六泊七日の成都・峨眉山(4)


【4日目】10月4日。登山2日目。一泊した九岭崗を出て頂上を目指す。前日は7.5時間歩いたが、この日はそれほど歩かない予定。しかも頂上エリアのホテルで一泊するので焦りはなく精神的には楽だ。


九岭崗を朝9時に出発。濃い霧が出ていて視界が悪い。これからはひたすら歩き続けるだけ。しばらくすると上がりの石階段が現れ、またか~と思うが頑張る。前の晩しっかり休息できたようで、体調は良く、足の痛み等もない。


途中、野生の猿を見る。大小5、6匹いて、人間の与えたお菓子のようなものを食べている猿もいる。もしここで猿に噛まれたり引っかかれたりしたら、ケガの程度によっては即下山しなければならない。刺激を与えないように距離を保ってその場を過ぎる。


心臓破りの石階段がまた出現! は~、しんどい・・・。その長さを見ただけで気が滅入る。時刻は10時40分頃、出発してから1時間40分。この頃には足がすでに痛く、階段も10段上っては休憩し、また10段上っては休憩という繰り返し。まぁこの日は頂上のホテルで宿泊予定、慌てずマイペースで進もう・・・。


野生猿が再度出現! こちらを見ているような感じで不気味だ。刺激を与えず、距離を保って通り過ぎる。しばらくして後ろを振り返ると、男女のカップルが先ほどの野生猿とご対面中。あまりジロジロ見ていないで、早く通り過ぎたほうが安全だと思うが・・・。


霊覚寺を過ぎると雷洞坪バスターミナルがある。体力に自信のない人や、時間的余裕がない人も山の麓からここまでバスで来ることができる。ちなみに、私は下山時にここからバスにのって麓の報国寺まで移動した。


その後しばらく歩くと、接引殿-頂上間のゴンドラリフト乗り場が2カ所ある。つまり二つの違ったリフトが同時に運行しているのだ。その時はどちらも非常に混雑していて長い行列ができていた。乗り込むまでかなりの時間がかかりそうな様子だ。それぞれの乗り場には列に並ぶ乗客への注意書きがあり、一方は「乗るまで2、3時間かかります。頂上までは6km、徒歩1.5時間です。ご自身に適した上がり方をお選びください。」とある。う~ん、なかなか役立つ内容で感心する。もう一方の乗り場は「この行列の位置からは乗るまで約100分かかります。辛抱強くお待ちください。」とあり、「頂上までは6km、徒歩1.5時間」の情報がないのは少し不親切な感じだ。まぁ、自分は歩き組なのでそのまま先に進む・・・。


金頂(頂上エリア)到着!!  途中何度も休憩しながら、ようやく何とか頂上エリアに着いた。ふ~、ホッとする。時刻は14時30分。つまり朝出発してから5.5時間。さっそく予約してあるホテル「峨眉山金頂大酒店」にチェックイン、部屋でシャワーを浴びて汗を流す。このホテルは全体的に老朽化しているが、前日泊まった山小屋の部屋に比べると雲泥の差、大満足だ。浴室にバスタブが付いているものうれしい。外出するまでしばらく休憩する。


十方普賢菩薩像  休憩後、頂上エリアの散策に出かける。今回は天候に恵まれず、ずっと曇時々雨。菩薩像もかすんで見える。普段の行いが悪いとこういう結果になるのか・・・。


捨身崖(攝身崖)  普賢像から近いところに「捨身崖」という場所がある。ここは古来から自殺の名所で、現代でも自殺者が頻発しているとネット記事にある。参考:易网「峨眉山金顶“舍身崖”,成“自杀圣地”,为啥他们选择从这跳崖?」2018年10月17日)。実際、私がその場所に行くと1名の男性警備員が警戒していた。この時は濃い霧で視界が悪く、高所にいる恐怖心は生じないが、絶景が見えないということでもある。


夕食タイム  ホテル近くの飲食店「美食林」で夕食をとる。酒は四川の焼酎「歪嘴」(52度)。面白い名前だ・・・。料理は東北料理としても有名な「地三鮮」と、名物四川料理の「過水魚」(使用した魚は鯉)の2品。どちらも味は良い。連日の登山でエネルギーを消耗していたのでパクパク食べ、やがて満腹になる。ごちそうさまでした😊~ 


夕食後はホテルに戻り休息。そして夜8時半頃、再度外出し夜の普賢菩薩像の姿を見に行く。至る場所で多数のロウソクが揺らめいており、なかなか幻想的だ。観光客の姿は少ない。気になったので捨身崖にも行ってみたが、真っ暗で何も見えない。明るい時にいた警備員もいない。ただ不気味な雰囲気が漂っているだけなので、すぐにその場を離れる。


これで峨眉登山も終了。翌日は文明の利器を利用して迅速にスルッと下山し成都に戻る。ホテルの部屋に戻ると、焼酎を飲みながら今回の山登りを振り返る。頂上までは合計13時間歩いた。う~ん、大変だった。しかしそれだけ良い思い出にもなった。峨眉山、ありがとう~!
合掌

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