




【2日目】9月15日のつづき。晩は現地で比較的人気のあるロシア料理店・盧布裏西餐廳(本店)で食事する。ホテルからは徒歩約10分。ロシア料理は哈爾濱や黒河で何度か食べたことがあり、店によって多少味は異なるが全般的においしく好印象だ。



盧布裏西餐廳(本店) 店名が黄色い大きな文字で表示されているので場所をすぐに発見。早速店内に入ると多くの客でかなり賑わっている。大広間は満席に近い状態のようだ。そして見るとロシア人のダンサーや歌手によるショーが行われていて、場の雰囲気を盛り上げている。客が多いと当然コックさんたちも忙しく、大串の肉や野菜を次々に焼いては大皿に載せるという作業を休まず続けている。それだけ料理の回転がいいと、自分が注文する肉の鮮度も良いだろうと勝手に考える。






私が案内されたテーブルは大広間ではなく少し小さめの部屋で、落ち着いた雰囲気でゆっくり食事ができる。さて酒は、来る途中のロシア物産店で買ったスターリンラベルの赤ワインを持ち込む。このワインは黒河でも飲んだが、味も良く値段も比較的安い良品だ。料理は、私は一人なので羊肉大串焼き(焼きたてパン付き)とブロッコリーサラダの2品だけを注文。串焼きは羊肉の大きな塊が豪快で、見映えも食べ応えもバツグン。サラダもみずみずしくシャキシャキしていてとてもおいしい。
やがてほろ酔い気分になる。そしてしばらくすると、テーブルの近くで女性ダンサーのショーが始まった。部屋が狭いので1名だけのダンス。それを見ていて気分が更に高揚し、ワインもどんどん進む。満州里の夜、楽しいディナータイムであった・・・。





店を出てホテルに戻る。多くの建物や店舗は非常に派手な電飾が施され、昼間のひっそりした街の雰囲気から一転、ギラギラした様子に少しびっくりする。


【3日目】9月16日。この日の主な活動は、沙俄監獄陳列館の見学、羊肉火鍋の昼食、北湖公園の散策、烤羊排(羊スペアリブの炙り)の夕食。
10時半頃、観光に出かける。外はきれいな青い空が広がり、気分もよい。最初の訪問先である沙俄監獄陳列館は駅の南にあるので、何度も通ってお馴染みになった歩道橋を渡る。歩道橋の上からは少し離れた所に木製の給水塔が見える。若干遠いがカラフルなのでよく目立っている。

沙俄監獄陳列館 「沙俄」とは「沙皇俄国」の略称で、ロシア帝国(1721~1917)のこと。現地の説明によると、ロシアの東清鉄道(中東鉄道)の敷設にともない1903年に建設された。敷地内には大小三つの建物が存在するが、この時は一番大きな建物「監舎」だけが見学できた。
人生で監獄を見学した経験は少ない。記憶しているのは、明治村の金沢監獄中央看守所・監房、平遥の平遥県衙博物館、香港のビクトリア監獄(域多利亜監獄)。他にもあったかも知れないが忘れた・・・。






現地の説明(上画像)にもある通り、本館「監舎」は1階、2階、地下地階から構成されている。監房以外にも、厨房、警護室、医務室、監獄長事務室など様々な用途の部屋が存在している。監房は性別や犯罪の程度によって収監される場所が異なっていた。ここでは紙面の都合で各階の主な部屋の画像だけを掲載する。
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下の一枚目画像は、地階へと続く階段。当時この階段を下りて行った収監者で、生きて地上に戻れなかった者も多かったと想像できる。








監獄の見学後は、駅前から市バス3路に乗り、駅北エリアにある火鍋店に向かう。駅に向かう途中にも保護対象のロシア風建築物があったので撮影した。





火鍋店・草原飯店 ネットで評判の良い火鍋店をいろいろ調べ、最後に「草原飯店」で昼食をとることにした。実際店内に入ると、多くの客で賑わい、室内やテーブルも清潔感があるので安心した。またメニューの説明には、牛や羊は自社所有のフンボイル大草原で、添加剤などを使用せずに飼育しているとの説明があるので期待が大いに高まる。
実は普段、スーパーで買った食材を使い自宅で「ひとり鍋」をすることは多いが、一人で火鍋店に入って食べることは人生で今回が初めて。まぁ満洲里の一人旅で、羊料理といえば火鍋や串焼き、烤羊排などしか思い浮かばなかったことが大きな理由の一つだ。



さて注文した具材は、「鮮羊肉」「羊上脳」「野菜セット」「キノコセット」。鍋スープは味のない水。付けダレ・薬味は調味料コーナーまで取りに行く。






残念な食事の感想 疲労か酒の飲み過ぎか原因不明だが、味覚がおかしくなったようで、今一つ羊肉の旨味が感じられない。おいしいはずの上質肉、どういうことなのか!? 普段スーパーで買って自宅で火鍋に使う羊肉は独特な旨味を強く感じるのだが・・・。もしかしたらあまりに上質で繊細、アッサリしているので、クセがほとんど無いのかもしれない。
また付けダレとして使用した濃厚ピーナッツ・ソースも肉の旨味を消した可能性がある。上質肉にはやりアッサリしたポン酢のようなタレがふさわしいのかもしれない。
さらに恐らく疲労と飲酒過多が追い打ちをかけるように悪影響して、ついに肉の味がぼやけてよく分からないという前代未聞で期待ハズレの最悪な結果となってしまった。トホホ・・・。まぁ、仕方がない。人生は予期せぬことが色々と起こるものだ。野菜とキノコのセットもあったので腹は充分に満たされたが、何か虚しい満腹感であった・・・。


店を出ると、気分転換に近くの北湖公園へ向かう。その内容は次編で記す。
