痛いっ~!梅の理由なき反抗! (2013.04)

過去2回の文章では、梅の花のすばらしさを述べた。 それらは確かに自分の率直な感想である。 しかし実は、梅には人間を傷つける危険な武器が存在しているのだ。 梅の幹から垂直に、だいたい2~4cmほどの鋭いトゲが突き出ていて、とても危ない。 これは、細い枝が枯れ落ちた際、幹に残った部分が針状となったものだろう。

梅が咲き始めた頃、きれいな花に夢中になり、それを間近で見ようと急接近した次の瞬間、 なんと、トゲは作業用ズボンを貫き、僕の内モモの柔肌に突き刺さったのである。 痛いっ~!激痛がはしり、見ると血も出てきていた。 しばらくすると、傷口はふくれ上がり、黒紫色に変色してきた。 枯れ枝だけに、ばい菌の感染もたいへん気になったが、 さいわい、一週間後には傷は跡形もなく消え去り、ほっとした。

よく「美しいものには毒がある」などというが、 なるほど美しい花を咲かす梅の木も、危ないトゲがあったのだ。 今回はそれを身をもって感じたのである。

『純粋白梅理論―白き輝きと清き香りにつつまれて―』(2013.03)

紅梅に少し遅れて開花した白梅。小さな純白の花を、じっと眺めていると、その白さのなかには、何かを引きつける強くやさしい力があり、自分の魂もその弁のなかに吸いこまれていくような気がする。白梅には、紅梅の妖艶さとは違う魅力が、確かに存在しているのである。自己の生命が終わりを迎えるとき、薄れゆく意識のなかで、白梅の白き輝きと清き香りにつつまれながら、おだやかに、この世にわかれを告げたい、そのように思うのである。