1ヵ月間の中国西部(21)日喀則


【18日目】この日は移動日、約8時間かけてベースキャンプから日喀則(シガツェ)へ戻る。来た時とほぼ同じルートだったと思うが、初めて見る風景もあったので多少は違うルートを通ったのかもしれない。

朝起きると早速山の様子を確認しに出かける。しかし期待に反し周辺は霧で真っ白、何も見えない。仕方ないので周辺を歩き回る。川の水は山の雪解け水だろうか。色が薄い灰色に濁っているのが気になる。山の風景は期待できないということで地面のほうに目を移すと、色々な種類の草が確認できる。ここは5,200mの高地、どんな植物なのか気になり少し観察してみた。そのいくつかには小さな花もきれいに咲いている。一見すると滋賀の自宅庭に生えている雑草と似ているような気もするが、やはり根本的に異なる種類なのだろうか。いずれにせよ過酷な環境にも負けずに立派な花を咲かせる植物たちは実にたくましい・・・。そうしているうち、山の下の部分がうっすらと見えてきたので期待したが、それ以上姿を現すことはなかった。どうやらチョモランマさんは恥ずかしがり屋のようである・・・。お寺に挨拶してからバスに乗り山を下る。


風景区専用バスからツアー会社のマイクロバスに乗り換え、シガツェに向かう。途中、日常離れした珍しい景色が次々と現れパチパチ撮影する。放牧中の牛や羊の群れが道をふさいでいることに2度遭遇。羊を撮影中、その中の一頭と目が合った。ひょうきんな顔をしていて親しみを感じる。その後、前日も訪れた加錯拉山(ガウラ山)展望台で休憩。遠くに見える山には雪が降ったのか、前回見た景色とは違って見える。


菜の花畑で休憩。今回の旅では何度も菜の花畑を見てきたが、畑の中に入ったのはこれが初めて。花は遠くから見てもきれいだが、一つを手に取り近くで見てもきれいだ。なんともいえない美しいイエローだ・・・。しばらく休んだらまた車に乗って出発。すると羊の群れにまた遭遇。いろいろ楽しましてくれる道中だ。


午後6時、シガツェのホテルに到着。この日の団体行動はこれで終了。街はあいにくの雨。しかしホテルの部屋にいても退屈なので、市街を一望できるという展望台へ向かう。先ずは市バスに乗ってシガツェ・バスターミナル(日喀則汽車総站)まで行く。途中、市内を流れるナンチュ河(年楚河)を渡る。ターミナルから徒歩10分の高台の上に展望台がある。雨天のため市街地は少しくすんで見える。正面中央のやや右側の山裾には翌日観光する「タルシンポ寺(扎什倫布寺)」の赤い建物が確認できる。こうして高台から街全体を眺望すると、シガツェは結構大きな町だということが分かる。

上:展望台西側のシガツェ市街地 下:展望台東側の風景

市街地に戻り、ホテル近くの適当な食堂で夕食をテイクアウト。あとは部屋で青稞酒を飲みながらくつろぐだけ。ここ数日間、車での長距離移動が続き少々疲労を感じる。ただそれだけ思い出もたくさんできた。う~ん、いろいろあった。烈性酒を飲みながら旅の余韻にひたる・・・。

1ヵ月間の中国西部(20)絨布寺・珠峰大本営


【17日目】この日はチョモランマの観光客用ベースキャンプへ向かう。途中、「兄弟川菜香」という食堂で昼食。その後、チョモランマが見えるという展望台の2カ所に寄る。結果から言うと、悪天候のため山は見えなかった。またベースキャンプでは雲が少し消えて山の下部は見えたが、山頂は残念ながら見えなかった。まぁ、自然が相手なのでしかたない・・・。

日喀則市内➔拉孜県・兄弟川菜香
朝食後、日喀則(シガツェ)市内のホテルを出発。11時前に拉孜(ラツェ)のサービスエリアでトイレ休憩。ここは国道318号の上海人民広場から5000㎞の地点で、その記念碑がある。自分は上海発ではないので無関係、どうでもよいことだ。それよりも近くの山にある建造物が気になった。その後、様々な景色を見ながら進み続ける。一面黄色い世界の菜の花畑、いつ見ても心が軽やかになる。ガソリンスタンドで給油後、ちょうど12時に近くの食堂・兄弟川菜香に到着。ツアー仲間4人で普通の中華料理を食べる。味も普通だ・・・。


兄弟川菜香➔チョモランマ国家公園入口
昼食後、再出発。途中の高原ではお馴染みのヤクやヒツジの放牧が見られる。13時40分、「加錯拉山(ガウラ山)展望台」で休憩。天気が良ければヒマラヤ山脈が見えるのだが、残念ながら曇り・・・。その後、車内からは普段は見られないような山岳風景を楽しんだ。時期的に緑が広がり一見すると高地の厳しさはあまり感じられない。


チョモランマ国家公園入口➔チョモランマ・ベースキャンプ
午後3時、国家公園入口に到着。チケットをもらい、再度車に乗り込む。車はどんどん山を登って行き、やがて別のヒマラヤ山脈の展望台に寄る。しかし、またしても曇っていて山は見えない。う~ん、不運だ・・・。その後、観光保護のための専用バスに乗り換える。途中、道前方の土砂崩れで通行不能、バスは停車。車内に嫌な雰囲気が広がる。ガイドさんも困惑しイライラている。聞けばこのような事は今回が初めてだという。そのうち黄色いホイールローダーが来て土砂の撤去作業が始まった。そして50分後、バスはようやくベースキャンプに到着。まずは一晩過ごす宿泊施設「絨布旅館」のプレハブ部屋に入って荷を下ろし少し休憩する。


絨布寺(ロンボク寺) 
部屋で休憩後、近にある絨布寺を見学。宿泊施設の周辺からも天気が良ければチョモランマが見えるのだが、その時は完全に雲に隠れていた。そこでガイドさんが寺の見学を優先させたようだ。現地の説明によると、ロンボク寺はニンマ派の寺院で、1901年建立。海抜は5200m、世界で一番標高が高い場所にある寺院とのこと。なおチベット仏教の四大宗派は、ニンマ派、サキャ派、カギュ派、ゲルク派。


チョモランマ眺望  
寺を見学しているうちに雲が少し消え、山の一部が見えてきた。オ~、なかなか迫力があり感動的だ・・・。ただ肝心な山頂部分は真っ白い雲の中、う~ん、不運だ・・・。ただしばらく山を眺めながら付近を歩いたり、岩に座って酒を飲んだり、その場の雰囲気を楽しんだ。
日が暮れ、宿舎に戻って食堂で夕食をとる。食堂内にはストーブがあり暖かくて過ごしやすい。料理は自分で適当な量を皿に盛る。ヤク肉もある。そしてペットボトルに入れ替えた青稞焼酎を飲みながら料理を食べる。気分が落ち着いてきてイイ感じだ・・・。

さてさて、この日は残念ながらチョモランマの山頂部分は見えなかった。翌日は見えるのだろうか。それを期待しながら空気の薄い部屋で、少し息苦しさを感じながら睡眠する・・・