四泊五日の銀川・阿拉善左旗(1)2024.05.01


今回は労働節(メーデー)の連休を利用して銀川(寧夏回族自治区)と阿拉善左旗(内蒙古自治区)を旅行した。主な訪問先は、銀川では西夏王陵、黄河風景区。阿拉善左旗では騰格里(テンゲル)沙漠、定遠営古城。その他、銀川ではご当地の羊肉料理も味わった。五日間の旅程は以下の通り。
  哈爾濱➔(飛行機)➔銀川《2泊》➔(バス)➔阿拉善左旗《1泊》
  ➔(バス)➔銀川《1泊》➔(飛行機)➔哈爾濱

銀川行き飛行機は朝の出発、食欲がないので自宅では朝食は取らず、チェックインを済ませ搭乗口付近の食堂で牛肉麺を食べた。もちろん空港内の物価は高いが、まぁせめて楽しい旅行の時くらいは散財することも楽しむくらいの気持ちが必要だろう。ちなみに麺の味は良く肉の塊もしっかり入っていた。


哈爾濱➔鄂爾多斯  飛行機は定刻通りに離陸。機内ではペットボトル水とツナサンドが提供された。しばらくすると窓から黄河が見えた。中国で2番目に長い母なる大河、その黄色い流れを見ると上空でも気分が高まる。黄河の流れは甘粛省・蘭州辺りから北上を始め、内蒙古・巴彦淖爾(バヤンノール)辺りで東に転じ、内蒙古・包頭を過ぎた辺りで南下を始める。ちょうど「几」の字のように急に流れの向きを大きく変えるのだ。下の画像は包頭市の鉄道「古城湾駅」近くを流れる黄河で、百度地図で確認した。それにしても黄河は蛇のようにクネクネと何度も湾曲を繰り返しながら流れていくのだなぁと上空から感慨深く眺めていた。その後、飛行機は経由地の鄂爾多斯(オルドス)に着陸する。


鄂爾多斯➔銀川  空港で一時間ほどトランジット待ちをし、再度搭乗して銀川へ向かう。銀川河東国際空港に近くなると、上空からまた黄河が見える。この旅の最終日に黄河沿いの風景区「黄沙古渡・原生態旅游区」へ行き大きな砂丘にも登ったが、この地帯は非常に荒涼としていて茶色い砂地が広がっている。しばらくすると多数の山が隆起した茶色い丘陵地帯が見えた。ここは銀川市の鉄道「霊武駅」付近であることを百度地図でも確認した。このように銀川は厳しい自然環境に囲まれた都市で、人工的に植樹しないと何も育たない場所なのである。


空港➔市内中心  空港に到着。外に出ると哈爾濱とは様子が違い、日光のギラギラした強さを感じる。皮膚には良くなさそうだ・・・。バスで市内まで移動。途中、上空からも見えた黄河をバスは橋を使ってスルッと簡単に渡って行く。市内中心部の「南門広場」近くで下車。とりあえず昼食をとるため「鼓楼」近くの料理店を目指して歩く。途中、ミニ天安門のような「南門楼」、重厚感のある「玉皇閣」の前を通り過ぎる。


老毛手抓で昼食  銀川と言えば羊肉料理、なかでも「手抓羊肉」が名物だという。そこで私も鼓楼近くの老舗料理店「老毛手抓」で食べることにした。さっそく名物の「手抓精品肋条」(厳選羊スペアリブ〈肉付きあばら骨〉茹で)と、野菜の栄養も大切なので「茄子焼豆角」(ナスとインゲンの炒め物)を注文。酒は予めスーパーで買っておいた「西夏ビール」と焼酎「老銀川」を飲む。さて羊肉はスパイスや酢などつけて食べるが、プリプリして軟らかく美味。脂の甘みもおいしい。羊肉特有の臭みは少ない。ただ多少脂っぽく口中がベトベトするので、適時白酒を飲んで脂を洗い流す。そしてまた羊肉を一切れ頬張る。う~ん、これが銀川の味か。お世辞なく本当に満足した・・・。


昼食後は料理店近くの鼓楼を見学する。説明では清朝・道光元年(1821)の創建で、その後も幾度か増築があったという。その独特な外観が目を引く。以下では鼓楼上から撮影した街の画像を北・東・南・西の順に掲載した。


昼食後は市バスに乗ってホテル「銀川温特兹飯店(金鳳万達店)」に向かう。なおホテル外観の画像は翌日朝に撮影したものだ。滞在する部屋の窓からは正面に大きな蓮花型の「寧夏人民劇院」が見える。それが夕方からライトアップが始まり、外壁が白色と金色の変化を繰り返す。なかなか見応えがあり夜は酒を飲みながら眺めていた。さてさて移動と手抓羊肉を食べただけの旅行一日目は、このようにして終わる・・・。

三泊四日の丹東・鳳凰山(4)最終回


【四日目】旅の最終日、午前中は鳳凰山に登り、その後は17:30発の列車で哈爾濱に戻る。翌日は出勤なので必ず帰らなければならない。そこで山での最低所要時間を予めネットで調べ、ホテルスタッフにも聞いた。その結果、余裕をもって5時間は必要だと判断した。更に市内~風景区入口の行き帰りと、鳳凰城駅から鳳城東駅への移動時間も考慮して、朝は6:30起床、7:30ホテル出発、タクシーで風景区へ向かった。


風景区入口到着後は観光バスで仙人湖まで行き、その後はロープウェイ駅まで歩き、ゴンドラに乗って一挙に山頂付近まで移動する。本来山登りの醍醐味は下から上まで自分の脚で頑張って登ることだが、今回は時間に制約があるので文明の利器を大いに利用した。ゴンドラに乗った後は時間の心配もかなり軽減し、ゆったりとした気分で迫力のある山の風景を楽しむことができた。
ところで山登りと言っても日本のイメージと違い、中国で観光地化された著名な山の多くは、歩道のほとんどの部分が石や木の板などで舗装されていて、土の上を歩くことは少ない。以前に登った泰山、黄山、華山でもそうであった(参考:五泊六日の渭南・華山・咸陽2)。どちらが良いとも悪いとも言えないが、いつも感じるのは気が遠くなるほど延々と長く続く山道に、よく一つ一つ石板を敷き詰めたり岩を削ったり、桟道を設置したりできたなぁということである。その時間や労力を考えると心から感服する。


ロープウェイ山頂駅に到着、これからは基本的に徒歩で移動する。途中、両側が絶壁の尾根を進むルートがあり、そこを通る時は多少恐怖を感じた。落ちたら確実に死ぬからだ。ただ幸いこの日は天候も良く気分は爽快。もし雨や風が強かったら滑落する危険性も高まるだろう。そのような危ない場所がいくつもあるから注意が必要だ。


鳳凰山の目玉の一つ「ガラス桟道」に到着。靴カバーをつけてからガラス板に足をのせる。少しドキドキするが前後に人がいないので少し安心する。まさか人が一人のっただけで床板が落ちるとは考えられないからだ。実はこの日は平日で多くの人は出勤、鳳凰山もかなり空いる。どの場所でもスイスイ進みやすくて快適だ。もしこの場所で人で混雑すると、重さで床が崩落するのではないかと不安になる・・・。


ガラス桟道を抜けた後は、ガラス橋を目標に山道を進む。途中、文明の利器・ジップラインも利用して移動時間を短縮する。ここまで来れば列車に乗り遅れる心配もほぼ解消、ホッとする。さて橋は外観からも大変頑丈に見え、案内板にも「ガラス板一枚が2000㎏の重さに耐えられる」とあるので安心感もあり、実際に橋の上を歩いてもそれほど恐怖を感じなかった。ガラス橋を体験したら山を下りる。ここでも文明の利器・観光バスを利用して一挙に風景区入口まで戻る。結果として今回のルートで風景区入口を出発(8:00)して戻る(12:00)までの所要時間は4時間、まあ余裕をもって荷物を預けてあるホテルまで戻ることができる。


風景区入口からホテルまでは徒歩で約40分、時間的余裕ができたので歩いて行くことにした。途中「明哥刀削面館」という食堂で昼食。先ずは「鴨緑江ビール」、そしてご当地フード「炒叉子」(トウモロコシが原料の黄色い麺を使った焼きそば)と好物の「トマト卵炒め」を注文。叉子麺は初めて食べるが、うどんのような太麺がプリッとした食感でおいしい。食後もまだ時間に余裕があったのでホテル近くの「笑笑」という理髪店で散髪しサッパリする。


散髪後はホテルに行って預けた荷物を引き取り、鳳城西駅行きの市バスに乗るため鳳凰城駅まで歩いて行く。哈爾濱行き列車は定刻通りに出発、車窓からは鳳凰山の山並みが少しくすんで見える。やれやれ、この旅もこれで終了、多少慌ただしい時もあったが大変充実した四日間だった。次の旅までは哈爾濱でゆっくり過ごし体を休めよう・・・。