設備であったという。

給水塔の見学後は地下鉄で帰宅。今回のような鉄道小旅行もたまにはいいものだ。次はどこへ行こうかと考えている・・・。